生き物の本質

今回も森下敬一先生の研究掲載をおこないます。

『我々の体の中で、細胞が最も代謝されているのは肝臓である。肝臓は猛烈なスピードで代謝されているにも拘らず、肝細胞に分裂能力は無い。

Yノート7:森下博士 研究半生を語る(餓死寸前の動物の細胞は細胞質が抜けて血球数を保つ)

森下は永年に亘り顕微鏡を覗いて観察し続け、ついには右目の網膜が焼けるほどで、「右目の視力は殆ど無い」とよく述べていた。それほど観察しても、肝細胞が分裂するのを観たことが無く、また他者が提示した細胞分裂写真も見たことが無い。

肝臓は明らかに血球から形成されているし、絶食したり病気になった場合の肝細胞は赤血球または白血球に姿を変えて、肝細胞自体は細胞の膜だけが残って中はがらんどうである。

森下は、ウサギをはじめ色々な動物を何十匹も餓死させて実験した。食べ物を与えないでいると、最後は自分の毛を食べる。だから腸の中に、自分の体毛がたくさん詰まっている。そのような状態で、腸壁の組織、肝臓の組織、その他も全身的に何回も調べたが、細胞の中は空っぽになっていた。核が一部残ったりすることはあるが、細胞質は全部抜けてしまい、細胞膜だけはしっかり残る。

細胞質は何のために、何処へ行ったのか。これは、明らかに細胞質が赤血球に解体したということを動物実験で観察できる。餓死する1‐2日前に動物を調べると、細胞の周りには、細胞から出てきた細胞質が変化したと思われる赤血球・白血球がある。それによって、血液中の赤血球数は一定数を保ち続けようとしているのだ。断食では腸で造血できないために、まず脂肪組織を血液に戻し、骨髄脂肪も赤血球に戻っていく。その赤血球の逆分化の状態を、飢餓状態のハトやニワトリでマンチェスター病院の病理学研究者らが観察し、骨髄造血説が主張されるに至ったのである。

テレビなどで癌細胞として放映されるHeLa細胞というのは、いわば分裂するように調教されているもので、森下の印象では、原虫か細胞かよく判らない丸い球体が、両側で逆回転をしてフワッと分かれるのを観たことがある。そのことを細胞分裂と言っているのかと思ってみるが、一般的に細胞分裂と考えられている現象は、どうもそれではないらしい。違うとすれば、森下は医学上の定理とされている細胞分裂(細胞は細胞から)という現象を観たことが無い[5]。』

上記の記載にある、

「断食では腸で造血できないために、まず脂肪組織を血液に戻し、骨髄脂肪も赤血球に戻っていく。その赤血球の逆分化の状態を、飢餓状態のハトやニワトリでマンチェスター病院の病理学研究者らが観察し、骨髄造血説が主張されるに至ったのである。」は、骨髄造血説が唱えられる非常に偏った現象時における特殊な赤血球の成り立ちを、あたかも常時、骨髄から赤血球が出来るとしたに過ぎないのです。大沼四廊先生がおっしゃるように、存在説があるだけで骨髄での造血説は、世の中には無いのです。また、飢餓状態で生命を保とうとして、必死で赤血球の量を一定にする活動が生き物の本質です。赤血球は酸素を運んでくれる最も大切な細胞だからです。そのため、必死に変化するのです。それが、生き物です。