
「国宝を、鍼灸師としてどう観ました?」
「うん?・・・ちょっと鍼灸師としては観てなかった・・・」
「野口晴哉先生(野口整体の創始者)の弟子が映画を観に行った時、野口先生が整体師としてどのように観たのか?と、質問したそうです。」
と、患者さんから言われました。鋭い質問を受けタジタジとなったのですが、それからしばらく経ち、改めて国宝を鍼灸師としてあるいは、施術者としてどうとらえたのか考えてみました。
国宝の映画で印象に残ったシーンの1つが、田中泯さんの白塗りのゴツゴツした手。本来なら歌舞伎役者の手はあれほどゴツゴツしていません。田中泯さんは女形を演じて声は女性の声になっているのですが、山奥で農作業をしていた手が田中泯さんの生き様をさらしているため、異様な迫力で迫ってきました。
手が生き様を表現していることを改めて思い知ることになりました。施術者は手で触れて患者の状態を探ります。また、頭皮に触れないで患者さんの波動を感じ取るセンサーにもなります。触れるだけで治療をするときもあります。そんな機能的な手は、生き様そのものとなるのです。
国宝を治療家として観ると、田中泯さん演じる女形の手が奇抜、異様な「歌舞伎」そのものであった・・・・と、言うことになるようです。