急患

「先生、急に息苦しなって・・・・今、行っても大丈夫ですか?」

「次の患者さんは、5時からじゃけん大丈夫です。すぐ来てください。」

3ヶ月前、息切れが激しく「死」が頭をよぎったという経験をお持ちの70才代男性患者Cさん。順調に良くなっていたのに、突然以前と同じような息切れが襲ってきました。奥様に連れて来てもらい、歩くのがやっとという感じです。

「先生、どしたんじゃろ・・・昨日までは、調子良かったんじゃけど・・・急に息苦しなって・・・」

「どしたんじゃろ・・・・理由は分からんけど・・・・とにかく、診ましょう。」

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、自律神経をまず最初に整え、次に内臓を整えるという手順を踏みます。しかし、今回のような緊急時、一番最初に、第9脳神経の治療点を狙いました。この治療点は、舌咽神経と肺に効くため、Cさんの症状には良いのです。後は、自律神経を整える治療と、内臓を整える治療だけにします。その結果が、下記になります。

膝診(膝窩横紋周辺及び、大腿部、下腿部の触診)

頸椎:#6、#7

胸椎:#10

これらは、2本の置鍼で整う

首診の代わりに足首診(理由は、Cさんの咳が激しく、首に負担を掛けたくなかったから)

膀胱、肝、心包(心臓の周辺)、三焦(消化器)、小腸、肺

5本の置鍼で整う

徐々にCさんが落ち着いてきました。ヒタイに脂汗が出ていたのも無くなってきました。ベッドで横になってもらい休んでもらいます。その間、なぜ急に息苦しくなったのか考えていると、思いつくことがありました。

『黄砂じゃ!特に今日のはひどかった・・・・本当は、桜を見に行きたかったけど、絶対やめようと思ったくらい、ひどかった。中国の汚染物質がCさんのカラダに、影響を与えたんじゃろなあ。』

そこで、Cさんの頭に刺した鍼を抜く時、今日外出したかどうか聞いてみました。

「・・・ええ、近くのスーパーまで歩いて行きました。」

「やっぱり!そしたら黄砂じゃ。今日の黄砂はひどかったけん、それにやられたんじゃと思います。しばらくは、咳が出て悪いもんを出してくれると思います。明日も、黄砂は多いと思います。外出は控えたらいいですよ。」

と、アドバイス。明日もう一度診ることにします。