左手母指球が痛くてなかなかモノが持てない50才代の女性患者Cさん。時間を見つけ来院されました。
「今日も腰が痛いの?」
「いやいや、腰は何とかもってる。昨年暮れから、仕事が忙しくって・・・左のココ(母指球)が痛くなって、ほら、料理人って左手良く使うのよ・・・・フライパンとか!で、やっちゃった。だから、モノ持てないの。」
料理人でモノが持てないと仕事になりません。早速、治療となりました。今回は首診(内臓の状態診断)は行わず、膝診(脳・脊柱の状態診断)を行い5本置鍼。その後、左手狙いでC点、I.J.Kソマトトープの4本置鍼。
「これで、どうですか?」
「・・・・いい感じ・・・ほぼほぼ良くなった・・・・あと少し握って痛みがあるのと、ココ(左手母指球)押すと痛いだけになった。」
『さすが、山元敏勝先生(この治療の創始者)すごい!』と思いながら、足に見つけた治療点にお灸をすることにしました。2カ所にそれぞれ3~4壮お灸をし、
「これでどうですか?」
「いい感じ、握っての痛みがなくなった。」
「そしたら、もう一ヶ所考えられる場所があるので、そこを狙ってみるね。」
今年の学会で発表予定の足の治療点で、デルマトープとの関連を確かめるのに最適の場所だと判断したのです。デルマトープとは、神経が支配しているカラダの個所を地図のように示した「皮膚分節」のことをいいます。左母指球なら左側の頸椎6番神経となります。そこで、頸椎6番神経の治療点と思しき個所を鍉鍼(テイシンという銀の棒)で押圧。
「痛いところがあれば、教えてください。」
「・・・・痛い!そこ痛い。」
「どうですか?左の母指球。」
「・・・・・あからさまに全然違う!効いてる!」
これで、足に見つけた治療点にちょっと自信がつきました。これからは、実証例を増やしていこうと思います。あとは、Cさんの猫談義に花が咲きました!