肉離れの高校生

近所の高校の野球部A君が、病院で「肉離れ」と診断され来院。まず、肉離れとは何か・・・

インターネットから引用します。

『肉離れは俗称で、正式には「筋挫傷(きんざしょう)」といいます。スポーツを行うなかで、急に無理な動作をした場合に発生する筋膜や筋繊維の損傷・断裂を表します。筋肉が裂けたり破れたりすることを筋断裂といいますが、筋断裂のうち範囲が部分的なものを一般的に肉離れと呼びます。

発症すると患部に激痛が走り、それ以上運動を続けられなくなります。ときには筋肉が断裂した瞬間に「プチッ」という音が聞こえることもあるでしょう。また、痛みのある部位をよく観察すると、くぼみや変色が生じている場合も。

肉離れは、筋肉の強い収縮とともに、逆に強く引き伸ばされるような方向の力が加わったときに起こりやすいと考えられています。具体的には、急なダッシュやストップ、ジャンプからの着地などのタイミングで多発します。筋肉疲労の蓄積、加齢、ウォーミングアップの不足などは、肉離れを引き起こす要因となります。日頃からストレッチをするなどして予防を心がけることが大切です。』

A君は、3日前に急なダッシュを行ったため、肉離れになったそうです。こういう時はまず冷やすのが1番です。ベッドでうつむけになってもらい、左大腿部の中央部に、氷水を入れたビニール袋を乗せます。

「A君、気持ちいい?」

「はい、気持ちいいです。」

「気持ち良かったら、いつまで味わってもええけん・・・冷たいだけになったら言うてな。」

と言葉を残すも、いつまで経っても返事がないので、

「まあ、今日はこの辺にしとこう・・・家に帰ってからもやってや。」

という事で、鍼治療をすることになりました。A君は鍼治療を受けるのは初めてです。

「鍼って、痛いっすか?」

「ちょっと、痛いよ・・・じゃけど、治るけん、ちょっと我慢してや。」

A君は①歩く時と、②脚を伸ばした時、③直立した状態から、下を向く時に大腿部裏側が痛みます。見るからに元気そうなA君には、内臓の状態を診る必要がないと判断。また、合谷診(親指と人差し指の間の触診)で左右を調べても反応がないので左右の膝診をすることにしました。

肉離れの個所が左大腿部なので、膝診には反応がありました。

右:腰椎(1)、大脳(1)

左:腰椎(1)、脳幹(1)、大脳(1)

(  )内の数字は置鍼の数です。これで膝周辺が緩みました。歩行時の痛みが無くなりました。

次に、Iソマトトープと呼ばれる側頭部の治療点に1本、マスターキーと呼ばれる後頭部の治療点に1本、トルコの先生が見つけた側頭部の治療点に2本、それぞれ置鍼しました。すると、脚を伸ばしても痛くありません。

次に私が勝手にやっている足の治療点に1番細い鍼を刺し、上下にツンツンと動かします。そして、パイオネックス(皮内鍼)を3個貼って終了としました。4日後にもう一度来てもらい様子を診てみようと思います。