初きゅうり

2週間ぶりの来院ご夫婦が、自然農薬の本をくださった患者さんです。

このご夫婦は、徹底した無農薬栽培を何十年もしておられます。9時からの診察ですが、畑でこの2週間の展開をみていただきたいので、8時45分に長ぐつを履(は)いて畑仕事をしながらお出迎えしました。私には、この畑がどのようになっているのかよく分かりません。しかし、ご夫婦は一目で何かが分かるようです。

「先生、この畑は通りすがりの人が、見よります・・・本物をやろうとしとるんが、分かるんです。

今度は、どうなっとるんじゃろか?・・・言うて、楽しんどるんです。」

「・・・・・・?」

「化学肥料まいたり、農薬まいたりしているのとは、違うんです・・・きゅうりの葉っぱの色が全然違うんです・・・・ありゃ、きゅうりが出来とるがな。この最初のきゅうり、食べておみなさい。」

「えっ・・・・もう食べてええんですか?」

と、昨日の雨で一気に大きくなったきゅうりを、私が生まれて初めて作ったきゅうりを食べました。しっかりきゅうりの味・・・・歯切れがいいだけでなく、ほんのり甘みがあるのに驚きました。実はこの甘み、ご夫婦を治療している間も、ほんのり口の中にあるのです。

「先生、味が違うでしょう?・・・これは、自分が作ったという思いと、自然の恵みがからまって売っとるもんとは、違うもんになるんです。」

何十年も無農薬に徹して生きておられるお二人、私のやっていることはお見通し。その後も

濃厚な会話が続き、あっという間に30分過ぎてしまいました。次のご予約が2週間後です。それまでに、細かい経過報告書を作ってみようかな・・・・・最高に楽しんでいます❣️