何か知らんけど・・

「今日は、鍼ではなく操体法でやっていきましょう。」

80才代の女性患者Cさんとに会話が弾み過ぎたので、今回は置鍼の時間が必要でない操体法での治療を選びました。普段ならイスに座っていただき膝診を行うのですが、仰向きになって両膝を立ててもらい膝診。Cさんは前回、上腕と前腕に痛みがあったのですが、今回はそれらの痛みは無くなりました。しかし、右胸部に痛みがあります。また、右手親指、人差し指にはシビレがあります。足に見つけた頸椎、胸椎の治療点を気持ちよく押圧。

「先生、もうシビレは治らんじゃろ・・・」

「いやいや、そんなことないよ。カラダはいつも治ろうとしとるんじゃけん・・・どう、シビレの感じ?」

「・・・・ちょっと、こっち(親指内側)がようなった・・・・シビレを感じんようになった。」

「それは、よかった・・・少しずつ変わるけんね。」

その後も、足の治療点に触れながら操体法を続け、

「どうですか、右の胸?」

「・・・・・あれ?痛くない・・・」

何か知らんけど・・・よくなりました!

足首靭帯損傷の男性、続報

『3日前、左足外果にある靭帯(じんたい)を3ヶ所損傷した40才代の男性患者Aさん、3日間続けて来院されました。初日は足の甲も腫れて、左足を引きづるように歩いていたのですが、3日目の本日は、歩き方が普通と変わらなくなっています。左足首の可動域も初日はどの方向に動かしても痛いため、ほぼ0に近い感じだったのですが、3日目は右足首と同じ動きが出来ています。ただ、まだ僅(わずか)な痛みと引っかかりを感じるそうです。』

とご紹介したAさん、今日で靭帯損傷から1週間経ちました。仕事のない日は、氷水で患部をアイシングしておられます。このセルフケアが素晴らしい!私の治療はつけたしなのです。今日は、頭の治療点に5本置鍼。その後は右手首の圧痛にお灸を15壮して、

「両脚の屈伸をしてみてください・・・・どうですか?」

「いい感じです・・・痛みはないのですが、可動域がまだ、チョット?」

「それは、仕方ないですね・・・・それにしても驚異的な回復力ですね、素晴らしい!靭帯が3ヶ所損傷していたのに・・・・」

明日の予約受付後、帰宅されました・・・もしかして、明日完治?

驚異的回復力

3日前、左足外果にある靭帯(じんたい)を3ヶ所損傷した40才代の男性患者Aさん、3日間続けて来院されました。初日は足の甲も腫れて、左足を引きづるように歩いていたのですが、3日目の本日は、歩き方が普通と変わらなくなっています。左足首の可動域も初日はどの方向に動かしても痛いため、ほぼ0に近い感じだったのですが、3日目は右足首と同じ動きが出来ています。ただ、まだ僅(わずか)な痛みと引っかかりを感じるそうです。

それにしても、驚異的な回復力です。スポーツマンのAさんは、カラダのケアを真面目にされています。自宅では、氷水でしっかり冷やして内出血を抑えておられます。この努力が一番大事な事です。

当院での治療は、頭部に4〜5本置鍼して、後は患部である左足以外の四肢の関節=右足、右手、左手の関節に鍉鍼(ていしん=銀の棒)で押圧するだけです。これが実に効きます。

熱心なAさん、次回は2日後の予約をして帰宅されました。来週中には治りそうな勢いです。この経過は後日紹介いたします!

足ウラは宝島

「午前中、治療可能でしょうか?昨日、ギックリ腰になって・・・20分くらいで、行けると思います。」

「10時30分から予約が入っているのですが・・・・今(9時30分)からなら、出来ます・・・お越しください。」

という事で40才代の男性患者Cさんが、20分後に来院されました。当院は基本的に、やや低めの座椅子に座っていただいて治療をするのですが、来院時の姿勢をみると、高いイスでないと無理だと判断。高いイスに座っていただきました。

「座っていると痛みはないのですが、立つ時とか、階段の上り下りが痛くて仕方ありません。」

と恐々(おそるおそる)カラダを移動されています。今回は膝診だけでなく、上腕診も併用して頸椎から仙骨までの状態を診断しました。頭に見つけた治療点に7本置鍼。これだけで、痛みが半減したようです。次に、側頭部、後頭部の腰椎治療点に7本置鍼。これで、痛みが再び半減したようです。最後に、足ウラに見つけた治療点に鍉鍼(ていしん=銀の棒)で押すと、

「痛っっっっった!」

「ごめんなさい・・・・・これで、腰・・・どうですか?」

「いい!」

と笑顔のCさん。10(来院した時の痛み)→2(今の痛み)くらいになりました。やはり、足ウラは宝島!

痔はどこで治す?

痔(じ)の患者さんが来られました。痔には頭の天辺にある百会(ひゃくえ)というツボが効きます。そこで、頭頂部の圧痛点(百会)を見つけ、髪の毛を線香で焼きモグサを置くスペースを作ります。私の場合は、そこへ近江兄弟社のメンターム(すり傷、やけどなどに効きます)をぬって、モグサを置き線香の火をつけます。それを6壮しました。

なぜ肛門の病気に頭の天辺?
肛門は直腸、大腸、小腸、十二指腸、胃、食道、咽頭、口とつながって顔の真ん中から頭頂部までつながっている感覚があります。肛門を裏返したら頭の天辺という感じがするのです。つまり表裏一体!

そのため、百会のお灸が効くのだと解釈しています・・・・知らんけど!

耳ウラは腰痛に効く

高校のスポーツ選手A君が、2週間前から腰痛になり来院。前屈したり腰をひねると痛みがあります。去年の夏ギックリ腰で来院されたB君は、歩くことが出来ず父親に抱えられ傾(なだ)れこみ、イスに座ることもできず、立ったままでの治療となりました。A君はB君に比べると軽傷です。問題なくイスに座っています。

こういう時は、膝診をして『膝全体がゆるむだけで良くなる』と推測します。理由は2つあります。1つは、膝診は頸椎、胸椎、腰椎の状態を診断し頭の治療点に置鍼すると、頸椎、胸椎、腰椎からなる背骨が整い、ついでに腰痛も無くなりやすい。もう1つの理由は、東洋医学的に見ると、膝ウラの委中、委陽というツボは、元々腰痛に効く治療点だからです。

結果、頭に6本置鍼して膝全体がゆるむと、左右にひねっても痛みが無くなりました。ただ前屈するとまだ左腰の一点に痛みが残っているそうです。こういう時は、状況にもよりますが、耳ウラの腰治療点がよく効きます。耳ウラに1本置鍼。

「これで、どう?・・・前屈(かが)みしてみて。」

「・・・・痛くないです。」

と、A君ニッコリ!これで、終了してもいいのですが、足に見つけた腰に対応する3つの治療点にお灸を12壮して終了としました。改めて、若いカラダの回復力の素晴らしさを感じます。

ネズミ

スポーツ部所属の男子高校生Bくん。右肘にネズミ(骨の破片)があったけれども、何とか痛みもなくスポーツ出来ていたのですが、最近痛みがあり来院。

カラダに出来た骨の破片は、放っておけば元に戻ると思います。ギリシャ時代の聖医・ヒポクラテスは「カラダには100人の名医がいる」といいました。東洋医学も自然治癒力を基礎と医学です。ただ、スポーツ選手は、常に練習をして競技の質を高めようとして、放っておく時間を持てないのです。

そこで、鍼治療は「カラダの名医」に働いていただけるように、支援をしているのです。今日のB君、来院時より肘の痛みは10→4と減りました。次回も「カラダの名医」に頑張ってもらいます!

私の治療方法を具体的に紹介

https://youtube.com/shorts/1mWVI-0gK5M?si=iZhYnpL5jk7UZmhh

私の治療法を具体的に紹介いたします。山元式新頭鍼療法(YNSA)の基礎治療とは、まず合谷診(患者さんの左右親指と人差し指の間に、私の親指を押し左右の痛い方から始めます)で、左右を決定。多くの患者さんは右骨盤が上がり、左重心になっているので、左側から始めることが多いです。

本来なら、上腕診で圧痛点を探すのですが、私の場合は、上腕診の代わりに膝診を行います。これは、一昨年の学会で発表し認めていただきました。なぜ膝診を見つけたか・・・・それは、4ヶ月も上腕診に全く反応を示さない患者さんの存在があったからです。YNSAでは、膝=肘(上腕)という見方があるので、膝診を行ったところ、今まで上腕診では反応がなかった患者さんに反応があったのです。

よくよく調べてみると、上腕診では、頸椎、胸椎、腰椎を点で押圧するのに対し、膝診では、ヒラメ筋という大きな筋肉を線上に押圧するため、頸椎1〜7番、胸椎1〜12番、腰椎1〜5番及び仙骨と具体的に分かるという利点があったのです。

また頭に見つけた新しい頸椎から仙骨までの治療点と、膝診がピッタリ対応することが分かりました。そのため、この2〜3年はこの治療法を行なっています。まだ、学会で発表していないので、治療点は公表致しません。

具体的に患者さんの膝圧痛点に軽く右中指を当て、左中指の指紋の渦巻きを治療点付近の頭皮から2〜3cm上にかざします。そして、電気のような感覚が一番強い個所を探して、膝に触れている左中指が反応すれば、間違いなくそこが治療点となります。

こんな感じで毎日行なっています。そのため、指先の感覚が徐々に敏感になっているのを感じます。

ギックリ腰

「突然ですが、午前中に診てもらえないでしょうか?昨日、ギックリ腰になって、生活にも支障をきたしているんです。」

40才代の男性患者Bさんからの電話です。知り合いの紹介で初めての来院です。

前屈みで痛い腰痛の原因は、筋肉による腰痛がほとんどのようです。普段の姿勢などにより、背中やお尻、もも裏などカラダの後ろの筋肉が硬くなり腰痛になってしまいます。Bさんも、パソコンを前にし背中の筋肉が伸びて緊張していたのだと思います。いつものように、膝診をし頭の置鍼をやっていきます。徐々に痛みが無くなっていくのですが、耳ウラに置鍼すると、前屈みがかなり出来るようになりました。その後、後頭部に置鍼すると、一層前屈みが出来るようになりました。

いつもなら、もう少し置鍼をして腰痛を軽減するはずなのですが、今回は「これでいいか!」と置鍼をストップ。

なぜなのか?よく分かりません・・・多分、もう少しご自身のカラダと向き合ってほしいと感じたのだろうと思います。

Bさんの足があまりにも冷たいので、紅茶に生姜を入れ、黒糖かハチミツを入れて飲むことをおすすめし、後日の来院予定を決めました。

愛媛マラソン


今年で62回になった愛媛マラソンが、2月9日(日)に行われました。参加者1万人以上、ボランティア5000人という一大イベントとなっています。Qちゃんこと高橋尚子さんが常にゲスト出演。今年は、オリンピックのメダリストで、マラソン競技優勝8回のワイナイナさんも参加されていました。

この愛媛最大のイベントを前に40才代の男性患者Cさんが来院。左膝が痛くて1〜2kmしか走れないそうです。いつものように背骨を整えて、内臓を整える鍼を頭に8本置鍼。その後、左耳ウラの膝治療点に2本。左側頭部の膝治療点に1本。

「これで、どうですか?」

「・・・・・痛くない、大丈夫です。」

と、勢いよく膝屈伸をされています。その後は左膝に対応する左肘に鍼、足に見つけた膝治療点にお灸をして終了となりました。まさか、こんな状態なので愛媛マラソンに参加するとは思っていなかったのに、

「参加します。」

「はっっあ?」

結局、走られたそうです。こんなメールが届きました。

「おかげさまで、数日前まで1〜2キロ走るのがやっとやったのに、20キロまで調子よく走ることができました。無事、5時間以内に完走することができました。」

凄いことにです!