父親の言葉

興居島に向かう船中、「石原医学大全」に目を通していると、石原結實先生が小学校、中学校の頃の事を述べておられました。『中学2年生までは健康で過ごせたが、中学3年生の後半になり、便秘と下痢を繰り返し、常に腹満(腹部膨満感)、残便感に悩まされる、今で言う「過敏性腸症候群」で苦しんだ。』

私も石原先生のように、中学校3年生に、便秘、下痢、嘔吐などで悩み、小学生では夕方になると神経性胃炎で腹痛を訴え、父親の背中への指圧で治してもらっていました。身をもって父親の指圧の凄さを知った事が、今の職業に繋がっていったのだと思います。

「ひろむ(私の本名)は、指圧が上手いのう!」

私が父親に指圧をしている時の会話には、いつもこの言葉がありました。この言葉が私を導いてくれました。心より感謝しています。そして、普段から

「ひろむは、美術をせいよ(しなさい)、上手いけん!」

の言葉はかけてもらっていました。にもかかわらず、高校では野球部に所属し法政大学経営学部に入学。全く性に合わないので2ヶ月で中退した時、

「ところで、お前は何するんぞ?・・・芸術でもするんかとおもた(思っていた)!」

の一言で売れない芸術家を20年。父親の言葉に運命を委(ゆだ)ねた私でした!

花粉症花盛り

花粉症が一気に花盛り。来院される患者さんのなかで、半数近くが花粉症で悩んでおられます。鍼灸治療は花粉症に効きます。半年ほど通院され、花粉症が出なくなった80才代の患者さんもおられます。この患者さんの場合は、自律神経を整えて、内臓を整える治療をしただけなのですが、良くなられました。

また別に、オデコにある目と鼻の治療点と、頭頂部にある肺と舌咽神経の治療点に刺鍼すると、目のかゆみと鼻水が止まったり・・・・と、様々な反応があります。ところが、40才代の男性患者さんは、

「目と鼻の鍼が効いてたのですが、ここ(耳の下)にパイオネックス(円皮鍼)を貼ったでしょう?そのせいで、鼻水が出るは、出るは・・・・今までで一番。そこで、パイオネックスを取ると、ピタッと鼻水が止まったんですよ!」

「・・・・えええええっ、鼻水が出るということは、悪いもんが出るんでええことじゃけど・・・・」

「いや〜ひどい出方じゃったけん・・・・」

「そうか、そうか・・・・でも、(パイオネックスを)取ると止まったんですね・・・・よう分からん・・・・あそこ(耳の下)は、元々ノドの治療点なんです・・・・よう分からん、分からん事ばっかです。ありがとうございます。何かあったら、また教えてください。」

と、???・・・・そのため今回はパイオネックスを貼らないで終了となりました。

いいことありそう!

現在、健康のための低周波治療器で「免疫向上、全身調整」の治療を受けています。これは、患者さんからお借りしているもので私のものではありません。先週は、痔の患者さんに頭頂部のお灸とこの低周波治療器で32分の治療を行ったのですが、その日から痔は治ったそうです。さて、どちらが効いたのか?

昨日は、少し呑み過ぎ、久しぶりに体調が良くなかったので、実験的に39分の治療をしているところです。

「先生、人参もうそろそろ抜かないといけんよ。」

と、女性患者さんが、散歩中に突然訪問。私が動けない状態なのを見てとって、

「人参引っこ抜いていい?」

「はい、お願いします。」

「・・・・・これ、もう全部抜いて、葉っぱを取って新聞で包んで袋に入れて野菜ケースに入れたらずーっと保つから。」

と、助言をいただきました。ありがたいことです。今日もいいことありそうです。

心技体

左足外果にある靭帯(じんたい)を3ヶ所損傷した40才代の男性患者Aさん、9日間で7回来院されました。初診では、足の甲も腫れて、左足を引きづるように歩いていたのですが、今では、キャッチャーの格好をしても大丈夫になりました。Aさんは、明日23日には、キャッチャーとして試合に出るのを目標に通院されていたのです。 

相撲では、「心技体」といって心が一番大切です。Aさんは、仕事の無い時間を患部に氷水を当てる時間にして、しっかりセルフケアされていました。この心がけが驚異的な回復力になりました。

Aさんの明日の試合、さてどうなるか、楽しみです!

何か知らんけど・・

「今日は、鍼ではなく操体法でやっていきましょう。」

80才代の女性患者Cさんとに会話が弾み過ぎたので、今回は置鍼の時間が必要でない操体法での治療を選びました。普段ならイスに座っていただき膝診を行うのですが、仰向きになって両膝を立ててもらい膝診。Cさんは前回、上腕と前腕に痛みがあったのですが、今回はそれらの痛みは無くなりました。しかし、右胸部に痛みがあります。また、右手親指、人差し指にはシビレがあります。足に見つけた頸椎、胸椎の治療点を気持ちよく押圧。

「先生、もうシビレは治らんじゃろ・・・」

「いやいや、そんなことないよ。カラダはいつも治ろうとしとるんじゃけん・・・どう、シビレの感じ?」

「・・・・ちょっと、こっち(親指内側)がようなった・・・・シビレを感じんようになった。」

「それは、よかった・・・少しずつ変わるけんね。」

その後も、足の治療点に触れながら操体法を続け、

「どうですか、右の胸?」

「・・・・・あれ?痛くない・・・」

何か知らんけど・・・よくなりました!

足首靭帯損傷の男性、続報

『3日前、左足外果にある靭帯(じんたい)を3ヶ所損傷した40才代の男性患者Aさん、3日間続けて来院されました。初日は足の甲も腫れて、左足を引きづるように歩いていたのですが、3日目の本日は、歩き方が普通と変わらなくなっています。左足首の可動域も初日はどの方向に動かしても痛いため、ほぼ0に近い感じだったのですが、3日目は右足首と同じ動きが出来ています。ただ、まだ僅(わずか)な痛みと引っかかりを感じるそうです。』

とご紹介したAさん、今日で靭帯損傷から1週間経ちました。仕事のない日は、氷水で患部をアイシングしておられます。このセルフケアが素晴らしい!私の治療はつけたしなのです。今日は、頭の治療点に5本置鍼。その後は右手首の圧痛にお灸を15壮して、

「両脚の屈伸をしてみてください・・・・どうですか?」

「いい感じです・・・痛みはないのですが、可動域がまだ、チョット?」

「それは、仕方ないですね・・・・それにしても驚異的な回復力ですね、素晴らしい!靭帯が3ヶ所損傷していたのに・・・・」

明日の予約受付後、帰宅されました・・・もしかして、明日完治?

指先は感性の源

「春は選抜から」球春を迎えました。そして、入場行進を見たのですが、いつもガッカリ!テレビのスイッチを消してしまいました。そして、この文章を書いています。

なぜ、誰がこんな歩き方を教えたのでしょう?不自然極まりない手の有り様!手を握っているとカラダ全体が縮んでしまいます。縮んだ手でノビノビとカラダの表現など出来ません。ダンサーが手をグーして表現していますか?指先には指紋があり、そこがセンサーなのです。そこが感性の源なのです。それをわざわざ消し去る・・・・非常に恥ずかしい行為です。

唯一、広島商業だけが手を普通に伸ばし、自然体の歩き方を示していました。荒谷 忠勝(あらたに ただかつ)監督は、普段の生活態度もしっかりと指導されておられるとお見受けしました。愛媛の松山大学卒業されておられるし、しっかりと応援いたします!

肉食人種

肉食でなかった日本人が、いつの間にか肉食人種になっています・・・

1977年、アメリカでマクバガンレポートというアメリカ人の牛肉牛乳中心の食生活を改めて、日本の元禄時代以前の玄米菜食生活を奨励した政府の指針がありました。50年近く前のこの動きが、アメリカでは浸透し、現状では完全菜食主義者(ヴィーガン)が、アメリカのインテリ層では当たり前になって来ています。

ところが、本家本元の日本が、いつの間にか肉食人種になっている現状があります。テレビ番組を見ると「グルメ、グルメ、グルメ」と肉食をあおっています。

結果、2人に1人がガンになる・・・・もう少し、ご自身の食生活を見直してみてはいかがでしょう?

照ノ富士親方

今日は、日曜日。どうゆう訳か、患者さんが少ないのです・・・そこで、ゆっくり相撲を見ることに!すると、元横綱・照ノ富士が解説。言葉の重みが凄いです。頂点を極めた親方の言葉が心に響いています。親方はそれぞれの力士に◯◯関と敬意の表現をされ、常に謙虚な話をされています。

「練習しなくては、強くならない。」

と当たり前のことを言われるのに、重みが凄いのです。大関から序ノ口に転落して、そこから横綱にまでなった力士の言葉の響・・・・圧倒され、納得しました。

「新横綱になっても緊張しなかった。」

この言葉をポロッと・・・当たり前だと思いました・・・・経験が違います。

それぞれの力士との対戦から、個々の力士を研究されているので具体的な話を次々と伺えます。

「正代は足首が硬いので、棒立ちになる」

正代という大関にまでなった力士の欠点をズバリ指摘されました。これは、本当に腑に落ちました。その後も、次々と個々の力士への適切なアドバイスに納得。

「稽古場では、本場所、本場所では稽古場」で相撲を取っておられたそうです。親方は、素晴らしい力士をこれからドンドン育てられることでしょう!