クスノキ木霊療法と操体法で治す

スキーで大ケガをした後遺症が胸椎に残っている60才代の男性患者Aさん。

週に1度のペースで来院されているので、胸椎の痛みもわずかになっています。

Aさんは、2度の大きな交通事故、2度の大きなスキー事故を経験しているので、1カ所が良くなると、別の古傷が現れてきながらも、徐々に体調が良くなっています。

本日は、右股関節の外側に痛みがあり、それが右の臀部から膝ウラまでつながっています。

そのため、今回は右足を引きずって歩いている感じがします。

「先生、下腹に力を入れると、股関節の調子がいいんですよ!」

「へ~~え、そうなんだ・・・そうしたら・・ここ、歩きます?下腹に力入りますよ。」

人工芝にクスノキの瘤(こぶ)を置いた道を歩いてもらいます。

Aさんは、スキーをしているので、バランス感覚に自信があります。また、スポーツがお好きなようで、この様な遊びはすぐ夢中になります。10周以上回って、汗をしっかりかきました。

「Aさん、どうですか・・・股関節?」

「先生、脚がこんなに上がります‼️」

右太ももがお腹に付くほど上がるようになりました。凸凹の道とクスノキの瘤(こぶ)が足底の骨組みに刺激を与え、カラダ全身の歪(ひず)みを無意識のうちに治してくれます。

まだ、お尻から膝ウラにかけて痛みはあるようです。

「Aさん、仰向けになっていただいてよろしいでしょうか?」

右膝を伸ばし足底を天井に向け、私の右肩にAさんの右膝を当て、軽いストレッチ。

あとは、Aさんの脚に任(まか)せます。

何やら、足首を捻(ねじ)り始めたので、ゆっくり追いて行くだけです。

「・・・あっ入った(胸椎の歪みが、戻った?)・・・至福です。」

随分気持ちが良いようです。

右脚がゆっくり左脚の横に戻って終了。

あとは、花粉症対策で、おでこにパイオネックス(皮内鍼)を貼ります。Aさんは、このパイオネックスのおかげで、

「先生、マスクもテイシュも要らないんです。これ、効きますよ~~」

とニコニコ顔。

「Aさん、ところで胸椎はどうです?」

「あ~、忘れててた・・・調子いいです~~」

バイクで颯爽と帰るAさんでした。

追伸:Aさんからメールが届きました。

 

佐伯先生、歩くのが大分楽になりました。一日様子見します。こんなに即効性があるとは、感激です。

モゾモゾ体操(その18)

モゾモゾ体操(その15)のバリエーション(そのⅢ)。

前回は、半眼で目線を追うと、内眼筋である毛様体筋が動き、カラダの可動域をアップすると書きました。今回は、もうワンランクアップの体操。

テーマは舌と目線。

カラダのど真ん中にあって、呼吸、飲食、会話など人生の根幹に関わる舌。

生まれた時、舌を思いっきり出して、呼吸を開始し、静かに舌を引っ込め終焉を迎えます。

舌骨というカラダの中で唯一関節を持たない骨から生まれ、口の中を右往左往する筋肉の塊が舌(この舌にこだわって、言葉を並べて行くと、本題からそれるので、省略)。

今回は、もう少しこの舌を体操の中心に置いてみます。

仰向けになり、両膝を立てて足を開きます。左手はお尻の下、右手を立てて中指を軸として小指を外側に回します。ここまでは、前回と同じ。

肘→肩甲骨→まで連動してきた時、舌を意識しましょう。舌がソマトトープ(小さな人型)だと思い、カラダと同じように渦巻きの動きを作ってみましょう。

特に、舌の先端が両目の間に向かうようします。そして、舌の先端を半眼の目で見つめるようにします。すると、半眼の弥勒菩薩(みろくぼさつ)が、歌舞伎のおおみえをきった感じになります。

この状態が可動域マックス。

だと、感じています。一度試してください。ただ、人前でするのは、ご遠慮ください❣️

モゾモゾ体操(その17)

モゾモゾ体操(その15)のバリエーション(そのⅡ)。

イラストは同じものを使いますが、今度は、動きが違います。

モゾモゾ体操(その15)では、足を開いて膝立をし、膝を倒してから、腕を外側に回しました。これが出来るようになったら、もうワンランクアップの膝倒しをしてみましょう。

カラダは①体幹から末端へと連動したり、②末端から体幹、そして末端へと連動したりします。①よりも②の方が、より連動を感じることが出来ます。

今回の体操は、より連動を感じられる②に当たります。

仰向けになり、両膝を立てて足を開きます。左手はお尻の下、右手を立てて中指を軸として小指を外側に回します。すると、肘→肩甲骨→腰→膝→足首という順番に連動していきます。

この時の呼吸は、①自然呼吸②吐きながら(できれば、鼻から)③吐き切ったら、ゆっくり吸いながら→可能な限り息を吸い、息を止めます→一気に吐きます。

となりますが、目線で可動域がかなり変わります。結論からいうと、

目を開けてしっかり対処物を見ながら<目を閉じて<半眼

明らかに半眼の可動域が広いのです。

これは、半眼でボヤけた視野は、無駄な情報をカットし動きに集中しやすく、又、焦点を合わせる毛様体筋が勝手に動くことで、カラダの内部にも刺激を与えているのだろうと推測します。

一度、お試しあれ❣️

モゾモゾ体操(その16)

モゾモゾ体操(その15)のバリエーションです。

今回の体操は、前回と全く同じ動きをします。そのため、その違いに気づく人は、いないと思います。

違いは、目線です。

特に息をゆっくりと吸い込む時、目線をカラダの動きの中心に置くことで、螺旋状になっている筋肉の流れを、より一層感じることができます。

目に関係する筋肉は、眼球そのものを動かす外眼筋と、眼球の中にあり、水晶体などを動かす内眼筋とに分かれます。

目を瞑(つぶ)ったまま、目線を腰に向けた場合、もちろん外眼筋は動きます。内眼筋は、自律神経支配のため、水晶体は多分動くことはないと思いますが・・・半眼にして、目線を腰に当ててみました・・・カラダの内なる動きが増す気がします。

半眼にした場合は、どうやら内眼筋も動くようです。

仏像が半眼なのは、内眼筋を支配する自律神経に刺激を与えているのかもしれませんね~~

今回は、目線に焦点を当てました。今までの体操に目線を加えるだけで、ワンランクアップします。

お試しください❣️

モゾモゾ体操(その15)

モゾモゾ体操(その14)のバリエーション。

肩甲骨と肩甲骨の間に詰まり感を感じている方、結構効きます!

仰向けで両膝を立て、大きく足幅を取ります。左手はお尻の下にしっかり置きます。右手は軽く伸ばしたまま、ゆっくり両膝を左に倒します。この時、右足の母趾球を支点とすると、スムーズにできます。

そして、ポイントは右手。

中指を軸として、小指を外側に回します(前腕の回外といいます)。すると、胸は開き、肩甲骨の奥からの動きを感じることができます。

普段机に向かって、丸まった姿勢をしている方には、効きます。

呼吸法は、①自然呼吸②吐きながら(できれば、鼻から)③吐き切ったら、ゆっくり吸いながら→可能な限り息を吸い、息を止めます→一気に吐きます。

モゾモゾ体操(その14)

モゾモゾ体操(その1)で、下記のような動きを紹介しました。

仰向けになり、両膝を立て、両手をお尻の下に敷き込みます。それでゆっくりゆっくり膝を倒します。ただそれだけ。ゆっくり体重をかけるので、手首のツボにはいい感じで圧がかかります。

このバリエーションです。上記の説明では、手首の大切なツボに刺激を与えることにポイントを置いていますが、せっかく、両膝を倒して体幹をひねっているのですから、これに少し負荷をかけて、手首だけでなく、全身に連動する体操にしてみましょう。

両膝を左に倒したあと、左足を右膝にイラストのように掛けます。すると、重心がもっと左にかかっていき、左腕のツボを刺激 し、右腕にはほとんど負荷がかかりません。そこで、その右腕をイラストのように伸ばします(ポイント:小指側を伸ばしましょう)。そうすると、体幹がより一層ねじれ、可動域が増えます。

呼吸は、ゆっくり動いている間は、出来るだけ鼻から吐きます。可能なだけ倒した後は、今度は吸いながら倒します。そうすると、稼働域がもう少し広がります。限界まで吸って、あとは一気に吐けば、ワンセット終了。気持ちが良ければ、何回もしても構いません

モゾモゾ体操(その14)

仰向けになって両膝を立てます。左足を上げてその足底を右手でしっかり持ちます。

ここまでは、モゾモゾ体操(その13)と同じです。左手で左膝をしっかり支えて、三角形を作ります。

この状態から、左足の足底を内側にひねります(足関節の内反といいます)。

ポイントは、左足母趾球にある種子骨に右手親指をしっかり付け、その他の指で足の甲をきめる事です。

うまくきめる事ができれば、腰まで心地よく動きます。右手の肘はおへそ(カラダの中心)を向くようにすれば、無駄な力みがなくなります。

この状態から、左足の足底をゆっくり外側にひねるのを、右手で固定するとカラダは連動してきます。心地よい力加減で無理しないでやってください。

呼吸法は、①自然呼吸②吐きながら(できれば、鼻から)③吐き切ったら、ゆっくり吸いながら→可能な限り息を吸い、息を止めます→一気に吐きます。

コリがとれた

 

京都出張1日目の午後7時から操体法の勉強会。

丸住和夫先生の揺らしのコリほぐし操法を習いました。

速効性がある驚きの操法です。

早速、2日目の午前中の治療で使うことになります。

90才代の女性患者Aさん。

「最近は、おかげさまで調子がいいんですよ。」

とにこやかなお顔をされています。

「そうしたら、今日は足もみをしましょう。」

花冷えの京都では、お布団の中でゆっくりしていただき、足を揉(も)んでいくのが一番。

ふかふかのベッドで正座して足を揉(も)みます。

「あっそうだワ!ふくらはぎに長年のコリがあるの。」

と、Aさんは起き上がって右ふくらはぎのコリを指で押して、教えてくれました。

「それでは、コリを取る操法をやってみましょう。」

と、昨夜習った操法を試してみます・・・・・ところが、何度やってもコリは消えません。

そこで、いつもやっている皮膚に軽く触れるだけの操法に切り替えました。右ふくらはぎの中央よりやや上の外側にあるコリを見つけ、左中指先端を軽く触れ、ゆっくり呼吸をすろだけです。ぼ~~とするのが得意な私には、打って付けの操法です。

「私が飼っていたカナリヤがね~、可哀想なことに、ヘビにやられたの。ヘビは、鳥かごの入り口を、上に開けて入って来て、カナリヤを丸呑(の)みにしたの。そのあと、とぐろを巻いて鳥かごに、ず~といたの。可哀想なことをしたワ。」

「私んちも、親父が鳥好きなもんで、小鳥を沢山飼っていました。文鳥がやっぱりヘビにやられました。文鳥の小屋だけ網目が大きかったので、シマヘビは入る事が出来たんですね。とぐろを巻いてじっとしていました。呑みこんでしまったら、お腹が大きくて出られないんです。つがいのもう一羽が、怖じ気づいて止まり木で小さくなっていました。」

などと鳥やお花の話をしたり、ゆっくりした時間が流れました。30分くらい経過したので、コリを確認したところ、見あたりません。

「コリがなくなったようなんですが・・・」

「あれっ?・・・まだ小さい(小指の前をつまんで私に見せくれます)コリがあるはずなんですけど・・・」

Aさんは起き上がってふくらはぎのコリを探し始めました。

「・・・あれっ、やっぱりないワ❣️不思議ね~~」

なくなったようです。後は外踝(そとくるぶし)の外果治療点にパイオネックスを貼って、終了としました。

YNSA モゾモゾ体操

 

夜行バスに乗って、松山から京都までの旅。京都駅にリニューアルした喫茶店プロントで休憩します。中国人の多いこと‼️

さて、ここでのカラダの気づき2つ。

①無理な体勢は、わずか5分で歪(ひず)みを作る。

昨夜、ある患者さんに、山元先生のブラジルでの奇跡の治療映像を見ていただきました。

その時の私の姿勢が悪い。

ベッドの横に立ちiPadを患者さんにかざし、患者さんの顔を見ます。

この時点で、「へそは正面」という原則を外しています。その上、ipadの画面を覗(のぞ)きこもうと、クビに負荷を随分かけてしまいました。

『こりゃ~いかん‼️ 』と感じつつも、この体勢を続けること5分。

左仙腸関節(左のお尻の出っ張ったところ)に違和感があります。そのまま、夜行バスに乗ったため、京都に着いて腰に圧迫された重い感覚があります。

『やっぱり、「へそは正面」は大原則だ~~』

と感じたのであります。

②山元式新頭鍼療法(YNSA)で操体法

前回も夜行バスで腰痛を感じたので、自力自療(自分一人で治す)の方法を考えだしましたが、今回はもっとシンプルに作ってみました。

右指5本の指先を、右耳の後ろに当て固定します。左手はテーブルの上にぺったりと置きます。

この固定した状態から、ゆっくり腰を時計回りの方向に動かします。動かすと言っても、お地蔵さんが動く程度。他人が見ると、全く動いていない動きです。カラダの外側が全く動かないで、内側がほんの数ミリ動く感じです。

なぜ耳の後ろ側を固定するかというと、山元式新頭鍼療法(YNSA)のソマトトープ(小さな人型)では、耳の後ろ側が、腰に当たるからです。

ここに圧力を与えることで、腰が良くなると思ったのです。

事実、良くなりました。

モゾモゾ体操に山元式新頭鍼療法(YNSA)を組み込むことが出来るかも?・・・・という気づきでした。

モゾモゾ体操(その13)

仰向けになって両膝を立てます。左足を上げてその足底を右手でしっかり持ちます。

膝を無理しない程度に伸ばし、左足グー、これを右手で軽くひっぱると右肩甲骨が伸びて、

結構気持ちいいです。

左手で左膝をしっかり支えて、三角形を作りましょう。安定します。

イラストのように左膝を曲げた状態でグーをすると、ヒラメ筋というふくらはぎの奥にある筋肉をストレッチします。効きますよ~~

呼吸法は、①自然呼吸②吐きながら(できれば、鼻から)③吐き切ったら、ゆっくり吸いながら→可能な限り息を吸い、息を止めます→一気に吐きます。