久しぶりの大学生

久しぶりに大学生の初診男性患者が来院。Aさんとしましょう。半年前から腰痛で悩んでいます。Aさんはスポーツ部に所属しているので、早く腰痛を治したいという気持ちが伝わってきます。まず、畳部屋で仰向けになってもらいます。予想通り、右脚が2cm程短くなっています。ここで、予想通りと言ったのは、小腸の根元、「腸管膜根」が腰椎1番の左側から仙骨の右端まで斜めに走っています。それが、ストレスで縮むと、右骨盤が上がってしまうのです。

Aさんの仰向け姿を見ると、右胸部が盛り上がっています。そこを押圧すると、顔を歪めて痛がります。数秒それを続けて、ゆっくりしてもらいます。すると、2cmあった左右差が無くなりました。施術前に押すと痛かったソケイ部の痛みも無くなっています。これで、Aさんも私の治療を信用してくれたようです。

あとは、脳、脊柱の状態を把握する膝診を行い、頭にある治療点に置鍼していくだけです。

「どうですか?」

「うふふ・・・・不思議ですね・・・人のカラダって。腰の痛みが無くなっています。」

「そうでしょう?・・・面白いでしょう!・・・後で、その理論をお教えしますね。」

と、7本の置鍼で、来院した時の痛みが10だとし、全く痛みがないのが0としたら、10→1くらいになりました。よく聞くとAさんは、工学部。筋膜の構造とツボ(治療点)の流れがほぼ同じであることに興味深々でした・・・・私なりに、理論を説明し納得していただきました。来週にもう一度来ていただき、完治となる予定です。

J、Kソマトトープ

半年ほど前から、1~2週間に1度のペースで来院される70才代の男性患者Aさん。2年前に脊柱管狭窄の手術を行い、両下肢に痺れが残っていましたが、両大腿部の痺れはなくなりました。痺れはふくらはぎ(腓腹筋)と向こう脛(前脛骨筋)に絞られてきました。施術のたびに、痺れが少なくなってきましたが、まだ残っています。今回は、JソマトトープとKソマトトープにしっかり刺鍼することを心がけました。

「Aさん、どうですか?」

「・・・・・効いとる・・・何か、脈を打つような感じで、痺れがなくなりよる。すーっと消える感じでは、ないんよ。」

「へ~、そうなんじゃ!面白いなあ。」

「今のは、こっち(腓腹筋)に効いたけん、前(腓腹筋)の痺れが気になる。」

「分かった、前を狙おうわい・・・・・今度は、どう?」

「うん、効いとる。」

「そうじゃろう・・・鍼は効くんよ!」

と、改めて頭頂部にあるJソマトトープ、Kソマトトープの威力を思い知ったのです。その後は、足に見つけた治療点に軽く中指を添えるだけの操法。

「OKグーグル、タイマー3分お願いします。」

「はい3分ですね、ではスタート!」

を合計4回して終了となりました。この操法は、Aさんには向いているようで、効果抜群です!来年の4月に痺れの検診があるそうなので、それまでには治そうと頑張っているのです。

発表

足に見つけた手や前腕の治療点に、2日間で3人に軽く指を触れるだけの操法を行いましたが、非常に効きました。この治療点の発表には、あと1年時間をかけてじっくり研究する必要があります。ただ、芸術系の大学を卒業した頭で、そんな事ができるかどうか心配です。

来月19日のYNSA学会で「上腕診に替わる膝の診断方法」という12分の動画を音楽グループのメンバーに作ってもらい、発表します。私は東京まで行かなくてもリモートでその後の質疑応答に答えることができます。当初は東京に行くことを考えていたのですが、経済的なことを考慮してリモートでの参加にします。

今日も、右肘痛が半年続いている50才代の男性患者Aさん、自宅で週に5回は筋トレをしているそうです。仕事で重い物を運ぶことも多いそうです。頭にある山元式新頭鍼療法(YNSA)の治療点に置鍼すると、来院時、10の痛みが3~4になりました。次に足に見つけた治療点へ軽く中指指先を置く操法を3分、これを2回。次にお灸を7壮すると、来院10→1になりました。

これをどのように発表しようか?と、悩んでいます。

長女似のAちゃん

(絵と内容は全く関係ありません)

小学校5年生の女性患者Aさん、走り幅跳びの踏み切りが硬かったせいで、2週間前に左外踝を痛めました。最近になって、また痛くなったので来院されました。

「痛いところは、氷水で冷やすんが一番じゃけん、冷やしてあげるね。」

と、冷蔵庫の氷を袋へ、そして水道水を入れます。日本手ぬぐいを患部に置いて、その上から0℃になった氷水袋をツンツンと動かしながら気持ちよさ加減を聞きます。

「Aちゃん、気持ち良かったら、ゆっくり味わってね・・・・冷たいだけになったら、教えてください。」

「はい。」

「冷たいだけになったら、もう必要ないという事なんよ。」

「・・・・・冷たくなりました。」

「はい、ありがとう。これで、おしまい・・・・これは、覚えておいてね、何んかあった時、やっとうみいい。」

「はい。」

次は、鍼治療です。頸椎と胸椎の治療点に1本ずつ、そして腰椎の治療点に2本で終了。

「これで、どう?左足に重心かけてみて・・・・・どう?」

「痛くない。」

これで、終了してもいいのですが、足にみつけた治療点に軽く触れる操法を行い、左手首(患部の左足首に対応する治療点)にパイオネックス(円皮鍼)を3ヶ貼り終了としました。私が長女と別れた時、Aちゃんくらいの年でした。そして、Aちゃんは長女によく似ています・・・・・・今日は、奇しくも長女の32回目の誕生日です。

「誕生日おめでとう🎁🎉」

野球談義1

40才代の男性患者Bさん。左腰、左肩、左足首内側、右肘が痛くて来院されました。週に1~2回のペースで治療を受け、右肘以外は順調に良くなりました。高校、大学と野球に没頭し、現在もソフトボール、硬式野球、軟式野球をしておられます。全身が筋肉の固まりのガッチリした体躯の方です。合谷診で左に圧痛があるので、左の頸椎と腰椎治療点に1本ずつ置鍼。そのあと、C点とIソマトトープにある肘の治療点に1本ずつ置鍼すると、ずいぶん肘がよくなりました。

Bさんは、痛み対して強いので少し痛みが残る圧が、ちょうどいいようです。そこで、鍉鍼(銀の棒)を押圧してBさんにとって気持ち良いくらいの圧で、足に見つけた治療点を3分ほど、じっとしています。これが効いたようで、違和感が残る程度で、痛みがなくなりました。これを数回行い、そのあとは雑談となります。

「どうせやるなら、坊ちゃんスタジアムでホームランを打ってみたいんです。」

「・・・・なるほど、それで素振りをして、手にもマメが出来ているんですね。」

「先生、何か野球のアドバイスありませんか?」

「・・・・えええっ、ボクが・・・」

「そうです、人それぞれ意見が違うので、聞いてみたいんです。」

「そしたら、ボクならキ◯タマ挟(はさ)めですね。ボクは高校時代2塁打、3塁打などの長打が無かったんです。バットを短く握って当てるだけのバッティングだったんです。それが大学に入ってホームランを狙うバッティングになったんです。たった2本しか打ってないんですけどね。そのきっかけは、2年先輩のキ◯タマ挟(はさ)めというアドバイスだったんです。」

「なるほど・・・下半身で壁を作るわけですね。」

「その通りです。それからは、チームメイトと同じ飛距離が出るようになって、練習ではホームラン競争をしていました。あの先輩の一言に感謝しています。」

(つづく)

C点とIソマトトープ

 

70才代の男性患者Aさん、10日ほど前、右手首をひねって病院に行き検査してもらったところ、骨には異常がないとのことでした。一週間前に治療をして、痛みが1/3ほどになりました。今回もその続きです。合谷診では右に圧痛があったので、右側の脳、頸椎、胸椎、腰椎の状態を整えます。5本の置鍼で治(おさま)りました。これから、右手首の治療となります。狙うのは、右側のオデコのC点と、右側頭部のIソマトトープの手首の治療点です。

「痛った!・・・・今日は、えらい痛いなあ~。」

「・・・痛いから効いてるはずです。どうですか?手首。」

「・・・・痛ない!全然痛ない。」

「よかった!念のために足にもやっときましょう。」

と、足に見つけた治療点に指先を軽く触れる操法を行い、その後、同じところにパイオネックス(円皮鍼)を貼って終了としました。C点とIソマトトープの威力は抜群です。改めて山元敏勝先生の偉大さに感服しました。

耳が痛い

急に冷え込み、体調を崩す人が多くなっているようです。今日も早速、午前中早くに電話がありました。

「2つの病院に行っても、患者さんで一杯なんです。私の孫なんですが、中耳炎だと思います・・・・耳が痛いと言っているので、診てもらえますか?」

と飛び入りの患者さんが来院されました。私は医師ではないので、診断名を付けることは出来ません。ただ、患者さんの自律神経と内臓を整えてそのあと、耳の治療点に置鍼することは出来ます。小学校高学年の男性患者Aくんが、おばあさんの見守るなか、恐々(こわごわ)イスに座って下向きかげん。

「鍼打つの初めて?」

「はい、初めてです。」

「チョット怖い?」

「はい、怖いです。」

「注射より痛ないけん、大丈夫よ。」と、おばあさんの声援。

「頭に刺すのが・・・・」

「ほうじゃね・・・・怖いね・・・ほじゃけど、頭蓋骨に守られてる頭皮に、1mmの深さで横に刺すだけじゃけん、安全よ。脳みそなんかには、刺さんのじゃけん。」

渋々納得のAくんに、簡単な説明をして置鍼していきます。自力神経と内臓は3本置鍼するだけで整いました。若い子のエネルギーにただただ感心するばかりです。あとは、耳鳴りの治療点、左耳周辺に5本置鍼して終了となりました。

「今、耳の痛いのはどうなっとる?」

「・・・痛くないです。」

「よかった、よかった・・・・カラダは治ろうとして、一所懸命、頑張りよるんよ。鍼はそれを助けよるだけなんよ。Aくんのカラダがお薬出して治しよるんよ。」

と説明をしてあとは雑談。Aくんは、私の名刺を3枚取って帰られました。よかった、よかった!

指先で治す

ギックリ背中で来院された40才代の男性患者Aさん。昨日の治療で痛みが1/3になりました。今日で、連日の治療となります。そこで、昨日効果のあった胸骨の圧痛点に指先を触れるだけの操法を行う事にしました。昨日は、胸骨に鍼を刺し背中の痛みを取っていきました。

「OKグーグル、タイマー5分お願いします。」

「はい、タイマー5分ですね、それではスタート。」

この軽く指先を触れるだけの操法、鍼灸師になる前は当たり前に行っていた治療法ですが、今回はこの操法が良いと感じました。そこで、昨日効果があった足の治療点(来年の学会で発表するつもりです)に指先を触れるだけの操法を6カ所に行いました。

「どうですか?」あ

「・・・・いいですね・・・凄い」

ということで、治療終了となりました。文章にするとこれだけになるのですが、触れている私はどうなっているかというと、患者さんから伝わるエネルギーのため微妙な動きが生じます。野口整体でいうところの活元運動、今昭宏先生でいうところの自発動です。どうやら、これが治療の源のようです。今後もこの操法を少しずつ行ってみようと思います。

バレーボール選手の捻挫

先日、中学高校の総合体育大会が愛媛県で行われました。そこで、他県からの患者さんに出会うことが出来ました。

「先生、中学校のバレー部の男子選手が、捻挫しまして・・・・明日の試合があるので、よろしくお願いします・・・2名伺います。」

と、バレーの関係者の方から電話がありました。親御さん3名と男子選手2名が来院され、待合室兼治療室に座っていただき、早速治療にかかりました。5名は、関西方面から来られ頭に鍼をすることは、分かっておられましたが、お顔には、「半信半疑」という文字が浮かび上がっていました。

「頭に鍼を刺すというのは・・・・ご存知ですよね・・・・ですから、非常に安全なんです。患部に直接刺さないので、悪化することはありません。また、頭蓋骨に守られているので、もちろん脳に刺すことはありません。頭蓋骨の上にある頭皮に深さ1mm程度刺すだけですから。」

と、安全性を強調して安心していただきますが、浮かび上がった「半信半疑」の文字は、一向に消えていません。こうなったら、さっさと治療をするしかありません。そこで、上腕診に替わる膝診で胸椎の状態を診断します。膝ウラの圧痛硬結点を眉の上にあるE治療点に刺鍼、すると一瞬で膝ウラが柔らかくなります。

「ええええ!ウソ・・・・・・」

これで、患者さんは信用してくれますが、親御さんは?????

早めに膝ウラの圧痛硬結点全てを緩め、右足首内側捻挫の治療をすることにします。患者さんにデルマトーム(皮膚分節)を見てもらい、患部の右足首内側に当たるところが、L4(腰椎4番)の治療点になります。そこで、L4の治療点に置鍼。

「これで、どう?」

「・・・・・あれ、痛ない・・・・・・ホンマやて!」

「ホンマ???」

やっと親御さんから声が出て来ました。こうなれば、こちらの土俵で治療が進みます。その後は、右下肢治療に対応する治療点に置鍼をして終了・・・・と思いきや、

「あの~、右肩も前から痛いんですけど!」

「うん・・・そうなん、そしたら、やろか!」

右オデコにあるC点の肩甲骨治療点に置鍼。

「これで、どう?」

「・・・・痛ない・・・大丈夫です。」

「ホンマ?」

「ホンマやて!」

どうやら、これで親御さんも信じてくださったようです。良かった良かった!

大谷翔平選手の肘

コンピュータの調子が良くないので、フェイスブックに文章を記載することが出来なかったのですが、ホームページには、記載出来るので、しばらくはそのようにします。

大谷翔平選手が右肘内側側副靱帯損傷のため、投げることが出来なくなりました。そして、トミージョン手術をうけるかどうか・・・話題になっています。私は、そのことに関して意見をいう立場でないので、避けます。ただ、今年の夏の高校野球愛媛県予選で、「肘内側側副靱帯損傷の投手が、1ヶ月間の治療で完封勝利出来た」という症例があったので、簡単にご紹介します。

[疾患・症例の概要]

肘の内側々靱帯損傷は、野球選手に多い症状。ピッチャーがボールを投げるために加速をつけるとき、肘の内側が不自然に伸びて、内側々副靱帯が徐々に損傷し、投球動作を反復していると、内側々副靱帯が引っ張られ続けて、肘への負担が大きくなり、内側副靱帯が部分断裂する。

[治療後の試合]

9回を投げ、12奪三振、1四球、自己ベストに近い137キロの速球を投げることができた。そして6対0の完封勝利。投球を終えて、満面の笑顔でベンチに帰ってくる。

後日の試合では、自己最速の140キロの速球を記録。

[考察]

肘の「内側側副靱帯損傷」という診断から85日(治療期間1ヶ月、8回)で本来の投球ができた。YNSAは患部に触れることなく治療するので、安全であると説明し、初回の治療で痛みが半減、2回目の治療で10→1と結果が出たため信頼関係を構築する事ができた。右膝外側の弓状膝窩靱帯へ3本置鍼後、パイオネックスを3個置鍼したのが有効であった。ただ、内側側副靱帯損傷の診断後、すぐにYNSA治療を受ければ、大会への準備が余裕を持って行えたと思われるので、同校監督との連絡を密にすることにした。