左半身が痛い

 

 

1カ月ほど前、回転イスから転び腰を打撲した60才代の女性患者Bさん。左の首から肩にかけてと、左前腕に痛みがあります。また、昨夜は左腓腹筋のこむら返りがありました。打撲した時、左側に重心が掛かったのかも知れません。

上腕診(肘の内側横紋の触診)

左:頸椎、胸椎、脳幹、大脳

右:腰椎、脳幹、小脳

上記に対応する個所に圧痛点があり、6本の頭への治療点に置鍼。痛みがなくなりました。これが基礎治療で、自律神経が整いました。今回の治療では、操体法(動きの操法、皮膚の操法)を取り入れてみます。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、手足反射区の対応をします。

手=足     手首=足首

前腕=下腿   肘=膝

上腕=大腿   肩関節=股関節

肩甲部=腰部

上記の対応は、見事な自然の法則。具体的にいうと、右手親指内側を痛めると、右足第1趾内側に圧痛点が出来ます。そのため、右足第1趾内側の圧痛点をとる事で右手親指内側の治療ができます。

Bさんの場合、左前腕が痛いため、昨夜左ふくらはぎのこむら返りがあったと考えることもできます。こむら返りというのは、血水不足や疲れ過ぎが原因で、ふくらはぎの筋肉が縮む事です。そこで、イスに坐ったままで、左脚を伸ばし爪先を軽く上げてもらいます(背屈)。

私がBさんの踵(かかと)を左手で持ち、右手で軽く足底を背屈させます。

「私が、足を軽く固定していますから、つま先を軽く下にグーをするようにゆっくりと下げてみて下さい・・・・それと同時に、かかとが、太ももの内側に付くような動きをしてみて下さい・・・・実際には、私が固定してますので、動かないのですが・・・・カラダの中は動いています・・・・決して力まないで・・・一番気持ちのいい力加減を見つけてください・・・・カラダの中心、腰を使って・・・背中で・・・肩甲骨も使ってみましょう・・・」

などと、言葉掛けをしながら、動きを誘導します。これで、Bさんのふくらはぎは随分緩みました。次に、Bさんが最も気にしている左前腕、左肩に対応する個所に置鍼をします。

C点(正中線から4.5cm程左の生え際あたりの圧痛点)2本

Iソマトトープ(側頭部の小さな人型)3本

胸部ソマトトープ(胸骨の小さな人型)5本

上記置鍼したまま、奥のベッドでゆっくり仰向けになってもらいます。実はBさん、左の母指球も痛いのです。そこで、Bさんの手足反射区をまとめます。

痛いところ   対応するところ

左肩甲骨    ①左腰部

左前腕     ②左膝内側

左母指球    ③左第1趾

①②③の圧痛点に軽く指をふれる操法を20分。

「先生、背中と足首の軽さが全然違う❣️」と言葉を残してニコニコ顔で帰られるBさんでした。