「先生、仙台にも行っとったんですか?」
「?・・・・あっ、これですか・・・はい、1年間通いました。あのころは、東京に住んでて、夜行バスで行っていました。K先生は、凄い先生で・・・・プロ野球のT投手が、楽天戦で仙台に来た時、しょっちゅう治療で通っていましたよ。」
左膝痛で左足首痛の60才代の男性患者Cさんが、操体師の認定証をながめながら、尋ねてこられました。
「開業したころは、操体法をメインで治療していくつもりだったんですよ・・・操体法は自力自療
の素晴らしい治療法です・・・けど、山元式新頭鍼療法に出会ったので・・・」
山元式新頭鍼療法(YNSA)と操体法を併用しながらの治療は可能なので、いずれは独自の治療法を作っていこうと思っています。操体法は19年間学び、かなり身に染みこんでいますが、山元式新頭鍼療法(YNSA)は、まだ1年間。もっと技量を上げないと話になりません。
「調子はどうですか?」
「最初の頃に比べると、ええです・・・確実に良くなっているのは分かりますが、まだ、膝と足首は痛いです。」
合谷診(人差し指と親指の間の触診):左(左側から治療していきます)
進化系合谷診(人差し指につながる中手骨を6等分し腰椎、胸椎、頸椎、大脳、脳幹、小脳の診断)
左:脳幹(1)
右:腰椎(1)、小脳(0)
( )内は圧痛点が無くなり治療できた置鍼の数。(0)は他の治療点の置鍼で圧痛点がなくなったことを、示しています。これで基礎治療が終わり、自律神経が整いました。
首診(内臓)
左:腎(1)、膀胱(1)、肝(1)、心包(0)、心(0)、胃(0)
右:腎(1)、心(0)、大腸(1)、脾(0)
今回は、腎の治療点に置鍼すると、他の内臓点が、かなりゆるんだようです。これで、内臓が整ってきました。次に膝と足首を側頭部のIソマトトープ(小さな人型)圧痛点を見つけ、置鍼治療をします。
「今、一番気になるところはどこですか?」
「左膝です。」
左側頭部Iソマトトープ(小さな人型)の膝にあたる圧痛点に置鍼。
「どうですか?」
「・・・不思議ですね・・・楽です。」
今度は、右の足首をねらって右側頭部Iソマトトープの足首にあたる圧痛点に置鍼して、
「・・・楽です」
何を思ったのか、操体法で治療を始めていました。
「Cさん、ちょっと右手をかしてください。私がこうやって親指を軽く決めますので、ゆっくり気持ちがいい程度で、親指を元の位置に戻そうとしてくれますか?・・・・そうそう、そんな感じです・・・決して無理しないで・・・」
「これって・・・腰が伸びますね・・・気持ちいい!」
「そうでしょう!・・肘を使って、肩甲骨で・・・・背中で・・・カラダの中心、腰を使って・・・・できるだけ鼻から息を吐きながら・・・・」
などと言葉で誘導します。
「足首がすーっとします。」
という具合で、今回は操体法も治療に加え、自分一人でできる操体法もお教えしました。Cさんには、これからも操体法を使ってみます。