硬式ボールで治療

50才代の女性患者Aさん、左の腰痛で来院されました。

「操体法で治してください。」

ということで、久しぶりに鍼を使用しない治療を行いました。最近は野球の硬式ボールを使ったセルフケアの指導をしているので、Aさんにはセルフケアをしながらの治療をすることにしました。当院には中央部に畳部屋があるので、施術は寝っ転がって行います。Aさんの圧痛点は左腸骨の大臀筋にあります。この大臀筋に対応するのは、肩甲骨の棘下筋という大きな筋肉です。

 

大臀筋の筋膜と棘下筋の筋膜が絡(から)みあって綱引き状態になっているので、棘下筋の筋膜をゆるめると、大臀筋の筋膜がゆるみ、腰痛が取れるはずです。仰向きになったAさんに両膝を立ててもらい左右にゆっくり膝を倒してもらいます。すると、右側に倒すと左の腰に痛みがあります。そこで、左の肩甲骨の圧痛点に硬式ボールを当て、Aさんには仰向きになってもらい、ゆっくり動きながら痛気持ち良さを味わってもらいます。これだけで、かなり左腰の痛みが無くなってきました。仰向けになって両膝を倒しても痛みが無くなってきました。

今度は、Aさんに座ってもらい、硬式ボールを左肩甲骨棘下筋に当て私が、ゆっくりゴロゴロと押圧。

「痛い・・・・・・」

Aさんは、ニコニコ顔で叫んでいます。これも、効果があったようで、左腰の痛みが一部分に残っているだけになりました。そこで、左コメカミ付近の腰痛治療点に硬式ボールを当て横向きになってもらい1分間休んでもらいます。次は仰向きになってもらい後頭部の腰痛治療点に硬式ボールをあてがってゆっくりしてもらいます。

「先生、これ効く・・・・・」

気持ち良さそうにAさんが寝そべっているので、しばらくそのままの状態になってもらいます。

「先生、もう良いみたい。」

ということで、治療は終了となりました。ほとんどAさんによるセルフケアの時間でした。