肩が痛い!

車移動の時間が長い60才女性Cさん。
肩の前側が痛くて来院。肩の筋肉は、三角筋と言います。
三角筋は、前部線維、中部線維、後部線維と3つに分かれています。

Cさんは、前部線維が痛いようです。天城流では前部線維の痛みを、母指球で取ります。
そこで、Cさんの母指球を軽く爪で押してみました。

「痛っっっった!」

猛烈にいたいようです。そこに、いきなり鍼を刺します。その後、母指球の圧痛点を3カ所探し出し、
お灸を3〜7壮。

「あれ〜〜〜前の痛みは取れたけど 後ろの方が痛なってきた!」

この様に痛みが移動する様に思われる患者が、多いのです。
実は、元々後部線維も痛かったのですが、前部線維の痛みの方が強かったため、感じなかっただけです。
そこで、今度は親指と人差し指の間にある圧痛点を、丁寧にに診て5カ所にお灸をします。
すると、次は、中部線維に痛み。結局、三角筋全体が痛かったようです。

「じゃ〜〜鎖骨の下の筋膜の痛い所にお灸をします!」

今度は、7カ所。

「どうですか〜〜?」

「先生、まだ引っかかりがある!」

「じゃ〜〜、奥の手!肩甲骨と腋(わき)の下いきます〜〜」

肩甲骨3カ所、腋の下7カ所にお灸を3〜5壮。これで、ほぼ完治しました。

「肩甲骨のお灸が気持ちよかった〜〜」

と帰るCさんに、

「車のハンドルは、小指で持ちましょ〜。F1のレーサーは、脇を締めて小指で支えてスピードに耐えているんですよ〜。親指でハンドルをしっかり握ると、また、肩が痛くなりますよ〜」

とお伝えしました。
なお、この症例レポートは、Cさんの了承を得ています。

「これは、エンターテイメントですね!」

松山市在住の30才代男性。
パソコンを前に仕事をしているBさん、やや猫背で、顎関節症を気にしています。
ヨガや瞑想を日常に取り入れている程、カラダに注意を払っています。

操体法に興味をもち、体験も兼ねて治療にこられました。
今一番気になるのは、右肩こり。ベッドの上に仰向けになってもらいます。
猫背のためか、両膝が浮いて両足はあまり開いていません。また、顔が右向きに傾いています。

大まかに言うと、両脚の内側と体幹の内側(大腰筋)、特に右側が縮んでいると考えます。
その縮んだ筋膜を最大限に伸ばし、筋肉本来の働きである縮む動きをしてもらいます。
この時、治療家は、軽く患者さんのカラダに手をかけ、患者さんが動きたくても、動けない。
しかし、気持ちがいいポジションを作ってあげます。

私の師匠・今昭宏先生がこの操法を、快高圧と呼びDVDでも販売しています。
今回は、この快高圧を、Bさんに施術することにしました。
操体法では、気持ちの良さがカラダの歪みを正す指針あるいは、薬と考えます。歪んだカラダが元に戻る時、カラダは気持ち良さを発すると言った方が、分かりやすいかもしれません。
Bさんには、息をゆっくり吐きながら、ゆっくり動き、感覚を聴き分けるように伝えます。
決して無理をせず、痛かったら止めるように念を入れます。

「はい、それでは、両膝を立ててください〜。そしたら、左側に倒してみてください。」

「そ〜です〜〜、あっ、じょうずですね〜」

ヨガをしておられるので、動きが無理なく美しい。
この様な患者さんは、治療家が口出ししなくても、勝手に動いて自力自療してくれます。
左右に両膝を傾倒し、やりづらい方向を聞き出します。

「左に倒すと、右の腰あたりが張ります。」

ということは、右の大腰筋に快高圧が必要であるという事になります。
Bさんには、両膝をやりづらい左に倒してもらい、その最大可動域まで両膝を置きます。
治療家は、軽くBさんの膝に手を置き、膝を反対側の動きやすい方へ動く様に誘導します。

「はい、それでは、両膝をゆっくりと元に戻してください。しかし、実際には、私が両膝を押さえていますので、動けませんね〜、でも、カラダの中はゆっくり動いていますよ。カラダの中心、腰を使ってみて下さい。」

「何となく、気持ちのいいところで、味わってください〜」

こんな感じで、施術を進めていきます。ふくらはぎの内側、太ももの前面、お腹の深層にある大腰筋。この施術だけで、今まで右に傾いていた顔が真上を向きました。

「どうです〜〜、顔の向きが変わったでしょう〜?」

「あれっ、見える範囲が変わってる!」

今度は、右肩コリを取るため、おへその右あたりの圧痛点を探します。3カ所あり、そこにお灸を
5壮ほど。

「肩コリは、無くなっている感じですけど、顎の歪みがすごく気になります!」

「分かりました。そしたら、ここにお灸しますね〜〜」

内踝(うちくるぶし)の圧痛点にお灸を7〜10程。

「あれ〜〜〜〜良くなった!これって、エンターテイメントですね〜〜ぶっ飛んでます!」

「ワークショップなんかしないのですか、是非とも参加します(^ω^)」

嬉しいお言葉をいただきました。
ワークショップの企画、考えます!

股関節と肘の関係

股関節の痛みを、肘で取る (その2)

前回、大学野球部Aさんの右股関節痛を、同側右肘に鍼することで、取りました。
その根拠は?

これには、まずフラクタル理論(自己相似性)が関わっています。ただ、理数系を不得意とする私が、この理論説明はできません。ただ、その結果として生じている現象を感じる事はできます。

例えば、小腸の内壁をよく見ると細かい腸絨毛がおおっており、その絨毛の表面に全く同じ様な微絨毛がおおっています。このような相似性を、フラクタル理論といいます。この理論がカラダという宇宙のあらゆるところに、小宇宙として存在しています。

そのひとつが、尺膚診(上下左右前後の法則 藤本蓮風著)です。これでは、指先から肘までを全身(頭から股関節まで)に対応します。とすると、右の肘に対応するのが、右股関節となります。

キャッチャーであるAさんは、右肘には常に負担がかかっています。また、1年前には、右肘の内側側副靭帯を部分断裂しています。フラクタル理論から右股関節に何らかの負担がかかることは、予想がつきます。

次に、もう一つ別の視点から説明します。これは、東洋医学の真ん中にある「気」の流れです。
地球は、太陽の周りを自転しながら、回っています。このスピードたるやモノ凄い勢いです。これが、生命あるものにエネルギーとして影響を及ぼしていると思います。それが「気」であると思います。

生命を宿した時から、このエネルギーに影響を受けたカラダには「気」の流れの法則が生まれます。
その中に、正経12経脈というのがあります。その中に腕の内側を流れる心経という経脈があり、今回、Aさんの右肘に鍼を打った流れになります。

この心経の流れを一部紹介します。
1:心中に起こり、「心系」に属し
2:横隔膜を貫いて下り小腸を絡う

絡(まと)うとは、からまる事です。つまり、1番最初は、心臓から小腸へと「気」が流れるのです。それから写真の番号順に腕の内側を流れ、小指へといきます。
この心経の流れは、小腸つまり、股関節に影響を及ぼすことのなります。

先日、激しい左股関節痛の患者さんが来られ、心経の左肘にお灸をしました。

「股関節がビリビリ響きます!」

やはり、肘から股関節への「気」の流れが確実にあるようです。今後も、この様な検証を進めたいと思います。お付き合いありがとうございました!

股関節痛が肘で治った!

3ヶ月ほど前、右膝内側を痛めた患者Aさんが来院。
Aさんは、プロ野球選手を輩出している名門大学の正捕手。ベースランニングをしていて、三塁ベースを踏んだ時、

『あちゃ〜、膝が、はずれた!』

と感じたそうです。痛みをこらえながらリーグ戦等を戦い、正月休みに帰省。
1年前当院に通い、良くなったため(右肘靭帯の部分断裂)、再来院となりました。

右膝内側の「はずれ感」の痛みが、3カ月経つと、ふくらはぎ、太ももに広がっています。
その範囲を調べるには、皮膚をつまむのが一番。

「あっ痛っっっっ!」「それほどでも・・・」

顕著(けんちょ)に現れます。また、つまんだ瞬間、痛いか痛くないかも感じ取れます。
ですから、患者さんの声を聞いた時は、

『そうじゃろ〜』

と納得するだけです。
前回でも説明したように、右膝に生じたダメージは、対角の左肘に同様の負荷として生じます。
そこで、左肘も同じように、つまんでその範囲をチェックします。その結果が、写真の黒い点です。
面白いように、一致しています。次に、その範囲内での圧痛点(今回は、腕と足)に鍼を刺し置きします。

「は〜い、それでは、チェックしてみましょうか。」

「膝は、良くなりました!でも、前から気になっていた、右の股関節が変です。」

どうやら、右股関節にまで負荷がかかっているようです。
そこで、同側の右肘の圧痛点に鍼をさし置きします。

「は〜い、また、チェックしてみますよ〜〜」

Aさん、ゆっくり起き上がり、屈伸運動、ストレッチ等股関節に負荷をかけます。

「違和感ないです!安定した感じです。」

何と、良くなりました・・・この理由は、次回説明いたします!

なお、Aさんには、症例レポートの承諾を得ております。

鎖骨下のコリが、中指で治った!

40才代の女Cさん、伊予柑の収穫8日間で、手足が冷えてしまい、右肩痛で来院されました。
ベットに座っていただき、肩に触れると、確かに右肩が硬く張っています。
今度は、ベットに仰向けです。

『あれっ、表面がとても柔らかくて、奥の方にコリがあるぞ!』

座った時と、横になった時とは、肩の感じが変わります。そこで、とっさに、

「どうやら、足の方から肩こりは来ていますね〜」

寒いミカン畑で8日間も働くと、足元から冷えが来ます。その冷えがカラダの深部筋膜に
影響し、肩の深部のコリになっているようです。
そこで、足首のコリから始めます。

「痛っっっ!」

内踝(うちくるぶし)と外踝(そとくるぶし)に圧痛点があります。そこがある程度ゆるむまで、鍼を刺します。次に右肩を上にして、横向きになってもらいます。
肩甲骨の圧痛点とワキの下の圧痛点に、お灸を5壮ほどします。仰向けになってもらい、今度は、右鎖骨下の肋骨にある圧痛点を探していきます。
触るところ全てに圧痛点があります。6カ所にお灸を3〜5壮。

「それでは、起き上がってください。ちょっと、肩のチェックをしてみましょう。」

「肩は、痛く無くなりました・・・でも、何か鎖骨の下が、変です!」

確かに、右鎖骨の下で、胸骨(胸の真ん中にネクタイのようになっている骨)寄りに大きなコリがあります。しばらく考えた後、

「右手の中指をチェックしますね〜」

前回でも、述べましたがカラダ全体の状態を、手が表わします(フラクタル理論)。と言うことは、右鎖骨下は、右手の中指第2関節のやや下で、人差し指側に位置します。丁寧にその辺りを探ります。

「あっ、そこ何か痛いような・・・何かあります。あっ、そこも痛い!2カ所あります。」

寒いミカン畑で手もずいぶん冷えたはずです。思った通り冷えのかたまりの様なコリがありました。
そこに3〜5壮お灸をしました。

「あれっ、鎖骨下のコリが・・・無い!先生、軽くなりました(^ω^)」

ニコニコ笑って、玄関を出て行くCさんでした。

鍼が嫌いだけど好きな人

私の打つ鍼のベクトルは、限りなく痛くない方向です。しかし、たまにその逆の鍼を打つこともあります。患者さんの思いとは裏腹に、患者さんのカラダが「ひびき(深層の絡んだ筋膜に鍼先が触れてゆるめる現象)」を欲するときです。

私と同い年(63才)の書道家男性Aさん。
数メール四方の大作に挑む時は、常に中腰という一番腰に負担のかかる姿勢になります。そのため展覧会が近ずく頃は、必ず強烈な腰痛に見舞われます。先月が、そのピークの時で、週に1回ペースで、月3回こられました。

「あのの、今日は、あんまり大したことないんよ。先月は腰が痛と〜て、痛と〜て死ぬかと思たげ〜」

「あの時の顔は、ゾンビじゃったですね〜」

「ほ〜じゃった。あんたがおらなんだら、どうもこうもならんかったげ〜。あんた、1日に3人ほど診たら何とかやっていけるんじゃろ。ほじゃけんワシも、の、宣伝しちゃるけんの。絶対潰れたらいかんぞ!」

何とも、ありがたいお言葉です。このAさん、見るからにカラダが硬そうながっしりタイプです。
足はガニ股で腰の筋肉が固まっています。この様な患者さんは、足裏、足の甲の土台から始めます。
ダイオード鍼という15cmほどの棒状の鍼を箸をもつように2本持ち、足裏や足指の間の筋膜を切るように
はがします。

「痛っっっった!痛っっっったい、けど気持ちえ〜〜。痛っっっっっった。あいた〜〜〜〜
けど、気持ちえ〜〜〜、気持ちえ〜〜〜。」

ずいぶんとにぎやかです。

「あんた〜、左足がポカポカしてぬくいげ〜〜。右足とぜんぜん違う。これじゃけん、一所懸命ガマンしよんぞな!」

今度は、手の平の母指球。ここは、まず爪を使って筋膜をはがした上に、鍼を打っていきます。

「あっ、来た来た来た〜〜気持ちえ〜、ワシャの〜、カラダがゆるむん分かるんよ〜」

「ここに来る前は、また鍼刺されるん嫌じゃ〜と、思うんじゃがの。カラダが欲しとるけんの、

ついつい、来るんじゃが。来月また来ての、2月には回数券かうけんの。」

うつ伏せになってもらい、腰の張り具合をチェックし、ふくらはぎに刺して行きます。

「どしたんぞ〜〜カラダが、フニャフニャになっとるげ〜」

丁寧に実況中継してくださいます。
こんな調子で、Aさんの治療は進みます。そして、最後に

「あっあ〜〜、スッキリした〜ありがとう!」

颯爽と赤いスポーツカーで帰るAさんでした。

腰2カ所が痛い患者さん

「今年は、今日しかやってないんでしょ?」

と、突然の電話がありました。どうやら、腰が痛くて仕方がないようです。

「夜の8時にお越しください。」

松山も、年末になって急に寒くなり、近所とはいえ歩いてこられるのは、大変です。
部屋をあたたかくし、遠赤外線のベットを40℃にしてお待ちしまた。

少し足を引きずるように、入ってこられました。左腰(仙腸関節の上)と右腰の側面(大転子)辺りが痛いそうです。左右の腰が痛いと歩行は辛かったと思います。

「それじゃ、右の腰から診ましょう。右肩を上にして横になってください。」

70才の女性Sさん、ゆっくりと横になります。Sさんは、鍼が怖くて、お灸ならガマンが出来るという
痛み熱さに敏感な方です。また、治療中、感想を常にしゃべってくださるありがたい患者さんです。
腰の側面が痛いということは、側面の筋肉(大腿筋膜張筋、腸脛靭帯、長腓骨筋、短腓骨筋)が緊張し引っ張って、悪さををしていると考えます。圧痛点を10カ所見つけ、お灸をしていきます。

「ふくらはぎの方、熱さがきていません。」

「ハイ・・・こんどは、どうですか?」

「きました・・・でも、熱くてウトウトとは、出来んですね〜」

たしかに、「ゆっくりしてくださいね。」と言葉掛けはしたものの、常に『熱っ』と感じていれば、
眠れません。モグサの大きさを加減したり、火を消すタイミングを微妙に変えてみたり・・・

高温になる粗悪モグサを固くし、小豆くらいの大きさで皮膚まで焼き切るのが好きな患者さんから、
細い糸のようなモグサが好きな患者さんまで、感性は様々です。
また、足裏とゆび先では、感性が異なります。考えてみると、かなり高度なテクニックが必要です。

「何回か、ポッと気持ちがええ時が、ありますね〜〜これが続くとウトウトできると思いますわ〜」

という言葉をいただくと、『ヨッシャ!』と思う反面、『数回しか無いのか』と挫折感も味わいます。一通り終えたので、

「それでは、チェックしてみましょうか?」

ゆっくりベットから起き上がり、腰をひねってもらいます。

「まだ、痛いです〜〜」

『アリャ〜〜、予想外じゃ!待てよ〜〜太ももの後ろ側じゃな〜』

再び挫折感を味わうと、カンがさえてくるようです。
先程と同じ体勢になったもらい、別の圧痛点を探します。丁寧に診ていると、ありました!
太ももの真ん中にあるスジ(腸脛靭帯)の後ろ側に、3カ所。

「痛っ((((;゚Д゚))))))) ・・・・鍼でやる方が、効くんですか?」

どうやら、痛がりのSさん、観念したようです。

「鍼とお灸を交互にすると効きます。じゃ〜鍼やってみましょうか?」

最も細い1番鍼(直径0.16mm)で刺入に気をつながら行います。途中で静かになるSさん。
鍼の場合、風船を膨らましたような表皮に刺せば、痛くありません。ただ、深層の絡まった筋膜に触れると痛みを感じる時があります。これを「ひびき 」といい、一気に筋膜がゆるみます。

Sさんは、「ひびき」を感じることなくウトウトしているようです。鍼の気持ち良さは、格別で一瞬で眠りに落ちます。
お灸を併用しながら、圧痛がなくなるまで施術。再びチェックすると、

「痛くない!」

これで調子に乗り、左腰痛を一気せめます。うつ伏せになって頂き、左ふくらはぎの圧痛点3カ所に、
鍼を刺します。これだけで、左腰痛は消えました。

どうやらSさん、鍼の食わず嫌いだったようです。
めでたし、めでたし!

明日、遠征旅行なのに・・

 

「先生、今日はお休みですけど、息子を診てもらえないでしょか?」

日曜日の午前中に電話がありました。

明日、松山から大阪、静岡、東京と遠征旅行に出発するバレー部の中心選手のお母さんからです。練習が終わった午後2時から診察することにしました。

N君は、身長が169cmにもかかわず、320cmの最高打点でアタック出来る能力を持っています。右利きのため、左足で踏み込み右腕でアタックします。どうしても左足に負担がかかるため、左足のふくらはぎに痛みがあります。

早速、左ふくらはぎの皮膚をつまみ、痛みがあるかどうか診ます。

「痛った((((;゚Д゚)))))))」

どこをつまんでも、痛みがあります。ただ炎症はありません。特に、足の小指側に

最大圧痛点があります。

また、前回説明したように「形態的連動」として右腕にも圧痛点があります。やはり、

右腕の小指側に最大圧痛点並んでいます。

そこで、右腕に鍼とお灸をします。ところが、なかなか左ふくらはぎの痛みが取れません。

炎症していないので、左ふくらはぎに直接、置き鍼をすることに決めました。

「N君、どう?」

「まだ、痛いです。」

「・・・・今回は、しつこいな~~」

ふと、気になった左足の指の緊張。

「N君、ここ痛ない?」

「痛った((((;゚Д゚)))))))」

左足の甲の指と指の間(中足骨の間)に、異常な圧痛点があります。足底にも同じようにあります。これらのコリをていねいに指とダイオード鍉鍼で取っていきます。

「N君、どう?」

「あっ、大丈夫です!」

という訳で、左ふくらはぎの痛みがなくなりました。

ただ、理由はよくわかりません。言えることは、「最初の直感を大事にすること」です。

「形態的連動」ばかり気にするあまり、「足の指、変だな~」と思ったことを無視していたようです。

今日も、良い勉強になりました。ありがとうございます。

「ネンザの高校生」再来院

前回の症例「ネンザの高校生」が2週間後に、再び来院。

「右足の内側の痛みが、外側に移動したんですけど・・」

どうやら、1度目の治療でかなり回復したので、普通に練習をしたようです。その結果、

無意識に右足の外側を使い炎症を起こしてしまいました。

まず、氷と水を入れ0度にしたビニール袋で、患部を冷やします。

「どう?気持ちいい?」

「ハイ、気持ちいいです。」

この感覚が大切です。患者・K君の表情、態度を敏感に察知しましょう。

続いて、患部の範囲を探し出します。皮膚をつまみ、痛い所が患部の範囲です。

前回の治療時は、ネンザをしてから2週間経過していたのですが、明確に

「形態的連動」が現れていました。

「形態的連動」というのは、K君の右足首内側のネンザが起きた瞬間、その負荷が対角の左手首内側に移動し、ダメージを軽減させる自然法則のことを言います。その法則は時間にも左右されます。1ヶ月ほど経つと右足首への負荷が、左足首にも移動し、それ以上経つと同側の右手首にも移ります。

K君の場合、ネンザから1ヶ月経つので、反対則の左足にも出ているはずです。

まず患部の右足首の範囲を皮膚をつまみながら探します。確かに外側に広がっており、

つまんだ痛さも、外側の方が痛いそうです(薄みどりの斜線部)。

患部の右足首に対応する左手首の最大圧痛点は、やはり外側に集まっていました。今回は、連動部位(水色の斜線部)の中のツボに鍼とお灸。圧痛点が無くなるまでしつこく治療しました。

前回では、治療しなかった左足首の連動部位(水色の斜線部)にも、しっかり圧痛点が移って

います。こちらも代表的なツボに置鍼。

連動部位の圧痛点を治療することで、患部の治療になるのがポイントです。

K君、練習疲れのためか、気持ち良さそうに眠っているので、置鍼したままにしました。

「じゃ~ 、ゆっくり起きて下さい。どうですか?」

「あっ、大丈夫です!」

「これで、遠征行けるね~~」

「ハイ!」

と、K君にっこり。

12月25日から大阪、静岡そして、春の高校バレーに出場のため

東京に遠征です。

ガンバレ新田高校\(^o^)/

ネンザの高校生

高校バレー部の男子患者さん。
ボールを踏んでしまい、右内踝(うちくるぶし)をネンザし、2週間経過。なかなか治らないので、当院に来られました。

以前にも書いた事がありますが、強い負荷がかかりネンザした瞬間、対角の関節にも同じく負荷がかかります。

今回の患者さんの場合、右内踝ですから、左手頸(てくび)の内側に負荷がかかります。
そして、もう2週間経っているので、反対の左足内踝にも負荷が移行しているはずです。

写真のように右内踝を囲み✖️印が見えます。これは、皮膚をつまんで
痛みを感じた箇所にボールペンでつけたものです。

右足に対応する左手にも皮膚をつまんで痛いところが写真のように✖️印であらわれます。

この左手に鍼と灸を施(ほどこ)します。
また、反対の左足にある圧痛点(右足と同じ箇所にあらわれます)に、鍼を軽めにさします。
実際に、痛みのある右内踝にも、軽めの鍼。

最後に、右小指の圧痛点を丁寧に探し、お灸をして終了にしました。

「あれっ!軽い。歩いても、痛くない!」

この声を聞くためにやっているのです〜