水加減

火曜は、フォークソング世代の常連患者さんが、集まる日です。そして、その中に高校の同級生が2人もいます。その人達と話していると、高校時代の記憶の断片が次々と浮かび上がって、心は少し高校生になっています。

「今日は、ええ天気じゃったな。」

「ほうよ・・・ええ天気じゃけん、ついついガンバってしもうて、腰にきとる(60才代の男性患者Aさんは、農業従事者)・・・・しっかり診てや。」

から、始まる会話は、いつの間にか30分たちます。まだ、どこも診ていません・・・・ふと、今たちかえると、何を喋ったのか良く覚えていません。そして、治療に入るのですが、高校の同級生ともなると、こんな会話になってしまいます。

「Aちゃん、今な、足首の診断点を見つけよるんよ・・・ほじゃけんな、足首診(み)させてや。」

「うん、ええよ。」

「ここ痛ない?」

「痛いよ。」

「ここは?」

「痛いよ。」

・・・・

最後までこんな感じ

「Aちゃん、全部じゃが・・・お疲れじゃな!」

「疲れとるんよ・・・」

「Aちゃん、ここが1番痛かった?」

「そうじゃな。」

「ここはな・・・心包じゃと思おとるけん、ここ(側頭部)痛ない?」

「痛い・・・相当じゃ。」

「そしたら、刺すけんな・・・・どう痛い(足首診断点の圧痛があるかないかの確認)?」

「・・・・痛ない。」

「そうじゃろ・・・(ちょっと満足げな私です)」

側頭部の治療点に置鍼し、足首の仮想治療点の圧痛が消えたことは、足首で診断出来る可能性を示しています。心、脾も同様に仮想治療点の圧痛が消えました。これを続けることで、何かが見えてくるかも知れません。ちょっと楽しみです。

さて、Aさんとの会話は続きます。

「夏は暑かったけん、水を毎日やりよったろ。今は、やり過ぎたらいかんで・・・・畑は、乾かさないかん。水やり過ぎて根ぐされさせるんが、1番良うないで・・・・」

と、大変重要なことを教わりました。サクラの落ち葉を腐葉土にするため畑にまきましたが、これも水加減を考え感じながら、しっかり教わろうと思います!

アニメーション

YouTubeを始めて、アニメーションを描くようになりました。あじさいの杜鍼灸院のマスコットのカタツムリ(名前がまだありません)の動きを5~10秒で完結し、繰り返し同じ動きをするアニメーションです。1秒に12コマ描きますので、5秒で60コマとなります。実は、広瀬すず主役の朝ドラ「なつぞら」が始まったころに、FlipaClip という無料のアニメ用アプリに挑戦しようと思い、ダウンロードだけはしていたのですが・・・結局、やらずじまい。

ところが、YouTubeをやるとなってからは、俄然(がぜん)やる気になってきました。やってみると面白い🤣まだ2作品しか作っていませんが、まだまだ出来そうです。発想力、想像力、創造力を養うにはいいようです。このアニメは、YouTubeの合間にちょこっと入れるだけですが、結構効果的になると思います。

まだ使っていませんが、次回頃からちょこっと・・・・

眠気がとれた

両膝痛を抱えている30才代の女性患者Bさん、本日は眠気が激しく、それが一番気になるそうです。以前は不眠で悩んでいたのですが、最近はいくらでも眠れるそうです。特に、鍼灸治療を受けた日(午前9時受診)は、帰宅後昼寝をたっぷりし、夜は9時から眠れるそうです。Bさんは、感覚が鋭く、しかも感覚を言葉に置き換えるのがじょうずです。

早速、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診):左右ともに痛いそうです→左右どちらから治療してもいいでしょう。

膝診(膝窩横紋周辺の触診)
左:頸椎(1)、胸椎(1)、脳幹(1)、大脳(1)、小脳(1)
右:胸椎←チェックせず

上記左の診断点に対応する治療点にそれぞれ1本置鍼で、診断点の圧痛がなくなりました。
ここで、本来なら首診をして、側頭部の治療点に置鍼するのですが、今回は、両足首の圧痛点を丁寧に探すことにしました。左右それぞれ12カ所見つけ、1番痛い左内顆(うちくるぶし)の1点の治療点を、左側頭部から探してみました。心包(しんぽう→心臓の周辺)治療点に置鍼すると、

「何か・・・・今までの感じと違う・・・・楽になって来た・・・気持ちいいし、目が覚めてきました・・・・眠気がなくなりました。」

もしかして、心包の診断点は、内顆(うちくるぶし)内側かも知れません・・・・もっとも、そんなに簡単に見つかるとは、思っていません!

日照時間(*゚▽゚*)

これから冬至にむかって太陽が南に沈み、影が長く北側を覆(おお)います。駐車場に作った畑は、3階建ての小さなビルの北側に位置しています。そのため、午前8時頃から日が当たらなくなります・・・・・頭の上を太陽が移動していた夏は、そこそこ日当たりが良かったのですが・・・・・

そこで、作戦を変更する事にします。野菜の日照条件をインターネットで調べてみると、

陽性植物→1日中直射日光が当たるところを好み、日陰では育ちません。トマト、ナスなど

半陰性植物→半日(3~4時間)くらいのは直射日光が当たるところを好み、木漏れ日が1日中あれば、育ちます。

陰性植物→直射日光の当たらない半日陰から日陰を好み、1~2時間の日照でも育ちます。

そこで、ビルに近いところには、陰性植物のシソ、ミョウガ、フキ、ニラ(幸い、これらは栽培しています)、増やす事にします。ビルから少し離れた駐車場の一角にもう1つ小さな畑を作る事にしました。ここだと、3~4時間の日照時間を確保できそうです。ここを、夏場は陽性植物、冬場を半陰性植物の栽培場にできそうです。半陰性植物は、ホウレンソウ、コマツナ、カブ、春菊、ネギ。

早速、高校の同級生で、患者さんでもあるAさんから頂いたヤマモモとサクラの木で、畑のワクだけは作りました。1~2週間で真砂土が入る予定です。鍋料理の材料を確保したいものです❣️

足首

鍼より操体法の方があっているという70才代の男性患者Cさんの続報です。Cさんは、20年ほど前に1mの段差のところで転んで以来、両膝痛に悩み、10ヶ月前から毎週来院されています。現在は、農業に従事され、かなり無理をして働いても大丈夫になってきました。

「操体法のいいところは、気持ちが良いのと、自分で出来るということですね。」

と常々おっしゃいます。Cさんはご自身で肩コリを感じたら、オデコの治療点(B点)に軽く指を当てご自身で治療されています。膝に違和感を感じたら、同側の肘を刺激したり、指を当てて違和感を取っています。さて、本日の主訴は、やはり両膝痛です。

早速、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)では、左右どちらも飛び上がる程の圧痛があります。ということは、左右どちらから始めてもいいのでしょう。

膝診(膝窩横紋周辺の触診)

左:胸椎(#4、#7、#12)、腰椎、脳幹、大脳

右:胸椎(#9)、腰椎、脳幹

上記の診断点に圧痛がありました。胸椎の#は、胸椎1番~12番の位置です。膝窩横紋の内側が1番で外側が12番です。今回は、Cさんに動いてもらう操法ではなく、最近拘(こだわ)っている足首の圧痛点への刺激です。やや強めから、爪で優しくさする感じの刺激をたっぷり15分ほどすると、膝診が下記の通りとなりました。

膝診(膝窩横紋周辺の触診)

左:胸椎(#12)、大脳

右:腰椎

右腰椎の診断点が1番痛いので、右肘内側の圧痛点に指先を軽く添える操法を5分。これで、3カ所の圧痛点がなくなりました。Cさんには、ベッドに移動してもらい足揉み操法を15分して、後はゆっくり寝ていただきました、おしまい。

足首診?

膝診をせざるを得なくなった90才代のBさんの続報です。今回も、首診(内臓の状態把握)では、全く圧痛点が見当りません。そこで、丁寧に足首の圧痛点を探ることにしました。すると左足だけに13カ所ありました。これは、貴重な情報です。足の甲を顔、カカトを後頭部と見なすと、足首は首になります。足首診が出来るはずです。

足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診):左→左側から治療します。

膝診(膝窩横紋周辺の触診)

左:胸椎(0)、腰椎(1)、脳幹(1)、大脳(1)

右:胸椎←チェックせず

足首:圧痛点13ヶ所のうち4カ所を選び、左側頭部の膀胱、心、胃、脾の治療点で圧痛点消滅。

以上の治療後、ゆっくり30分ほどベッドで休憩してもらい、8本の鍼を抜きました。膝診をする前は、圧痛点を見つけることが出来なかったので、2~3本の置鍼(膀胱、腎ねらい)しかしていませんでした。Bさんが高齢であることを考えると、8本が限界だと考えたのです。

それにしても、Bさんの動作、言葉使いが鋭くなっていくのには、驚きと感動を覚えます。何という素晴らしい仕事に出会えたのでしょう。山元式新頭鍼療法(YNSA)に感謝いたします。

「コクン」

私と同い年で、誕生日も近い女性患者Aさん。友達感覚で治療に入れるので、治療時間が楽しいのです。Aさんは、左膝下の脛骨(けいこつ)にクサビのようなモノを入れて、O脚を矯正しました。そのため、今でも左膝に違和感を感じ、歩くたびに「コクン」という音がして、頭まで響くそうですが、今日は膝ではなく、腰痛と肩こりが主訴です。Aさんは、2週間に1度のペースで来院されています。

早速、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)左足の方が痛いので、左側から治療を始めます。

次に、膝診(膝内側周辺の触診)

左:頸椎、胸椎、腰椎、脳幹、大脳、小脳

右:胸椎、腰椎、大脳

上記の診断点に圧痛がありましたが、今回は操体法で圧痛点をとることにしました。

「Aさん、今回は操体法というやり方で、膝の痛いところを取ってみようか?これじゃったら、自分でやれるようになるし・・・・」

「・・・・かまんですよ。」

「左膝の1番痛かったんは、どこじゃったろ?・・・・・ここ(脛骨内側鵞足付着部部分→膝の大きな骨の内側)?」

「先生、そこじゃ!」

「そしたらね・・・私が、Aさんの足の甲に手のひらを置くけん、ゆっくりと親指を意識してつま先がスネにつく動作をしてください・・・・決して力まないで・・・痛かったらやめてください・・・・そうそう・・・カラダの中心、腰を使って・・・背中で、肩甲骨で・・・・はい、首も使ってみましょうか・・・・」

などと、言葉で誘導して3つの操法を行い、全ての圧痛点をとりました。これで、自律神経が整いました。続いて、首診。首診では、腎、膀胱、肝、胆、心包、心、大腸、三焦、胃、脾、小腸、肺、全て左に圧痛点があります。左側頭部の腎、肝、心、脾、治療点に置鍼すると、全ての圧痛点がなくなりました。

「これで、腰と肩どうですか?」

「・・・・・・肩は、もう何ともない・・・けど、腰がまだ、チョット痛いわい。」

「どこ?・・・・・う~ん、分かった・・・・・これで、どう?」

「・・・・・うん・・・痛ないわい!」

耳ウラのIソマトトープ(小さな人型の投影)に置鍼して、良くなりました。これで、終了となったのですが、Aさんが、歩きながら、

「先生、どうしても歩いた時のこの音が気にならい・・・・・ほら、聞こえる?」

「ホントじゃ・・・・聞こえらい・・・・・そしたら、鍼刺してみよわい・・・・・これでどう?」

「・・・・だいぶ、良うなった。」

と続けて、左側頭部のG点という膝治療点に4本置鍼。

「先生、最初10じゃった音が、1~2じゃわい・・・不思議じゃ・・・凄いね!」

という事で、これからは、1週間に1度の通院に変更されました(*^ω^*)

咳(せき)が出来ない

以前は、鍼(はり)大嫌いだった女子中学生のBちゃん、4か月ぶりの来院です。もう、Bちゃんは鍼治療を受け入れています。昨夜から気管支あたりがつまって咳(せき)をしたくても出来ない状態が続いています。早速、膝診(膝窩横紋周辺の触診)から始めます。

足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)左足に圧痛点→左側から治療を始めます。

膝診

左:頸椎(1)、胸椎(0)、大脳(1)

右:なし

首診

左:腎(0)、膀胱(1)、肝(0)、胆(0)、心(0)

右:小腸←チェックせず

膝診で最も痛みを感じたのは、頸椎診断点(膝内側の鵞足付着部→膝内側の大きな骨と筋肉の境目)。2番目は大脳診断点(太ももの内側)。それぞれに1本ずつ置鍼。すると、膝ウラの胸椎診断点の圧痛点がなくなりました。

「Bちゃん、これで胸どう?」

「楽になってきました。」

次に首診で最も痛みを感じた膀胱診断点の治療点は、側頭部にあります。そこに1本置鍼すると、その他の診断点の痛みもなくなりました。すると、同伴のおじいさんから、

「息出来るか?」

「・・・・・・・出来る、楽になった!」

これで、終了でもいいのですが、念のため脳神経9番、10番の治療点に1本ずつ置鍼して終了としました。(脳神経の9番は、舌咽神経および、肺に関係し、脳神経の10番は、迷走神経は、ノドの筋肉や副交感神経を支配しているため)

1才になるかならないかのオス猫のチャルルは、我が家を別荘として悠々(ゆうゆう)と過ごして、2日目です。我が家が前回と少し違ったのは、2本の物干し竿に吊り下げた服の数です。となりの部屋に吊り下げていた服を全てもってきたのです。そのため、この畳部屋は大きなクロゼットともいえるでしょう。

チャルルが最も好きな場所が、部屋の隅(すみ)にある大きな戸棚の天辺。そこから見渡す風景には、私はいなくてたくさんの服が雲海(うんかい)のようになっているはずです。多分気持ちいいはず。私は普段、畳部屋(小さなビルの2階)にはおらず、1階の治療室にいるため、チャルルが部屋の王様。私がたまに帰って来て、白衣を物干し竿に掛けます。掛けた白衣を取ろうとすると、

「シャ~~~(オレのテリトリーに何してる!)」

と威嚇(いかく)が始まるのです。チャルルにとっては服の雲海もテリトリーですから、どの服に触れても威嚇(いかく)されます。こちらとしても、「主人はこっちじゃ」というオスのプライドがあるので、「ひとケンカ」。

次回は、服をとなりの部屋に大移動することにしましょう(*^ω^*)

肩が上がらない左官屋さんの続報

右肩が痛く腕が上がらなくなった60才代の左官屋のCさん。仕事が早く終わったため、予約時間より1時間30分も早く来院。

「先生、えらい早よう来たんじゃけど・・・・かまん?」

「あああ・・・・・かまんですよ。」

「あれから翌日は調子が良うて、こりゃ治ったと思ったんじゃが・・・・少しずつ戻ってきたんよ。けど、ブロック注射とは、全然違う。」

早速、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診):左→左側から治療をします。

膝診(膝窩横紋周辺の触診)

左:頸椎(0)、胸椎(2)、腰椎(0)、脳幹(0)、大脳(1)、小脳(0)

右:胸椎(1)、腰椎←チェックせず、大脳←チェックせず

首診

左:膀胱(0)、肝(0)、胆(0)、心包(0)、大腸(0)、三焦(消化器)(1)、胃(0)、脾(1)、小腸(0)

右:大腸←チェックせず、胃←チェックせず、小腸←チェックせず

膝診で最も痛いのは、膝ウラの内側の1ヶ所→ここを、胸椎2番診断点だとみなしています。次に痛いのは、膝ウラの外側の1ヶ所→胸椎12番診断点だとみなしています。この2ヶ所の治療点は、左眉の上にあるので、2本置鍼。次に痛い個所が、太ももの内側→ここを大脳診断点とみなし、オデコ中央部生え際の大脳治療点に、置鍼1本で、左膝全ての圧痛点がなくなりました。

Cさんは、右肩痛なので、右胸椎診断点である右膝ウラにある右胸椎治療点に圧痛があります。そこで、右眉の上にある右胸椎治療点に1本置鍼。これで、右膝ウラの圧痛点がなくなりました。

「これで、右肩上がりますか?」

「・・・・上がる、ちょっと引かかりがあるだけじゃ!」

「そしたら・・・今度は、内臓を整えるので、左の首の一番痛いところを教えてください・・・」

Cさんの左の首最大圧痛点は、肩に近い三焦診断点です。この治療点は左側頭部にあるの1本置鍼。この1本で他の診断点の圧痛がなくなりました。残っているのは、首の後ろにある脾診断点の圧痛だけです。これも左側頭部に置鍼1本して圧痛がなくなりました。

「これで、右肩どうですか?」

「・・・・まだ、ちょっとだけ引っかからい・・・」

「そしたら、今度は右肩を狙いますね・・・・・・どうです?」

「・・・・・あっ、大丈夫じゃ!」

ということになり、後はCさんと雑談をしていると、

「あれっ?・・・・どしたんじゃろ・・・手がこんなに温なっとる。ワシャ、前にも言うたけどレイノー病で冬になったら手が真っ白になったり、真っ黒になったりするんじゃけん・・・・ほじゃけん、高い薬飲みよるんじゃけど・・・今日も、弟子がワシの手さわって、冷たいんでビックリしとった・・・・スマホいろても、冷た過ぎて動かん時もあるんよ。6~7年ぶりじゃろか・・・・こんなに温くなったんは・・・・嫁もビックリすると思わい・・・・・どしたん、足も温くなっとる!」

この調子で、来院することをお勧めしました。