99%は、遺伝子組み換えの小麦

非常に興味深い文献に出会いましたので、ご紹介します。アメリカの地方都市に行き、肥満が当たり前の光景を目の当たりにするのですが、この論文を読むと納得できます。また、コロナ禍でアメリカ人の犠牲者が極端に多かった理由もわかります。今一度、日本の伝統食を見直してもいいのでは、ないでしょうか?

『その106.コロナ禍を伝統食(和食)復権のテコとせよ!②

生理学博士 久間英一郎

現在のコロナ対策は、マスク、手洗い、三密回避、換気に要約されるかと思います。その"ココロ"は「ウイルスを体内に侵入させない」こと。つまりは、"敵は外にあり"という思想です。

筆者は、長年「食と生活習慣病」をテーマに研究してきた経験から、生活習慣病のほとんどは食生活の間違いによって引き起こされた"自滅病"であることを学びました。つまり"敵は我(内)にあり"だったのです。この立場から、もう一つのコロナ対策を考えてみたいと思います。

まずは、遺伝子組み換え小麦とコロナとの関係について。遺伝子組み換え小麦については昨年、小誌(その100)に書きましたが、復習すると、今日、世界の小麦生産の99%は遺伝子組み換えという。なぜかと言うと、生産量が100年前の約10倍というほど生産性が高いので全世界がこぞって採用したからです。

他方、その安全性はどうなったか。遺伝子組み換え技術によって小麦のグルテンタンパクの構造が大幅に変化した結果、激しいアレルギーが起き、腸の粘膜上皮の炎症、腸管のバリアー機能の損傷によって関節リウマチなどの自己免疫疾患、脳障害、神経障害、さらには肥満、糖尿病、高血圧、心臓病などを引き起こすのです。これがセリアック病です。全米で100人に1人という爆発ぶりという。

ここで注目すべきは、遺伝子組み換え小麦が腸の粘膜上皮・腸のバリアー機能を損傷させる点です。

なぜ、腸粘膜が重要かというと、国際自然医学会の森下敬一博士によると、腸の粘膜上皮は「食」という物質から「血」という生命に進化するドラマティックな造血の舞台だからという。その造血の舞台が損傷を受けると、健全な「血」ができようもなく、健全な免疫もまた育ちようもないのです。

また、腸のバリアー機能の損傷は、コロナウイルスの侵入を容易に許すことにつながりかねません。

このように、遺伝子組み換え小麦を常食することは、慢性的にアレルギーのリスクを背負って生きていることと同じになりますので、コロナウイルスを引き込まないためにも、撃退する免疫力を育てるためにも遺伝子組み換え小麦及びそれから作られたパン、パスタその他の食品を可能な限り摂取しないよう心掛けていただきたいと思います。

以上を頭に入れて世界のコロナ感染地図を重ねると、アメリカを筆頭に小麦を主食とする国がずらりと並んでいます。逆に米を主食とする国は比較的少ないことが分かります。(図1参照)

遺伝子組み換え小麦の危険性を指摘したウィリアム・デイビス博士の著書『小麦は食べるな!』の表紙に(図2)の標記がありました。これはまさに、コロナ患者の症状や後遺症を示しているようにも見えてきますし、逆にこのような基礎疾患を持っているとコロナに感染し易いよ、激症化し易いよと言っているようにも見えてきます。

パンは含有水分の関係から喉の通りが悪く、バターやミルクそれに肉類がつきもの。和食の大豆・魚に比較して脂肪の質が悪いのが問題。これが生活習慣の原因ともなり、また医療費増大の一員ともなっています。

だからこそ私達にできることは、コロナ禍の中、欧米食を止めて伝統食(和食)に戻り、本来の自己免疫力を取り戻すことが生活習慣病の予防に留まらずコロナの予防にもつながることを理解する必要があると思います。』