操体法と鍼3本

右肩が上がらないと来院された80才代の女性患者Bさん、あれから10日ほど経ちました。

「先生、まだちょっと右肩に痛みが残ってるの・・・・」

「ううん・・・どうすると痛いですか?」

「・・・左はこんなに上がるのに・・・・右は、上げる途中でここ(三角筋前部繊維という肩の前面部)が痛くなります(左より可動域も小さい)。」

「そうしたら、今日は操体法でやっていきましょう。」

ということになり、ベッドの右端に仰向けで寝てもらいます。右肩の三角筋前部繊維と対応するのは、右大腿部の大腿筋膜腸筋だと思っているので、この筋肉狙いで操体法を行います。Bさんの右脚をベッドの外に出してもらい、つま先を内側にし私が軽く両手で固定します。Bさんには、つま先を外側に移動しながら右脚を外側に開く様な動きをしてもらいます。この動きで大腿筋膜張筋に圧力がかかります。

「先生、気持ちいい・・・効いてる感じ・・・・・」

この操法を終えて、Bさんに右腕を上げてもらうと、痛みが少なくなっていましたが、まだ痛みが残っています。今度は、大腿筋膜張筋の圧痛点に軽く指先を置く操法。5分ほど続けて、

「Bさん、右腕上げてみてください。」

「・・・・・いいみたい、もうちょっとだけ・・・・」

そこで、鍼治療にチェンジ。オデコに2本(B点、C点)耳上に1本(Iソマトトープ)。

「・・・・痛くない。先生、いいみたい。」

可動域も左腕と同じになりました。操体法との併用は効果的です。