ボール+バット=健康器具

 

硬式野球ボール43個を畳に置き、ゴムのホースでボールを囲い込んで、散らばらない様にある程度固定します。そして、中央部に穴の空いたクッションに硬式野球ボール4個置くと、しっかりとした枕になります。ゴムホースに囲われた43個のボール群は、健康ベッド。今日は、もう一つ野球道具を使って新たな方法を見つけました。その野球道具とは・・・・バットです。

バットは先端が太くて握る部分が細くなっています。そのため、畳に直接置くと、畳に対して斜めになってしまいます。ところが、バット中央部の細くなっていくところを、ゴムのホースに置くと、バットのラインが畳と平行になるのです。そこで、頭に置鍼した60才代の男性患者Aさんに、仰向けになって休んでもらいました。

「どうですか・・・感じは?」

「・・・ちょうど、背中やお尻の凝(こ)ったところにボールが当たって気持ちいい・・・・・バットは、ちょうどふくらはぎの疲れたところを刺激して気持ちいい。」

との事で、30分間・・・途中は熟睡されていたようです。この休憩方法は、治療法としても成り立ちそうです。希望される患者さんには、体験して頂こうとと思います。

いきなり圧痛操法

 

2週間に1度のペースで通院されている60才代の男性患者Bさん。昨日までは、腰痛が主訴だと決めていたのですが、今朝起きると左首から左肩にかけて、寝違えたような痛みが走り大変そうです。そこで、今回の主訴は首痛に変更。本来なら合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診から始める治療を、いきなり足に見つけた治療点の押圧(爪をたてるので、痛いです)から始めました。

「痛たっっっっっ!」

Bさん、イスに座ったまま悶絶、絶叫。3カ所見つけているのですが、3カ所とも同じ様に痛みがあります。途中、硬式ボールを使って軽く押圧しながら、約5分間施術しました。

「これで、どうですか?」

「・・・・だいぶ良い・・・痛みはほとんど無くなった・・・・まだ、ここ(首の根本あたり)にコリがあるけど。」

70~80%くらい痛みとコリが取れた感じです。痛みが伴う治療ですが、早く痛みを取るには、この様な方法もありだと考えます。これは操体法の圧痛操法という技にもなります。圧痛点を押圧する事で無意識の動きを誘導して、歪みを取るのです。今回は、その動きプラス、治療点の押圧ですので、かなり強力だと思います。この状態から従来の方法で診断、治療を行いました。

合谷診:(人差し指と親指の間の触診)左(左側を診断)

上腕診:頸椎(0)

膝診:頸椎#2、#3(2)

胸椎#1、#7(2)

腰椎#5、#6(2)

首診:左:肝(1)、胆(1)、心(0)、脾(1)、

右:心(0)

(  )内は置鍼の数。

上記の治療で首の可動域も増えてきました。念のため、オデコのB点、C点に置鍼して終了となりました。Bさんに指導した硬球操体法について、

「硬球使うのええね!あれは効く・・・・友達にあげるんで、もう一個買おうわい。」

と気に入ってもらっています。30分置鍼している間、硬球を使ったセルフケアの方法をお教えしたのでお家で試してもらいます。高校、大学と野球をしていた男が、治療家になって硬球でセルフケア・・・・神様のお導きかも知れません。

素直なカラダ2

60才代の男性患者Aさんは、カラダが痛くて悲鳴を上げるまで仕事を頑張り、限界を感じたときに、連絡があります。今回は、左肩、腰全般、右中指、左足首が痛く、

「先生、もうカラダパンパン・・・特に、腰と右の中指。」

Aさんが痛みを訴える個所を、赤鉛筆(実際には、ipadのカルテにアップルペンシル)でカルテの人体図に塗りこみます。

「Aさん、この赤いとこが、痛いんですか?」

「・・・そうです。」

「そしたら、いつものように自律神経を整えてから、内臓を診て・・・そのあとに、痛いところを治療しますね。」

合谷診:右(右側を診断します)

上腕診:頸椎(0)、胸椎(0)、腰椎(0)、脳幹(1)

膝診:頸椎#1、#2、#4、#7(2)、胸椎#1、#2、#4、#6、#7(1)、腰椎#1、(1)、大脳(1)

首診:左:腎(1)、膀胱(1)、肝(0)、胆(1)、心包(1)、心(1)、大腸(0)、三焦(0)、脾(0)、小腸(0)、肺(0)

右:大腸(0)、三焦(2)、胃(0)、脾(1)、小腸(0)、肺(0)

上記14本置鍼して、自律神経と内臓を整えました。次に膠着した右手中指を緩めることにしました。右ふくらはぎのヒラメ筋の圧痛点に鍼(はり)を刺して上下に動かします。

「先生、効く・・・・・指が動き始めた・・・・・」

そこで、鍼を刺したままにして、足に見つけた右指の治療点を、爪で押圧することにしました(YNSA学会での承認があるまで、残念ながら発表出来ません)。

「痛い!!!!!・・・・気が遠なる・・・・痛いいいい、何なんこの痛さ・・・・動く、動く、先生、指が楽になった・・・・」

「・・・・そしたら、今度は左の足首・・・・ここ、どうですか(足首の治療点を押圧)?」

「痛い!!!!先生・・・・痛すぎる。」

「そしたら、硬球で軽く押しますね。」

「・・・・・これじゃったら、何とか・・・大丈夫じゃ。」

Aさんと相談しながら治療を進めます。すると、いつの間にか痛みが取れていきました。

「先生、もう十分じゃ・・・・もう痛ない。」

と、Aさんの方から治療終了宣言をしてくれましたので、終了となりました。

「先生、足がポカポカして、血の巡りがよう分かる。」

その後は15分ほどゆっくり休んでもらって・・・・Aさん完全に熟睡状態・・・素直なカラダに敬服したしだいです!

ついでに正座ができた!

60才代の女性患者Cさん、両手の第一関節に*へバーデン結節というコブが出来ています。右肩も上がりにくく、正座が出来ません。

「最近、カラダが硬くなっている様な気がします。」

合谷診:右(右側を診断します)

上腕診:腰椎(1)、脳幹(0)

膝診:頸椎#7(1)、胸椎#1、#2(1)

首診:圧痛点なし

上記3本の置鍼で自律神経を整えました。

白内障のため、目の感覚点(治療点)に2本置鍼。次に、右肩が上がりにくいのでオデコの右側のB点、C点に1本ずつ置鍼。右後頭部のマスターキーという治療点に1本置鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・・あっ少し上がりやすくなった。」

確かに上がる角度が、左肩に近くなってきています。今回は、あまり欲張らずこれぐらいで済ませて、へバーデンの治療になります。山元式新頭鍼療法(YNSA)では、手指の屈曲が不能な患者さんに対して、下肢のヒラメ筋に置鍼する治療法を行います。早速、Cさんの右ヒラメ筋に鍼を刺し、上下に動かします。

「どうですか?」

「・・・・・握りやすくなって来た・・・・・2と3(人差し指と中指でピース・人差し指と中指、薬指で3)が出来る・・・・・凄い!」

指の強張(こわば)りが取れてきて、手全体が柔らかくなった印象を受けます。左右のヒラメ筋圧痛点に3個ずつパイオネックス(皮内鍼)を貼って終了としました。

「あれ?正座も出来るようになった!」

今回は、膝を特別に狙ったわけではないのですが、手を緩める目的でヒラメ筋の治療点を刺激した事で、膝も緩んだようです。カラダはこのように、繋がっているのです!

*人差し指から小指にかけて、第1関節が赤く腫れたり、変形して曲がってしまう原因不明の病気です。親指に現れることもあります。第1関節の手の甲側に、関節を挟んで2つのコブ(結節)ができるのが特徴です。

この病気を発見したイギリスのウィリアム・ヘバーデン(William Heberden)医師にちなんで、ヘバーデン結節と呼ばれています。変形の程度はさまざまですので、発症した全ての人に、強い変形が認められるわけではありません。

※一般的な呼び名としてDIP関節(遠位指節間関節)を第1関節と記載しています。

足と首

鍼(はり)を頭に刺すのが嫌いな60才代の女性患者Aさん・・・・このような患者さんが、新たな治療法を生み出すきっかけを与えてくれます。週に一回、体調管理のため約2年間通院されています。パイオネックス(皮内鍼)を足に貼るだけの治療になっていきました。しかも、極力貼る個所を少なくしないといけません。理由は、靴をはいて歩くと痛みを感じやすい敏感肌のためです。

合谷診:左(左側の上腕診、膝診を行います)

上腕診:胸椎

膝診:頸椎#2、胸椎#4、腰椎#4、#5、#6

首診:腎(1)、肝(1)、心(0)

今回は上記5個のパイオネックスを足に貼り、カーペンターズの曲をゆったりと30分聴いていただきました。貼った場所はYNSA学会でまだ認証されていないので記載できません。足における圧痛点は頭部以上に痛みを伴うことがあります。そんな圧痛点に爪で押圧すると、首が反応します。首には内臓の診断点が左右に12ずつあるのですが、それらの部位が緊張するのが見えます。

「なるほど、足と首が繋(つ)ながっているなあ~」

と実感できます。足と首随分離れていますが、離れていればいるほど、引きあう力が強くなると考えます。綱引きで最も大丈夫なポジションは、一番後ろのアンカー。この引っ張りあいがカラダの随所で行われていると考えています。そのポイントを見つければ、鍼(はり)1本で遠くの特定の場所が緩(ゆる)むのだと思います。カラダは面白い❗️

肩甲骨下の痛み

 

草引きをしていて、無理な体勢になってしまい、左肩甲骨下に痛みが走った50才代の女性患者Cさん。我慢が出来なくなり来院されました。いつもの様に、合谷診(人差し指と親指の間の押圧):右(右側を触診します)から始め、上腕診と膝診を併用して脳と脊柱の状態を診断します。

上腕診:腰椎、小脳

膝診:頸椎#4、#6、腰椎#5

上記治療点に3本置鍼して圧痛点が無くなりました。これで、自律神経が整いました。次に首診で内臓診断を行います。

左:腎(1)、膀胱(1)、大腸(1)

右:心(0)、大腸(0)、三焦(1)

(  )内は置鍼の数、0は他の治療点の影響により圧痛点が無くなったことを示しています。これで、肩甲骨下の痛みが、いくらか減りました。そこで、左のC点(オデコ)と左のE点(眉の上)に置鍼するとずいぶんと減りました。そして、私が見つけた足の治療点を押圧。

「痛い!・・・・・痛いんですけど!」

これが効きました。もう全く肩甲骨下の痛みは無くなりましたました。頭と足の併用は非常に効果的です。

股関節は足で治す

 

70才代の男性患者Aさんは、農業従事者。がっちりとした体型でとても若く見えます。今回は、右肘、右股関節と腰痛で来院されました。

合谷診:左(左側の治療点を置鍼します)

上腕診:頸椎(1)

膝診:腰椎#1(1)、大脳(1)、小脳(1)

首診:右 腎(1)、膀胱(0))

左 腎(1)、膀胱(0)、心包(1)

それぞれの治療点に置鍼した本数が、( )内の数字です。

自律神経神経と内臓を整えました。これから、右肘、右股関節、腰痛の治療となります。右肘と右股関節はIソマトトープ(小さな人型の投影)の治療点(右側頭部)に置鍼。右肘の痛みは2/3なくなりました。しかし、右股関節には痛みが残ります。そこで、私が見つけた足にある治療点(まだ、YNSA学会に認可されていませんので、公表出来ません)に、親指で押圧をします。すると、Aさん大声で、

「痛ったたた・・・・」

右肘、右股関節とも痛みが少なくなりました。そこで、ピンポイントを見つけ、直接鍼を刺して上下に突きます。Aさんは眉間に大きなシワを作って耐えています・・・・これで、すっかり痛みが取れました。後は、腰痛です・・・これも、足に見つけた治療点に鍼を刺し、パイオネックス(皮内鍼)を貼って終了としました。

足の治療点に関しては、確信していますので、次の段階に進むための勉強をしていきたいと思っています。

怪我の功名

牛革の硬球を購入(現在、43個あります)したつもりだったのが、フェイクレザー硬球である事が分かり、患者さんにお売り出来ない事となりました。そこで、この43個を健康器具にすることにしました。色々考えた結果、ホームセンターで大きめのホースとジョイントを購入。

写真の様に、硬球を自由に動かせる事が出来る広さをホースで確保しました。そして、ゆっくりと仰向けになってみました。すると、思った通り気持ちがいいのです。カラダが勝手に動いたり、手で意識的に硬球を動かしたりして、気持ちのいいポジションを見つけます。

長時間仰向けになっていても、気持ちがいいので大丈夫・・・・というか、眠ってしまいそう。週1回通院されている80才代の女性患者Aさんが、右耳外耳炎で急遽(きゅうきょ)来院され、右耳周辺に4本置鍼しました。そこで、早速、左を下にして横向きになってもらいました。

「先生、これ気持ちいい・・・・これ、いいわ・・・・・眠ってしまいそう・・・」

私と同じ感覚の様です。

「どのくらいの時間保(も)ちそうですか?」

「・・・・10分くらいは、全然平気。」

「そしたら、OKグーグル、タイマー10分お願いします。」

「はい、10分ですね・・・では、スタート。」

という事で、10分ゆっくりしていただきました。横になったAさんと世間話をしていると、あっという間に10分が過ぎました。次回来られた時に、その後経過を教えていただく事を約束して、Aさん、ルンルン気分で帰られました。

硬球操体法

(どれがフェイクでしょう?)

硬球操体法

野球の硬式ボールを使って、患者さんにセルフケアをしてもらっています。これが、随分好評です。核、マントル、地殻で構成される地球と相似形をしている硬式ボールは、自然素材でしかも野球選手が最も握りやすい大きさになっているのですから、健康グッズとして最高です。とくに108ある縫い目が2~3mmの高さで曲線に配列されており、ツボ押しとして非常に効果的です。

「先生、硬球であちこち痛いところを、ほぐして何とかやれとる。これは、効くなあ・・・・ほじゃけど、先生こんな事しとったら、儲(もう)けにならんじゃろ。」

「ええんよ・・・・カラダに向かいあうきっかけになったら、それで良えんよ。」

 

当院では、硬式ボールを患者さんにお売りする様にしています。ところが、仕入れた硬式ボール、良く調べてみると「フェイクレザー」つまり、ニセ皮でした!道理で安いはずです。そこで、急きょ牛革の硬式ボールを仕入れ直して、今日から買っていただいた患者さんに、本物のボールを買って頂いた個数だけお渡しするようにしています。

手にとった感触が違いますし、年期が経つと益々ニセ者と、本物の輝きが違ってくるはずです。本物は使えば使うほどしっくりとした色合いになっていくはずです。患者さんには、ニセ物と本物を使ってもらい、その差を感じてもらいたいと思います。とにかく、治療以前にセルフケアが大切なのです!

上腕診と膝診の併用

 

大学野球部の男性患者Bさん、2ヶ月程前から右肩(三角筋前部繊維)が痛くて腕を頭上に挙げようとすると、途中でバリバリと肩が鳴り、痛くて挙げにくいそうです。そこで、山元式新頭鍼療法(YNSA)の説明をして、早速治療に入ります。

合谷診:左(左の上腕、膝の診断を行います)

上腕診:頸椎(1)腰椎(0)

膝診:頸椎#1、#2(1)、胸椎#1、#2、#3(1)、腰椎#1、#2、#3、#4、#5、#6(1)

大脳(1)、小脳(0)

首診:左 腎(1)、膀胱(0)、心(1)、三焦(0)、小腸(0)

右 膀胱(0)、心(1)、大腸(0)

最近は、上腕診と膝診を併用して治療をしています。(  )内の数字が置鍼の数を示しています。

8本頭に置鍼しました。

そして、肩の治療点であるB点、C点、Iソマトトープ、マスターキー(全て頭にあります)という4つの治療点に置鍼。すると、痛みがずいぶん無くなりました。ただまだ痛みは残っているので、足に見つけた肩の治療点に一番細い鍼を刺し上下に動かした後、置鍼します。

「痛い・・・・・」

「痛いけど、我慢してください・・・・痛い程、治りがええけん。」

6本置鍼して、痛みを確認するとずいぶん無くなりました。3日後に来ていただいて、2回目の治療で完治を目指します。