股関節と肘の関係

股関節の痛みを、肘で取る (その2)

前回、大学野球部Aさんの右股関節痛を、同側右肘に鍼することで、取りました。
その根拠は?

これには、まずフラクタル理論(自己相似性)が関わっています。ただ、理数系を不得意とする私が、この理論説明はできません。ただ、その結果として生じている現象を感じる事はできます。

例えば、小腸の内壁をよく見ると細かい腸絨毛がおおっており、その絨毛の表面に全く同じ様な微絨毛がおおっています。このような相似性を、フラクタル理論といいます。この理論がカラダという宇宙のあらゆるところに、小宇宙として存在しています。

そのひとつが、尺膚診(上下左右前後の法則 藤本蓮風著)です。これでは、指先から肘までを全身(頭から股関節まで)に対応します。とすると、右の肘に対応するのが、右股関節となります。

キャッチャーであるAさんは、右肘には常に負担がかかっています。また、1年前には、右肘の内側側副靭帯を部分断裂しています。フラクタル理論から右股関節に何らかの負担がかかることは、予想がつきます。

次に、もう一つ別の視点から説明します。これは、東洋医学の真ん中にある「気」の流れです。
地球は、太陽の周りを自転しながら、回っています。このスピードたるやモノ凄い勢いです。これが、生命あるものにエネルギーとして影響を及ぼしていると思います。それが「気」であると思います。

生命を宿した時から、このエネルギーに影響を受けたカラダには「気」の流れの法則が生まれます。
その中に、正経12経脈というのがあります。その中に腕の内側を流れる心経という経脈があり、今回、Aさんの右肘に鍼を打った流れになります。

この心経の流れを一部紹介します。
1:心中に起こり、「心系」に属し
2:横隔膜を貫いて下り小腸を絡う

絡(まと)うとは、からまる事です。つまり、1番最初は、心臓から小腸へと「気」が流れるのです。それから写真の番号順に腕の内側を流れ、小指へといきます。
この心経の流れは、小腸つまり、股関節に影響を及ぼすことのなります。

先日、激しい左股関節痛の患者さんが来られ、心経の左肘にお灸をしました。

「股関節がビリビリ響きます!」

やはり、肘から股関節への「気」の流れが確実にあるようです。今後も、この様な検証を進めたいと思います。お付き合いありがとうございました!