側頭部には、内臓の治療点があり、内臓の診断点は首にあります。そのため、首の圧痛点から内臓のどの個所に問題があるかが分かり、側頭部の治療点を親指の爪で、押圧した状態で首の圧痛点の有無を患者さんから聞き取ります。
「◯◯さん・・・・ここ(側頭部)を(爪で)押しますね・・・・どうですか、ここ(首の圧痛点)の痛み?」
「・・・・あっ、痛くないです。」
「分かりました・・・・ということは、ここ(側頭部)に鍼を刺したら、痛み(首の)がなくなるということですよね。」
と、患者さんに実感してもらうようにしています。そして、首の痛みが全て取れた時点で、内臓が整ったことを理解していただきます。内臓の治療点は側頭部以外にも、生え際から頭頂部にかけての正中線から1cmづつ離れた2本の平行線上に12脳神経と内臓を併用した治療点が12点×2=24点あります。この治療点は脳神経にも影響するので、非常に効果的な治療点です。特に脳神経9番は、舌咽神経と肺に関わるため、突然咳き込む患者さんに有効です。先日も、ある女性患者さんが治療中に咳き込み始めたため、脳神経9番の治療点に置鍼しました。それ以降全く咳をしなくなった患者さんは、
「・・・・・あれっ?ホントに咳せんようになった・・・・凄いね~」
と驚き、呆然とされていました。この治療点は喘息(ぜんそく)の患者さんにも効きます。ご夫婦で2週間に1度来院される患者さんの奥様が喘息発作で救急車を呼ぶこともあるので、ご主人に喘息発作を防ぐ治療点をお教えしたところ、
「先生、お陰様で例のツボをおしたら、夜中に出た発作が治(おさま)りましたわい。救急車を呼ばずにすみました。ありがとうございました。」
と言っていただきました。この治療点は覚えておくと便利です。