京都出張治療1日目

ロンドクレアントというギャラリーの茶室をお借りして、治療をしています。ところがこの茶室 、出品作家の宿泊所となる場合もあります。

今回は、午後7時からは出品作家さんの使用時間帯となり、私は利用できません。

そこで、急遽(きゅうきょ)大徳寺の一室をお借りして、ご夫婦お二人を同時に診ることとなりました。ここも茶室です。

奥様のAさんは、膝痛。昨夜右足が、こむら返りとなり膝から下にコリがあります。こういう時こそ、「足ウラに鍼」です。丁寧に診ていくと膝痛ならば、親指側に圧痛点があります。左右の足ウラに5本ほど置鍼して休んでいただきます。

旦那様のBさんは、左右前腕に痛みがあります。山元式新頭鍼療法(YNSA)では、前腕を膝で診ます。イラストのように前腕の圧痛点に対応する膝の圧痛点に鍼を刺しては抜いていき、Bさんに前腕の痛みの有無を確認していきます。

ある程度Bさんの前腕が良くなったので、膝ウラに置鍼して休んでもらいます。

今度は、奥様のAさん。

足ウラの鍼を抜いて状態を伺うと、

「わ~~、軽い・・・でもここに痛みが残っています。」

そこで、膝の痛みに対応する肘の圧痛点に鍼を刺して、徐々に圧痛点を少なくしていきます。十分納得するまでやり、Aさん終了。

旦那様のBさんも膝を丁寧に刺して、前腕の痛みがほぼ無くなり終了。

2人同時治療は、ご夫婦ならば問題無いようです。

京都出張治療という場に身を置くと、思わぬ発見があり楽しいです( ^ω^ )

自力自療

60才代の男性患者Cさん、本日で4回目の来院。

長年、慢性的な腰痛に苦しみ、左足外側から足ウラまでしびれています。ところが、2週間前の3回目に足ウラへ、5本の置鍼をしたところ、

「足ウラが、熱くなって来た。」

「今までで、一番ええ(効いた)かもしれん。」

という言葉を残して帰られました。そしてその後、石のマットを購入し毎日、足ウラ刺激をしているそうです。そのせいで、本日の治療では、

「腰の調子がええ!」

事実、合谷診(親指と人差し指の間のコリで、頭に刺す個所を決める診断法)では、腰に反応がなく、もっぱら首に対応する個所に置鍼しました。

後は、奥のベッドで寝ていただき、久しぶりに軽く皮膚に触れる操法をして、ゆっくりしてもらいました。

次回の予約は、2週間後。

やはり、自力自療が基本であることを教えていただきました。

ありがとうございます!

眉毛のキズは、胸椎9、10番

背中に張りがあり、右足がしびれる50才代の男性Bさんの続報です。

Bさんの背中の張りは、特に左側がしつこいようです。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、眉毛の上にある圧痛点に置鍼し、胸椎(背中)や肋骨のコリを取っていきます。

そこで、Bさんの左眉毛を丁寧に診ていくと、正中線に近いところ(胸椎の9~10番に対応)に古いキズ跡があります。

これは幼い頃、転んで作ったキズで10mmくらいあります。

「痛ったたた!」

爪で軽くキズ跡を触れるだけで、もの凄い反応です。軽く痛くない程度でキズ跡を爪でほぐすと、

「背中、ケッコー楽になった!」

山元式新頭鍼療法は、鍼以外の刺激でも治療は可能です。

Bさんの気になるところは、やはり胸椎の9~10番あたりです。ソマトトープ(小さな人型)で眉毛のキズの位置と合致します。

今後、眉毛のキズをほぐしていくだけで、胸椎9~10番あたりの張りが取れていく可能性があると考えます。次回は、もう少し丁寧に診ていきたいと思います。

鍼は効くみたいじゃ

90才代の男性患者Aさん、主訴は頻尿。本日で4回目の治療となります。

ニコニコ顔で来院されました。

「先生、鍼は効くみたいじゃ!夜中に3~4回トイレに行きよったんが、2回になった。」

思わず、手を叩(たた)き喜ぶ私。

「Aさん、それは良かった!この調子でやっていきましょう。」

朝から縁起のいい話が転がり込んで、俄然やる気になる私。

さて、前々回にあった左足首のむくみは、見えません。しかし、毛細血管が拡張し皮膚を通して、透けてみえる細かい糸ミミズ様かたまりが目立ちます。

これを、細絡(さいらく)と呼びます。江戸時代の鍼灸師は、三稜鍼(さんりょうしん)と呼ばれる鍼で、瀉血(しゃけつ)し気の巡りを良くしていました。しかし、現在は、医師以外の瀉血は違法となります。

そこで、今回は左足の細絡(さいらく)の目立つ内踝(くるぶし)および、足底11ヶ所に3壮づつお灸をし、7ヶ所に置鍼しました。

右足は内踝(くるぶし)、足底に10ヶ所3~4壮のお灸のみとしました。そして、パイオネックスを左足に7個、右足に3個で終了。

Aさんは、ご高齢のため、徐々に刺激を増やしている状態です。

3日後の来院を楽しみにしています。

小指のしびれに少府穴(しょうふけつ)

背中に張りがあり、右足がしびれる50才代の男性Bさん。

合谷診(親指と人差し指の間のコリで頭のどこに置鍼するか決めます)を丁寧にすると、胸椎(背中)に対応する眉毛の上に置鍼するように合谷が教えてくれます。

左右合わせて10本を眉毛の上に置鍼しました。

右足にはオモテウラ合わせて、13本置鍼。途中で、

「両手の小指がしびれるんじゃけど・・」

なぜか、仰向けに寝て治療していると小指がしびれて来ます。そこで、小指をグーした時に、小指先が付くところ(少府穴=しょうふけつ)に鍼を刺して抜きます。

「しびれが無くなった。」

との事。このツボ、小指のしびれには即効性があるようです。

右足に縦横微塵に刺さった鍼を抜くと・・・

「足のしびれも無い。」

との事。しびれが生じている個所の圧痛点には、効く可能性大です。継続して治療してみようと思います。ただ、背中の張りは左は取れましたが、右側はまだまだ・・・

右眉毛の上には6本も置鍼したのに・・・・次回は、胸部のソマトトープを狙ってみます。

Aさんのくつ

若い頃、交通事故やスキー事故で全身打撲の男性患者Aさん。右足の骨折は40年以上経っても、股関節外側に慢性的は痛みがあります。

今回は、右足ウラの小指側を中心に置鍼することにします。

第4趾と第5趾の間に圧痛点があります。その1点を皮切りに、丁寧に圧痛点を探し、足ウラに6本、足の甲に2本置鍼。後は、ゆっくり30分ベッドで休んでもらいました。

Aさんの右足は、歩く時、小指側に体重がかかり、なおかつ、親趾が浮いた状態なのです。最も重要な親趾に体重がかからず、小指側にかかっています。この状態が続くと、右下半身の外側に張りが生じてきます。

Aさんは、骨折を機にこのような姿勢を強いられたと考えます。それならば、直接土台の足ウラを刺激し、全身を揺するのも一つの方法でしょう。

「Aさん、ゆっくり起き上がってみて下さい・・・・足どうですか?」

「途中、ジワ~っと暖かいものが流れて来ている感じだったです・・・・・即効ですね。痛くないですね!」

さあ~いつまで続くやら・・・・次回の報告が楽しみです。

眼瞼下垂対策

3年前から眼瞼下垂が気になる60才代の女性患者Bさんの続報です。

両目とも眼瞼下垂のため、ひどい時は全く目を開けることが出来ず、仕事にならない事もあります。

今日も、目をショボショボさせ、閉じることが多いようです。

YNSA 勉強会メンバーの河野浩巳先生から教わった、「眼瞼下垂は感覚点の眼点」を真っ先に実行。その後、耳鳴り治療点にも置鍼しました。

感覚点の眼点は、顔の正中線から、約1cm横で、生え際から約2cm下の圧痛点です。

耳鳴り治療点は、オデコから後頭にかけての左右側頭部に4個所ずつ8個あります。

「先生、ちょっと目が開くようになっとる。」

目を見開くほどではありませんが、普通に近い状態になっています。河野先生、ありがとうございます?

そこで、今度は足の親指を頭のソマトトープ(小さい人型)と捉え、お灸を親指にします。

親指のウラ側は、顔になります。ちょうど目に当たる個所に圧痛点があるはず・・・・

「痛い‼️先生、そこ痛い!」

やはり左右ともに2個ずつ合計4個ありました。そこに、それぞれに10壮ずつ合計40

お灸をしました。

Bさん、目どうですか?」

「開く、結構普通に開くね〜」

成果は出たようです・・・続けばいいのですが・・・

「一番効いたわい!」

4カ月以上通院していない60才代男性患者Aさん、久々に来院されました。

最近の治療は、山元式新頭鍼療法(YNSA)を中心に行っているため、Aさんにとっては、初体験となります。

書家のAさんは、大作の制作に中腰の姿勢を強いられます。

そのため、慢性腰痛に悩まされており、今はイスに座っていても痛いそうです。

まずは、合谷診(親指と人差し指の間の中手骨の際のコリを診て、頭に置鍼します)。

Cさんは、頭に鍼を刺すたびに、合谷のコリがゆるんでいきます。

「どしたん、ゆるんでしまうげ~」

「おもしろいでしょ~~」

「う~~ん・・・不思議じゃの、ほじゃけん、ワシャ東洋医学が好きなんよ!」

頭に13本置鍼し、ベッドに移動してもらいます。

今は、明るい待合室で、座ったまま頭に鍼を刺し、奥の治療室でゆっくり休んでもらう治療法になっています。

「Cさん、足ウラに刺しますよ~~」

「お任せするけん、なんでもしてや。」

丁寧にコリを見つけ、刺入角度を決め刺していきます。左右の足ウラに合計9本。

「腰がゆるんで来よるんが、分からい。膝も効いとる・・・・不思議じゃの~~」

後は、ゆっくり休んでいただくだけです。

以前の治療法は、腰痛の場合、太ももの内側、ふくらはぎの圧痛点などに置鍼していたのですが、特別なことがない限り、今ではしていません。

山元式新頭鍼療法の創始者、山元敏勝先生にお会いしてから、もっと自由に伸び伸びと治療出来ています。本物との出会いが私を変えてくれました。ただただ、感謝しかありません。

「今までで、一番効いたわい、こやって座っとても、いっちょも(全然)腰が痛ないげ~」

嬉しいお言葉ありがとうございます!

アゴは足

3年前から、頭痛に悩んでいる40才代の女性患者Cさん、ここ3~4回の治療で頭痛を感じない日もあります。

前回の治療は、1週間前の日曜日でした。

翌日の月曜、火曜日は「ちょっと頭、痛いな~~」という感じだったのですが、水曜日の朝から調子が良く、頭も軽い状態が金曜日まで続きました。

ところが、土曜日朝起きた時から、頭が上から押され、その上、後ろから引っ張られる様な感覚の頭痛。松山市内を歩いていても、「ふわあ~」とした感覚に何度もなり、買い物もせず、家に帰ってしまいました。

そして、日曜日の今日、来院。

山元式新頭鍼療法(YNSA)で、合谷診をしながら、頭に13本置鍼。

この時点でで、頭痛が軽減しています。

「今は、どんな状態ですか?」

「痛いというより、重いものがアゴにあるって感じです。」

今回も前回と同様に、ソマトトープ(小さな人型)は、下顎骨を足そのものとします。足とは、踵(かかと)からつま先。横から見ると下顎骨と足は良く似ています。

「アゴの重い感じは、どこですか?」

「ここです。」

Cさんの触れている個所と、Cさんの足とをダブらせると、直ぐに足の圧痛点が見つかります。あとは、その周辺の圧痛点に置鍼。そうすると、Cさんのアゴにある重いものが、ノドの方に移動します。

Cさんのノド側は、Cさんの足ウラに当たります。そこで、足ウラの圧痛点に置鍼して、20~30分ゆっくりしてもらいます。

「Cさん、鍼抜きますね・・・・・・じゃ、ゆっくり起きてください・・・どうですか?」

「楽(らく)です!痛くない❣️」

次回も、一週間後の日曜日に予約して、元気よく帰るCさんでした。

正座ができた!

30才代の男性患者Cさん、3カ月ぶりの来院です。

背中から腰にかけて強い張りがあり、右膝前十字靭帯損傷で、20才代に手術したところに膝痛があります。

山元式新頭鍼療法(YNSA)の合谷診(親指と人差し指の間のコリを触診する手技)で、丁寧に診ていくと、右膝に対応するオデコのH点と呼ばれる生え際付近に、痛みが集中しています。一本置鍼するたびにに、チェックしてもらいます。

「Cさん、どうですか~?」

「何ですか・・・これ?膝が軽なってるんですけど・・・」

「おもしろいでしょ~~」

「Cさん、今度はどうですか?」

「・・・正座できなかったんですけど・・・・出来るような気がする・・・・・出来た!」

「ほんとだ、凄い!・・・・・じゃ今度は、ベッドの方に行っていただいて、仰向けになっていただきます。」

仰向けになったCさんの足ウラに鍼を置鍼します。

京都出張治療中に見つけた「腰痛点」と、最近見つけた「膝痛点」を、左右に合計9本。

「先生、今の鍼・・・腰でしょう!」

「そう!」

「腰にど~んと来て、ゆるんでいくのが分かる!」

「・・・・・今度は、膝に来た。膝から下だけ、鳥肌が立った・・・・・」

Cさんは、感覚を素早く的確に言葉にしてくれます。

後は、ゆっくりJ-POP の曲を聴きながらゆっくりしてもらいます。

腰もゆるみ、膝も軽くなったCさん、可愛い息子さんとルンルンで帰られました❣️