過食

石原医学大全には、過食の恐ろしさ、断食の勧めを実体験から書かれています。過食気味な方、心してお読みください。

『大学院時代の私は血球の研究に取り組みながら、週に1日救急病院で働いていた。様々な症状で患者さんが運ばれてきたが、心筋梗塞や脳卒中の患者さんは発作の直前に食べ過ぎ飲み過ぎをしているケースが多かった、というよりほとんどだった。

ご家族に発作前の当人の様子を伺うと、「今日は孫のお祝い事で身内が久しぶりに集まって楽しく飲食していたんです」「昨晩、昔の仕事仲間と久々に会ってかなり酔って帰宅しました」という話がよく出てきた。

人体60兆個の細胞は、血液が運ぶ酸素や栄養素を受け取って利用し、その細胞特有の仕事をしたあとに残った老廃物を血液に渡し、尿や呼気として排泄することで活動している。飲んで食べてが過ぎると、その処理に追われる胃腸に血液が集中し、血液供給が少なくなった心臓や脳ではその働き、防御能力が落ちて発作が起きやすくなるのだ。高齢者の場合はほんの1回の宴会が引き金になることがあるが、中高年でもであっても、恒常的に過食生活を送っていると、脳梗塞や心筋梗塞の危険度は常に存在することになる。しかし、「朝だけ断食」などで過食と対極の空腹を日々重ねていけば、こうしたリスクが避けられる。』