4日前、ギックリ腰寸前のため来院された60才代の男性患者Aさん。今回で3度目の治療となります。1回目の治療時では、腰全般に痛みがあり19本の置鍼、2回目の治療では12本置鍼しました。
「だいぶ良くなり、普通に歩けるんですけど、座った状態から起き上がる時、ここ(上前腸骨棘という腰の前側の出っ張り)が痛むんです。」
「そうですか・・・そしたら、今日はここから始めましょう。」
と痛みのある左側の腰の出っ張りに対応する治療点=左三角筋前部繊維(左肩の前側)を軽く押圧。
「痛っっった!」
「痛いでしょう!・・・・ここが、治療点なんですね。ここの筋膜を軽くはがしていきます。痛くない程度で気持ち良くやっていきますね。」
杉本練堂先生と、Dr.Kerry D’Ambrogioに筋膜はがしを習っているので、今回は筋膜はがしで治療することにしました。数分後、
「これで、どうですか?」
「・・・・・あれ?いい感じ、こんなに素早く立てなかったのに・・・痛みも少し気になる程度になってますね。」
ある程度良くなった場合、ヘソを中心として手足を大の字として同心円状に広がる治療点を使うことが多くなります。具体的いうと、右足首が痛い場合は、右手首。左肘なら左膝。Aさんの場合は、左側の腰の出っ張りの痛みなので、左三角筋前部繊維(左肩の前側)が治療点となります。筋膜はがしのあとは、パイオネックス(円皮鍼)を、左三角筋前部繊維に4個貼り終了となりました。
引き出しを多く持っていると役に立ちます。