足が棒のようになり、眠れない75才男性

足が棒のようになり、眠れない75才男性

とても75才とは思えない松山市在住の筋肉質のスポーツマン。ところが、1ヶ月ほど前から
1日に2~3回右足が棒のように固まって、眠れなくなり来院されました。

スポーツが好きな患者さんは、動きの操法がぴったりはまることがあります。
そこで、左の肩を上にして、横向きになってもらいます。
私は、患者Kさんの左手首と、右足首を持ち、私の右足ウラを患者さんのお尻に当て、えび反らし。

「ヨイヨイなんぞ〜、こりゃ効く!」

どうやら、はまったみたいです。
そこで、歩いてもらいます。

「ありゃ〜違和感は、ないぞな。」

引きずって歩くようなことはありません。
ただ、ガニ股で歩くため、腰の横にあるくぼみから外踝(くるぶし)
のラインに、負荷がかかっているようです。

今回は、直接右足に鍼を刺すことにします。
右横向きになっていただき、太ももに鍼2本刺し置きし、膝から外踝(くるぶし)までの圧痛点に、鍼を刺していきました。特に外踝(くるぶし)周辺が重要です。

次に、仰向きになってもらい、太ももの圧痛点と、内踝(くるぶし)周辺の圧痛点に鍼を刺し置きします。
それでも、太もものウラに違和感があるため、ストレッチをします。

仰向けの体勢でKさんの右足ウラをしっかり保持したまま、天井に向かってゆっくり上げていきます。ベッドに対して、右足が90度近く。

「ヨイヨイこりゃ〜かなわん。」

顔を真っ赤にして力んでいるKさんに、

「Kさん、息吐いて、吐いて・・そう、そう・・そう、そう」

スポーツマンは、ついつい全力で力む傾向があるので、息を吐きながら動くことをすすめます。
Kさんは、瞬時に理解し上手にストレッチできました。

「先生、足軽なったぞな。ええ調子じゃ。」

ということで、初日は終了。

3日後に来院。

「先生、足が重い感じはあるけんど、痛みはないわい。」

前回以上に動きの操法を入れることにしました。
自家製の足ツボ刺激板(写真参考)を歩いてもらい、ダイオード鍉鍼(写真参照)を使って足のウラ、甲の筋膜はがし。
股関節の回旋、上肢の回旋、前回同様のエビ反り。

「かあ〜汗が出るがい。ヨイこりゃ〜・・先生、あんたも疲れるじゃろ!」

「全然!」

私のことを心配してくれるほど、余裕ができているようです。
その後、前回同様、下半身に置鍼して終了。

その後1週間おきに来院し、丁度3週間経ちました。

「先生、もう足が痛いじゃの、重いじゃのいうことは、全くないわい。ちょっと足が疲れたら、嫁に足を伸ばしてもらうんよ。
それがの〜、でかいケツを乗せて来るんじゃけん、たまったもんじゃないわい。」

どうやら、ご夫婦で養生されているようです。
これが、一番大切なことです。
Kさんは、すっかり良くなり健康管理のために、2週間に1回のペースで来院されています。