サッカー場に行ける!

3年前から、頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさんの続報です。

「先生、先週は、月曜から水曜まで痛みがあり、木曜日は全く痛みがなくなりました。金曜日から土曜日にかけては波があった感じです。今日は口の中鍼で突かれたように痛みます。」

今回は、合谷診(親指と人差し指の間の触診)をしないで、いきなり、Jソマトトープ(小さな人型)の左アゴに当たる個所に5本置鍼。

「けっこう、痛みが少なくなってきた。」

次に、合谷診のみで、胸椎に対応する個所の圧痛点を探します。実は、一番最初の山元式新頭鍼療法(YNSA)との出会いが、山元先生の治療で、しかも合谷診によるオデコ中央部のみの治療でした。

その印象があまりにも強烈だったので、合谷診のみで脳、頚椎、胸椎、腰椎を 診るのが、私にとっては簡単です。

Cさんは、胸椎に対応する親指と人差し指の個所が、ゴリゴリしています。左眉毛の上に3本置鍼。オデコの口に対応個所に1本置鍼。口腔に対応する個所に5本置鍼しました。これで、口の中の痛みは取れました。

若干、アゴに痛みが残っているので、これに対応するであろう左足甲の部位を軽く触れました。

「痛い‼️先生、今日一番の痛さ‼️」

そこに3本置鍼をして、後は大好きなサザンオールスターズの曲をゆっくり聴いてもらい、休んでいただきます。すっかり寝込んでしまったCさん。

「先生、今日はこれから、FC愛媛の試合を見に行くんです。一年前は、どこへも行けんかったのに・・・・随分良くなりました。ありがとうございます😊」

颯爽とマイカーを飛ばしサッカー場に向かわれました。

宮崎YNSA セミナー(症例7)

変形性頚椎症、腰椎症の70才代短髪男性Gさん、颯爽と入室されました。

「なかなか、いいヘヤースタイル・・・・あんた、◯◯さんとこの近くね?・・・・

◻︎△さんは、どうしとっと?」

「亡くなられた。」

「・・・なかなか、几帳面な人じゃった。」

合谷診(親指と人差し指の間の触診)をしながら、オデコ中央部の生え際の1点に集中する様に、4本置鍼されます。

「痛い!・・・・」

「・・・・肩は、まだ痛いけんどの〜」

合谷診の後、山元先生はもう1本同じ個所に、少し違う角度で置鍼されます。

「肩は、どうなったん?」

「痛くなくなりました。」

と突然、敬語でニッコリ。

山元先生は、最後、頚椎付近に注射をされますが、その時、Gさんの頚椎から胸椎にかけての手術跡を見せくれました。

「手術の跡です。いつ頃ね?」

「もう、10数年前になります。」

すっかり、敬語が板につくGさんでした。

宮崎YNSA セミナー(症例6)

今回で6回目の来院、腰痛症(特に左)の50才代女性患者Fさん。

「先生、今までより良くなりました。太ももの痛みがなくなりました。」

山元先生は、Fさんの両手を軽く握り、合谷診(親指と人差し指の間の触診)をしながら、オデコの中央部やや左寄りの生え際に、3本の置鍼。

「いいですか?」

「はい、今はほとんど痛みはないです。」

「散歩は、しない?・・・・なんで?・・・・自信がないの?」

「はい。」

山元先生、今度は鎖骨の上の首診をされ、

「これと、こっちは・・・こっちの方が痛い?」

鎖骨の下の胸骨(ネクタイの格好をしています)の、ネクタイの結び目の上の方を丁寧に探り、パイオネックス(円皮鍼)を2個貼られます。

「先生、左の太ももがしびれるように痛みます。」

山元先生は、左肘の横紋のやや上、内側の圧痛点に1本の置鍼をされます。

「どうですか?」

「あまり変わりません。」

Fさんの両手の合谷診をされた後、オデコ中央部の3本の置鍼より下にもう1本置鍼をされます。

「様子を見ておきましょう。」

で、終了となりました。

爪が鍼

鍼が嫌いなのに鍼灸院に来てしまった40才代の女性患者Aさん。主訴は肩コリです。

インターネットで、操体法の治療を受ける事が出来るのを知ったAさんは、頑なに鍼治療を拒みます。そこで、初回は皮膚に触れるだけの治療にしました。これだけでも、カラダが気持ち良くゆるんで肩コリが随分取れます。

次の治療では、動きの操法を入れながら、やはり、皮膚に触れる操法を中心に行いました。

今回の治療は8回目。かなり、肩コリも良くなって来ましたが、事務職でコンピューターと向き合っているため、週1回の来院が必要です。

今回は、山元式新頭鍼治療法(YNSA)を中心に、鍼ではなく爪を使ってやってみました。Aさんは鍼が嫌いだけではなく、あまり効果を信用していないようです。

そこで、合谷診(親指と人差し指の間の触診)をして、次に上腕診。

「痛いです!」

「そこが痛いと、オデコなんです。」

とAさんのオデコ中央部の生え際に爪でしばらく押圧。

「痛いけど、気持ちいいです。」

「はい、では腕をを診ますね(Aさんの左肘外側を軽く押圧)。どうですか?」

「あれ?・・・痛くない・・先生、押す力加減を変えてるでしょう?」

「いいや~、そんなことするわけでないでしょう?」

「・・・・・・」

「首の状態は、どうですか?」

「あれ?・・・軽い!・・・まだ、背骨の奥の方は、何かありますけど。」

そこで、左上腕三頭筋の肘に近いところの圧痛点を、爪で痛気持ちいい程度の押圧。

次に、肘下の圧痛点にも爪押圧。

「どうですか?」

「あれ?・・・軽い❣️」

どうやら、これで信用してもらえました。それからは、山元式新頭鍼治療法(YNSA)の脳神経の反射区である12脳神経点などを説明し、爪で正中線に沿って爪押圧をするよう指導しました。

次回の治療では、爪押圧での山元式新頭鍼治療法(YNSA)をもう少し深めてみようと思います。

宮崎YNSA セミナー(症例5)

 

ーたった7本の鍼で長年の腰痛が治ったー

30年以上腰痛に悩み、右前腕も物をつかんでいて、力が入らず落とすこともあった60才代の男性Eさん。

「腰は、もう長いんですか?」

「30年以上です。」

「取れない・・・また、再発する?」

「そうですね。」

「足はどうですか?」

「今年の正月は、右ふくらはぎ痛で大変でしたが・・・鍼を打って治りました。」

「それと、右腕に力が入らなくなります。」

「動くことは、できるの?」

「今は大丈夫です。」

「はい、手出して。」

左右の合谷診(親指と人差し指の間の触診)をされた山元先生は、左右の上腕診(外側のみ=頚椎点)をされた後、左前腕の上廉(肘下横紋から指4本下)付近に2本置鍼。

山元先生は、再び左右の合谷診をされます。

「これよりも、これのほうが・・痛い。」

「若干・・痛いです。」

今度は、オデコ中央部のA点に2本置鍼。

「どうですか?」

「・・・・痛みが取れたような、気がします。」

「立ったり、すわったりは・・・やってみて。」

「どうもありません。」

「反対の手出して。」

今度はEさんの右上腕診(外側のみ=頚椎点)をされた後、同じ位置に置鍼2本。

山元先生は再び左右の合谷診を同時にされます。そして、右前腕の2本の置鍼個所付近を押圧。続いて、左前腕の2本の置鍼個所を押圧され、もう一本置鍼。

第7頚椎右横に注射をし終了となりました。

「とにかく山元先生は、人間としてのスケールが大き過ぎて、常に叱られている様な感じだった。鍼に全く迷いがなくズドーンと入って来た。滅多にお会いすることができない怪物の様な方に、お会い出来る機会があったことに感謝します。」

長年の悩んでいた腰痛がすっかり治ったEさんでした。

宮崎YNSAセミナー(症例4)

変形性頚椎症および腰椎症の80才代の女性患者Dさん、肩凝りが激しいとのことです。

「先生、ここらへんが痛いです。」

両肩をさすって肩凝りの状態を、山元先生に伝えられます。

山元先生は、合谷診(親指と人差し指の間の触診)をしながら、オデコの中央部に次々と置鍼を5本。

 

「どうですか?」

「まだ、痛いです。」

今度は、山元先生、Dさんの頭頂部めがけて2本置鍼されます。

「どうですか?」

「・・・・痛くないです。」

 あまりに突然良くなったので、呆然としている私の耳元で、ベテラン鍼灸師の先生が、

「あれは、肝に刺したのです。肝は肩凝り(僧帽筋辺りを指差して)によく効きます。」

と、教えて下さいました。ここでいう肝とは、12脳神経、12内蔵合法点における10番目の肝。これを読んで分かる方は、ほぼいらっしゃいません!

そこで、小学校高学年でも分かるように説明したいと思います。

受精卵が分割して内胚葉、中胚葉、外胚葉となって徐々に人型が出来てきますが、大元は一個の受精卵。全てがつながっています。特に外胚葉は、外側の表面がくぼんで筒状となり、それが神経の大元となります。それが集まったものが、脳。

くぼんでいない外胚葉の多くは皮膚になります。頭皮と神経が密接な関係にあるのがよく分かると思います。神経は大きく分けて脊髄から根っこのように広がった脊髄神経と、脳から直接、頭を中心に根っこを張った脳神経があります。

この脳神経が12種類あって、頭皮には根っこのような脳神経を刺激するポイントが、オデコの中心部から頭頂部にかけて、きれいに並んでいます(写真参照)。

そして、そのポイントは、心臓、肝臓などの12の内蔵とも関係があるのです。元々、一つの受精卵だったので、一つのポイントが、様々なところにつながっているという考えは、理にかなっていると思います。

ただ、何故、肝を刺激すると、肩コリがよくなるのか分かりません。ゴメンなさい!

宮崎YNSA セミナー(症例3)

変形性腰椎症及び頚椎症で両足のしびれに悩む60才代の女性患者Cさん、ツエをついて入室。

「先生、足のしびれが一番つらいです。左脇から腰にもしびれがあります。」

「ツエなしでは、歩けない?」

「押しクルマで畑に行かないと、ダメです。」

などと、会話が進むなか、山元先生は、合谷診(親指と人差し指の間の触診)をしながら、オデコの中央部に置鍼されます。

「これで、ちょっと歩いて・・・・・どんなで?」

「少しは、のんだ(腰が伸びた)。」

「長いんでしょ?」

「若い時から、手術をすすめられて・・・でも、踏ん切りがつかなくて・・・この、しびれ感がつらいです。」

次に、山元先生は、Cさんの左肘周辺の圧痛点に2本置鍼されます。

「先生、腰が伸びました。」

続いて、左足の外踝(くるぶし)の下にある圧痛点にパイオネックス(円皮鍼)を3個。

「立ってごらん。」

「しびれ感・・・だいぶ楽になりました。」

今度は、右足の外踝(くるぶし)にパイオネックス(円皮鍼)を4個。

「先生、まだ脇のしびれ感がたまらんです。」

山元先生は合谷診をされた後、オデコ中央部にもう1本置鍼をされ、

「はい、これで様子をみて下さい。」

C

 

宮崎YNSA セミナー(症例2)

耳鳴り、頭痛に悩んでいる60才代女性患者Bさんは、変形性腰椎症、頚椎症でもあります。

山元先生は、いつものように左右の合谷診(親指と人差し指の間の触診)を同時に行います。

「先生、すごい痛いです。」

Bさんは、合谷診を受けるだけで、親指に痛みを感じるようです。

最近の山元先生は、合谷診の後、ほとんどオデコ中央部の生え際A点に置鍼されます。

「これの上と・・・下は?」

「下です。」

「この痛みと、これは?」

「それです。」

0.5mm単位で5本が密集しています。これは、腰と首に対応する置鍼です。

次に耳鳴り、頭痛に対する置鍼。

山元先生は、イラストの番号順①④に置鍼されます。

「この辺(②の周辺)に打っていただいた時、こっていたんだなあ〜と感じました。」

「音が低くなって、小さくなって来ました。」

Bさんの耳鳴りが、改善したようです。最後、頚椎に注射をして終了となりました。

「耳鳴りは、詰め込んだものを、外に出してやる・・・・そんな、感じ。4つの点が色々重なっています。」

と、山元先生の説明がありました。しかし、「4つの点が色々重なっています」の意味合いが良く分かりませんでした。離れているのに何故重なっているのか?

そこで、解剖学的見地から、頭蓋骨を覆(おお)う筋肉を見てみると理解出来ました。

イラストのように、

①の鍼は、胸鎖乳突筋

②の鍼は、後頭筋

③の鍼は、上耳介筋

④の鍼は、側頭筋

とそれぞれ異なる筋肉を刺激しているため、重なっているのです。つまり、この4点に正確な置鍼をすることが、重要であることがよく分かります。

宮崎YNSA セミナー(症例1)

第1日目の午前中、山元式新頭鍼療法(YNSA)の概要説明があり、余った時間を山元先生の治療(参加された先生方の治療)に当てていただきました。

30才代の男性Aさん。

左目がピクピクと動いて気になるそうです。

山元先生は、Aさんの左右の合谷診(親指と人差し指の間の触診)を同時にし、左右のコリの違いを聞きわけながら、一番強いコリを探されます。

そのコリが左手の合谷のソマトトープ(小さな人型)の頚椎に当たるところだったようです。

山元先生は、Aさんのオデコ中央部、やや左よりの生え際に親指をゆっくり当て、

「これと、これは・・・これですね。」

「ハイ!」

直径0.25mm長さ15mmの鍼をゆっくりと刺されます。

「これは、どうですか?」

「さっきとは、全然違います・・・・でも、まばたきをすると、違和感があります。」

「これと・・・・これは、これ?」

「あっ、そうです。」

山元先生は、ゆっくりと、しっかり鍼を刺されます。オデコ中央部に5本置鍼。

「どうですか?」

「だいぶ、いいですね~」

次に、眉間の左眉毛やや上にある圧痛点に置鍼されます。

「今のいいですね!」

と、Aさん。その時、冨田先生が、

「そこは、口腔ポイントです。」と説明がありましたが、山元先生から、

「いいや・・・・ここには、目があるじゃない?」

参加メンバー全員が、キツネにつつまれたような雰囲気になりました。続けて、山元先生は、右目と鼻の中間点を指差して、

「ここは、口じゃね。」

もう何が何だか、訳が分からなくなりました。初めて聞くポイントです。

「なんでそうなのか・・・分からない・・・圧痛点は、敏感でしょう・・・圧痛点が同じところで、模索しているような、連携しているような・・・ツボというのは、1つの小さい反応が起こっているんじゃないか・・・・と、思うんです・・・とにかく、分からんことが、いっぱい・・・・ハッハ、ハ、ハ・・・・」

「先生、鍼は刺した時が、一番効きますか?」と、どなたかが質問されました。

「一番効きますが・・・まあ~時間を置いた方がいいけどね・・・鍼は・・・100%でなくてもいいみたい・・・めぼしをつけて、刺せばいい!」

ポカ~~~ンとした時間の経過と共に、Aさんの左目ピクピクも治ったようです。

股関節と肩

女子中学生の患者Aさん。昨日、朝平泳ぎの練習をしている時に、右股関節が痛くなり来院。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で頭に置鍼。股関節が痛いので、特に耳のウラにしっかり3本置鍼。

 

「これで、股関節の痛みはどう?」

「こっちは、痛くないけど、まだこっちが痛い。」

痛みの範囲が狭まりました。山元式新頭鍼療法では、股関節=肩。それで、丁寧に肩の内側の圧痛点を探し、細めの鍼(寸6の3番)で刺していきます。圧痛点がなくなるまでに3~4分かかったでしょうか。

「今度は、どう?」

「もう、痛くない!」

これで終了してもいいのですが、念のために天城流湯治法での股関節痛に効く個所、右内踝(くるぶし)と、右肘の圧痛点に鍼を刺し終了しました。

Aさんのお母さんが、

「右脚であぐら組んでみて!」

「うん・・・・ほら、出来る‼️」

「これが、出来なかったんですよ。ありがとうございました😊」

山元式新頭鍼療法(YNSA)と天城流湯治法の併用は、うまくいくようです。

追伸:写真の肩甲骨と上腕骨の関係が、大腿骨と骨盤の関係に良く似ています。そのため、股関節の痛みが、肩の圧痛点を取ることで、無くなるようです。