患者さんによっては、鍼灸治療をしないこともあります。操体法は、仙台の医師・橋本敬三先生が、様々な民間療法を研究し考案された治療法であり、自力自療の健康法でもあります。気持ちよくカラダのバランスを整える民間療法だと思ってください。私が松山市で開業する前の2001年から2016年までは、操体法を中心の治療を行っていました。
鍼灸院を開業後、鍼灸治療になり操体法はYouTubeで載せる程度にしていましたが、山元式新頭鍼療法(YNSA)になってから、やっと操体法との融合が出来るようになってきました。YNSAで新たに見つけた治療点と操体法は、面白い一人歩きを始めそうです!
hiromu
痔はどこで治す?
痔(じ)の患者さんが来られました。痔には頭の天辺にある百会(ひゃくえ)というツボが効きます。そこで、頭頂部の圧痛点(百会)を見つけ、髪の毛を線香で焼きモグサを置くスペースを作ります。私の場合は、そこへ近江兄弟社のメンターム(すり傷、やけどなどに効きます)をぬって、モグサを置き線香の火をつけます。それを6壮しました。
なぜ肛門の病気に頭の天辺?
肛門は直腸、大腸、小腸、十二指腸、胃、食道、咽頭、口とつながって顔の真ん中から頭頂部までつながっている感覚があります。肛門を裏返したら頭の天辺という感じがするのです。つまり表裏一体!
そのため、百会のお灸が効くのだと解釈しています・・・・知らんけど!
台湾野球
昨日、坊ちゃん劇場に「KANO〜1931 甲子園まで2000キロ〜」を見に行ったのですが、高校の2年先輩と「のボール野球」の格好でいったのです。私は、そんなに乗り気ではなかったのですが、先輩の言うことを聞かなくてはなりません。すると開演前でも、我々の姿が目を引くのでしょう。多くの方々が話しかけて下さいます。
そんな中、先輩は正岡子規から愛媛に伝わった野球を、資料を見ていただきながら、楽しく紹介されます。その後は、私が私なりに色々と話して行く・・・と、かなり上手い連携の会話が出来ました。
話が変わります。アメリカ・ペンシルベニアのウイリアムポートという町で、毎年リトルリーグの世界一を決める大会があります。これは、非常にアメリカが有利な大会です。この期間中、アメリカのチーム内でのアメリカ1位を決定。それ以外の国のチームがアメリカを除いた1位を決めます。この両者が世界一を争うという「アメリカファースト」の大会です。必ずアメリカチームが残るため、決勝戦はテレビで全米に放映されるアメリカ版甲子園なのです。
にもかかわらず、優勝回数が1番多いのは、台湾なのです。「KANO〜1931 甲子園まで2000キロ〜」をご覧になられた方は、リトルリーグ世界一の台湾が、誕生するその黎明期を知ることになります。愛媛が産んだ野球の偉大な指導者・近藤兵太郎の功績は甚大なものだと、改めて思ったのです。
知っていれば・・
高校時代の野球部先輩と「坊ちゃん劇場」へ「KANO〜1931 甲子園まで2000キロ〜」を見に行くため、本日は臨時休業。その後、母校・松山東高校が伊予高校と試合をするので東温高校グランドに応援観戦と、久々の休日を楽しみました。母校は、東温高校に5回コールド、伊予高校には8回コールドで2連勝。今回は、感動した「KANO〜1931 甲子園まで2000キロ〜」を書こうとしたのですが・・・・先輩が持ってこられた読売新聞の記事を紹介します。
『1889年、子規はボールとバットを持って帰省。その時、友人の弟だった河東碧梧桐に教えた。これが愛媛への野球伝来とされており、碧梧桐は「掌(てのひら)の裏へ突き抜けるような痛さ」と球を受けたときのことを書き残している。翌年には松山城近くでバッティングをしていた中学生たちのところへ子規が通りかかり、その場で手本を見せた。この時、生徒の中に高浜虚子がいた。碧梧桐も虚子も、後に子規門下の俳人になる。子規と2人を結びつけたのが野球だったのは不思議な縁だ。』
1890年に松山城でバッテングをしていた中学生が、私の大先輩にあたり、それから2年後の1892年に伊予尋常中学(松山中、松山東の全身)に球技同好会が誕生。ここから母校の野球部が歩み始めたのです。こんな素晴らしい歴史ある野球部に所属していたなどと、当時の私達は全く考えてもいませんでした。知っていたらもう少し強かったかも・・・2回戦で西条高校にノーヒットノーランをされなかったかも・・・・
耳ウラは腰痛に効く
高校のスポーツ選手A君が、2週間前から腰痛になり来院。前屈したり腰をひねると痛みがあります。去年の夏ギックリ腰で来院されたB君は、歩くことが出来ず父親に抱えられ傾(なだ)れこみ、イスに座ることもできず、立ったままでの治療となりました。A君はB君に比べると軽傷です。問題なくイスに座っています。
こういう時は、膝診をして『膝全体がゆるむだけで良くなる』と推測します。理由は2つあります。1つは、膝診は頸椎、胸椎、腰椎の状態を診断し頭の治療点に置鍼すると、頸椎、胸椎、腰椎からなる背骨が整い、ついでに腰痛も無くなりやすい。もう1つの理由は、東洋医学的に見ると、膝ウラの委中、委陽というツボは、元々腰痛に効く治療点だからです。
結果、頭に6本置鍼して膝全体がゆるむと、左右にひねっても痛みが無くなりました。ただ前屈するとまだ左腰の一点に痛みが残っているそうです。こういう時は、状況にもよりますが、耳ウラの腰治療点がよく効きます。耳ウラに1本置鍼。
「これで、どう?・・・前屈(かが)みしてみて。」
「・・・・痛くないです。」
と、A君ニッコリ!これで、終了してもいいのですが、足に見つけた腰に対応する3つの治療点にお灸を12壮して終了としました。改めて、若いカラダの回復力の素晴らしさを感じます。
ネズミ
スポーツ部所属の男子高校生Bくん。右肘にネズミ(骨の破片)があったけれども、何とか痛みもなくスポーツ出来ていたのですが、最近痛みがあり来院。
カラダに出来た骨の破片は、放っておけば元に戻ると思います。ギリシャ時代の聖医・ヒポクラテスは「カラダには100人の名医がいる」といいました。東洋医学も自然治癒力を基礎と医学です。ただ、スポーツ選手は、常に練習をして競技の質を高めようとして、放っておく時間を持てないのです。
そこで、鍼治療は「カラダの名医」に働いていただけるように、支援をしているのです。今日のB君、来院時より肘の痛みは10→4と減りました。次回も「カラダの名医」に頑張ってもらいます!
レンコン湯その後
『石原医学大全に付け足しとして、「石原医学直伝〜癒す、元気になる飲み物、食べ物、湿布」の中に、レンコン湯があります。』と2月9日にレンコン湯の作り方をご紹介しました。
この効用が 咳、痰、老化現象(夜間頻尿、精力減退、抜け毛、白髪)なのです。飲み続けて1か月になるのですが、確かに黒髪が増えてきたように思います(気持ちのせいかも知れませんが・・・・その思いが大切!)
私は、レンコンを擦(す)って細かくし、生姜も少し擦ってコップに入れ、熱湯を注ぎます。そこへ、醤油とヒマラヤ岩塩を少々入れかき混ぜ飲みます。これが、美味しいのです。そして絞りカスは、カスではありません。そこへ、カタクリ粉を入れ団子にしたものを味噌汁に入れると、絶品(患者さんに教えてもらいました)!
レンコンで一石二鳥なのです。レンコンは冷たい池の泥に根を張り、美しい花を咲かせるという強靭な生命力を持っています。陰と陽でいうと圧倒的な陽!カラダを温めます。飲んで20〜30分経った今でも手が暖かいのです。まだまだ寒い3月、是非ともおすすめします。
首診を説明
前日は、「スーパフィシャル・バック・ライン(SPB)」という筋膜の流れが膝ウラで上下の筋膜の引っ張りあいで緊張し、オデコの筋膜に鍼を刺した瞬間、膝ウラの緊張が取れるということの説明をしました。今回は、首診を「デイープ・フロント・ライン(DFL)」という筋膜の流れから説明します。
写真のようにDFLは、足底の深部から出発して下肢深部を経て、体幹、胸部の深い部分を通っているため、内臓と深く関わっています。そして、首の深部を通って側頭部まで流れています。
YNSA(山元式新頭鍼療法)の創始者・山元敏勝医師は、首を押圧して内臓の状態を診断する首診を見つけられました。これはDFLが、足底の深部から出発して下肢深部を経て、体幹、胸部の深い部分を通る筋膜の流れで、内臓との深い関わりがあると直感され、見つけられたのだと思います。そしてその治療点を側頭部に見出されたのだと思います。ただ、側頭部の治療点の位置を見事に発見された訳は、凡人の私には、全く分かりません。
これらの内臓治療点の並びに関しては、治療経験を重ねることでいつか「ピーン」と理解が出来てくると・・・・いいです・・・・・出来るはず!
何でオデコに鍼で、膝ウラゆるむ?
私は、患者さんの頭に鍼を刺して、しばらくゆっくりとする間、
「何か質問ありますか?私で答えられる範囲でお答えします。」
とよくいいます。特に高校生には、時間が許す限り話をすることにしています。
「何で、頭に鍼を刺して膝ウラが緩むんですか?」
という質問がかなりあります。その時は、筋膜と経絡(ツボのながれ)との関係を解剖学的に説明し、筋膜の流れ=経絡(ツボ)の流れであるという事実に気づいてもらいます。
その事実を裏付けるのが、写真の筋膜の教科書「アナトミートレイン」にある「スーパーフィシャル・バック・ライン(表面的な後ろ側の筋膜のながれ)以後SBLといいます」です。
「筋膜の流れというのは、浅いところや深いところを流れていて・・・・それが、2000年前からとか、3000年前からとかいわれていたツボの流れと一致したんです。このSBLをよく見て下さい。SBLは足ウラから膝で一旦止まって、再び背中を通ってオデコで止まっているでしょう?だから、膝ウラは下と上から引っ張られて緊張しやすいんです。これは、経絡では、膀胱経の流れになるのです。
筋膜はコラーゲンで出来ていて、電気を通しやすいので、オデコに鍼を刺した瞬間、膝ウラが緩んだでしょう?あっという間に電気が通った・・・・ということは、その途中の背中にある大きくて長い筋肉が緩んだってことになるでしょう?」
「はい。」
「ということは、背骨が整ったことになってそこから出ている自律神経が整ったということになるんです。」
(続く)
傷が治るシステム
傷が治るシステム
①皮膚に切り口が発生した。傷はV字に開いている。
②すると、まず切断面に神経ネットワークが形成される。
③そこに、第一次治癒電流が流れる。
④その指令で、切断面の体細胞が万能細胞に変わる。
⑤テープか縫合で、切断面を合わせる。
⑥第二次治癒電流が流れる。
⑦各部の万能細胞に各々の周波数刺激を与える。皮膚、筋肉、骨など固有周波数に従い、万能細胞は体細胞に戻る。
⑧こうして各体細胞は切断前と全く同じように再生治癒する。
これは、トカゲ再生の謎を解いたロバート・ベッカー博士のベッカー理論です。ベッカー博士の「クロス・カレント」という著書を翻訳された船瀬俊介氏が、自身の書かれた「未来を救う波動医学」という本からの引用ですので、間違いありません。
カラダは電流を通して各部位に必要な波動を作り上げているようです。私は鍼、灸、指先の押圧などの刺激を皮膚及び筋膜に流しています。これは、山元敏勝医師が見つけられた治療点に刺激を与え、電気を通すコラーゲンで出来た筋膜を媒体として、瞬時に患部へ必要な波動が届く治療なのだと思っています。
これから、益々この波動による医学が注目されていくことでしょう。