「コクン」

私と同い年で、誕生日も近い女性患者Aさん。友達感覚で治療に入れるので、治療時間が楽しいのです。Aさんは、左膝下の脛骨(けいこつ)にクサビのようなモノを入れて、O脚を矯正しました。そのため、今でも左膝に違和感を感じ、歩くたびに「コクン」という音がして、頭まで響くそうですが、今日は膝ではなく、腰痛と肩こりが主訴です。Aさんは、2週間に1度のペースで来院されています。

早速、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)左足の方が痛いので、左側から治療を始めます。

次に、膝診(膝内側周辺の触診)

左:頸椎、胸椎、腰椎、脳幹、大脳、小脳

右:胸椎、腰椎、大脳

上記の診断点に圧痛がありましたが、今回は操体法で圧痛点をとることにしました。

「Aさん、今回は操体法というやり方で、膝の痛いところを取ってみようか?これじゃったら、自分でやれるようになるし・・・・」

「・・・・かまんですよ。」

「左膝の1番痛かったんは、どこじゃったろ?・・・・・ここ(脛骨内側鵞足付着部部分→膝の大きな骨の内側)?」

「先生、そこじゃ!」

「そしたらね・・・私が、Aさんの足の甲に手のひらを置くけん、ゆっくりと親指を意識してつま先がスネにつく動作をしてください・・・・決して力まないで・・・痛かったらやめてください・・・・そうそう・・・カラダの中心、腰を使って・・・背中で、肩甲骨で・・・・はい、首も使ってみましょうか・・・・」

などと、言葉で誘導して3つの操法を行い、全ての圧痛点をとりました。これで、自律神経が整いました。続いて、首診。首診では、腎、膀胱、肝、胆、心包、心、大腸、三焦、胃、脾、小腸、肺、全て左に圧痛点があります。左側頭部の腎、肝、心、脾、治療点に置鍼すると、全ての圧痛点がなくなりました。

「これで、腰と肩どうですか?」

「・・・・・・肩は、もう何ともない・・・けど、腰がまだ、チョット痛いわい。」

「どこ?・・・・・う~ん、分かった・・・・・これで、どう?」

「・・・・・うん・・・痛ないわい!」

耳ウラのIソマトトープ(小さな人型の投影)に置鍼して、良くなりました。これで、終了となったのですが、Aさんが、歩きながら、

「先生、どうしても歩いた時のこの音が気にならい・・・・・ほら、聞こえる?」

「ホントじゃ・・・・聞こえらい・・・・・そしたら、鍼刺してみよわい・・・・・これでどう?」

「・・・・だいぶ、良うなった。」

と続けて、左側頭部のG点という膝治療点に4本置鍼。

「先生、最初10じゃった音が、1~2じゃわい・・・不思議じゃ・・・凄いね!」

という事で、これからは、1週間に1度の通院に変更されました(*^ω^*)