間違った個所に指、結果は・・・
鍼に対して過敏に反応するため、鍼を使わず指で触れるだけの治療をする60才代女性患者Aさん。今回は胃腸の調子が良くないとのことです。そこで、治療方針を説明しました。
「まず、脳、脊椎を整えて、自律神経に働きかけます。これで内臓が整ってきます。そのあと首診で12の内臓点を診て治療します。」
上腕診(肘内側の横紋の触診) :左胸椎、腰椎、小脳
:右なし
首診:左肝、胆、心包、胃、脾、小腸
:右膀胱、胃、脾
Aさんには、ベッドに移動してもらい仰向けで寝てもらいます。
上腕診の左胸椎を私の思い違いで、左頸椎に対応する個所(オデコの生え際中央部のA点・・・実際には、左眉毛やや上の圧痛点E点におくべきでした)に軽く右中指を添(そ)え、人差し指を、もう少し上の個所(脳点)に添えます。左腰椎に対応するAさんの左耳の前にあるD点に左中指を添えます(イラスト参照)。
「左の胃だか腸だかが、グルグル動いています。」
この状態を7〜8分続け、自律神経を刺激する基礎治療終了します。次に応用治療として、12内臓点のうち、最も反応のあった右脾、左脾に対応する側頭部(Y点)の治療点に、左右の中指を軽く添えます。
「胃と腸全体が動き出しました・・・・・・歯(Aさんは、歯の治療をしています)に、やっぱりズシンっと来ますね。」
この状態で7〜8分。次に、右膀胱、左肝に対応する側頭部(Y点)の治療点に、左右の中指を軽く添えます。この間、Aさんは一言も話をすることなく7〜8分過ぎました。
「今、どうですか?」
「落ち着きました。」
後は、ゆっくり20分ほど過ごしてもらいます。
最後に上腕診と首診を行い、指を添えるだけでそれぞれの診断に変化があるのか、チェックすることにしました。
上腕診:左胸椎→圧痛点あり 首診:左肝→圧痛点あり
:左腰椎→圧痛点なし :左胆→圧痛点なし
:左小脳→圧痛点なし :左心包→圧痛点なし
:左胃→圧痛点なし
:左脾→圧痛点なし
:左小腸→圧痛点なし
:右膀胱→圧痛点なし
:右胃→圧痛点なし
:右脾→圧痛点なし
上記のように、83%良くなっていました。左胸椎は、私の失敗で圧痛点が残った可能性があります。次回は、失敗しないようにします❗️