「明日の午前中空いていますか?」
「申し訳ございません・・・明日は、午前中はいっぱいなんです・・・・今からだったら大丈夫ですが・・・・」
「えっ今からいいんですか!・・・・そしたら、行きます・・・・5分ほどで。」
と、新患の30才代女性Cさんが来院されました。地元で出産され2月末まで、こちらにおられるそうです。2児の母親でしかも最近出産されたので、なかなか外出出来ない状態。その合間を見つけて来られました。肩こりが激しくて、後頭部痛が起こることもあるそうです。
「私の鍼は、頭に刺すのですが、いいですか?」
「えっっっっ、頭ですか・・・・チクチクしますか?」
「ハイ・・・ちゅうか、痛いですよ。」
「えっっっ!」
「でも、効きますよ・・・・痛い程効きますよ。」
「・・・・・・」
と、脅(おど)しのような会話になってしまいました。一瞬『まずい所に来てしまった!』という表情だったCさん、少しの間で覚悟を決めたようです。
「うわ~ドキドキする・・・」
「ドキドキすることのある人生って、素晴らしい。」
などと言いながら、山元式新頭鍼療法(YNSA)の基本的な考え方を説明し、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)、膝診(膝窩横紋周辺の触診)、首診をしていきます。
足の合谷診では、左右ともに同じように痛いそうです。そのため、左右どちらから始めるか分かりません。ただ、膝周辺を触った感じでは、右側に偏(かたよ)りがあるように思いました。右膝には圧痛点が4カ所(th2、th7、th8、th12)、左膝は1ヶ所(th11)、しかも、右膝の痛みの方がはるかに痛いそうなので、右側から始めることにしました。Cさんの手のひらを触ると、汗ばんでいます。非常に緊張されているようです。こんな時は、最初の鍼が勝負。膝の最も痛い個所(th7)ねらいです。th7の治療点は右眉の中央部から1cm程内側の圧痛点。
「どうですか?(膝の最も痛い個所を触診)」
「痛くない!!!!変わった・・・・凄い!」
これで、Cさん納得。それからは、トントン拍子で治療が進み結局8本の鍼で終了となりました。自律神経と内臓を整える置鍼を7本した時点で、肩こりはなくなっていました。
「これで、十分だと思うのですが・・・・まだ、肩をねらっていません。1本打ちましょうか?」
「・・・・ハイ。」
「・・・・・・どうですか?肩」
「軽い!血が通っているのが分かる・・・・・血液が滞(とどこ)ってたんだ。」
敏感なCさんには山元式新頭鍼療法(YNSA)があっているようでした。
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