昨日のブログで、
『緑色の素はクロロフィル(葉緑素)です。しかし、その周りの血液層は「赤の世界」です。赤色の素はヘモグロビンです。
つまり、腸の中は葉緑素の世界なのに、腸の壁を隔(へだ)てるだけで血色素の世界になるのです。腸の壁に何らかの機能があるに違いありません。血液生理学を教室で学んでいた若い頃の私にとって、この葉緑素と血液の関係解明は懸案事項でした。
この両者は緑と赤で全く別物のようですが、科学的構造は非常に似通っています。違うのは、ポルフィリン核という化学式に含まれる中心金属元素が「葉緑素ではマグネシウム」で「血液(赤血球)では鉄」といった違いがあるだけです。そこで、食べ物として摂り込まれたクロロフィルの「マグネシウム」が、両層を隔てている腸壁を通り抜ける過程で「鉄」に変わってヘモグロビンになるのだろうと私は考えました。
血液(赤血球)がどうして誕生するかは非常に重要な問題です。その血液(赤血球)が三層の中心の消化管から血液層へ移っていくときに作られると言うのが、森下自然医学における造血理論のカナメです。そのことをよく理解しておいてください。』
と森下理論のカナメをご紹介しました。そして、植物が持っているクロロフィル(葉緑素)の核がマグネシウムでこのマグネシウムが小腸の絨毛を通る時に、鉄分と交換しヘモグロビンになるというのが森下理論です。つまり、食べ物で大切なのは、クロロフィル(葉緑素)ということになります。
このことを理解した上で、森下敬一先生が肉食に関して述べておられるので、ごゆっくりお読みください。
『プロ野球選手を始めスポーツの世界だけでなく、一般の方でも肉をスタミナ食と思い違いしている人はたくさんいます。
実は、肉類のタンパク質はそのまま体内のタンパク質になるわけではなく、「肉=スタミナ源」ではありません。肉類のタンパク質は、いったん炭水化物に還元される必要があります。このため、むしろ腸に負担をかけて機能を低下させるばかりか、さらに肉塊中に代謝産物や老廃物を残していますから、かえってスタミナ的にはマイナスになるのです。スタミナを失わせるのが肉だといえます。
血液の酸・アルカリ度を調べると、菜食者に比べて肉食者は酸性化を示します。つまり、血液が汚れているのです。赤血球も菜食者は小型で強靭、肉食者は大型ですがもろいのです。血液性状全般が、肉食者は菜食者に比べて不健康だといえます。
要するに、生理的には肉を食べてもスタミナはつかず、心理的にスタミナがつくと言う「暗示効果」がある程度のことにすぎません。そんなものより、玄米の方がよほど基礎体力をつけ、強精効果があります。前述したように白米は、表皮のぬか、胚芽などが取り除かれているため有用成分の大半が失われていますが、玄米は栄養バランスも理想的な食品の代表です。ビタミン、ミネラル、酵素を含む栄養分の宝庫で、老廃物を排出して、汚れた血液の性状を正常に戻し、大いに健胃、整腸、強肝作用をもたらします。その観点からすると、玄米は最高のスタミナ食といえます。』
北緯の高いヨーロッパでは、食物の育ちが悪く、やむを得ず肉食を始めたという経緯があります。このような、非効率(食肉にするための飼料に多くの穀物を使うことだけでも、非効率です)な食べ物は、人間には必要ありません。何を食べればいいのか、今一度お考えください。