お灸治療が、増えて来ています。

足にお灸をして、頭の置鍼と同じ効果があるのが分かってきたので、最近は、

「鍼とお灸どちらにしますか?」

という質問から治療に入ることが、多くなってきました。80才代の男性患者Bさん、治療前に靴下を脱いでこられました・・・お灸の準備をされているのを確認した上で、

「鍼とお灸どちらにしますか?」

と尋ねたところ、お灸という答えが返ってきました。Bさんは、毎年この時期になると花粉症に悩まされるのですが、今年はその症状が出ていません。2週間に1回の治療が効いているようです。ただ、少し鼻水が出るというので、オデコにある鼻の治療点に2本置鍼をしました。その後は、膝診を行い、足に見つけた治療点にお灸をしていくだけです。

お灸の良い点はたくさんあるのですが、一つは、患者さんご自身が、覚えた治療点にお灸をし、アフターケアできることです。また、お灸をしながら、モグサのエキスであるチネオールの臭いでリラックスしながら会話を楽しむことが出来るのです。

Bさんは、野球やソフトボールに精通されているので、施術中、野球の話に花が咲きます。経験豊富なBさんからは、様々なことを学びっぱなしです。また、感覚が鋭い方なので、お灸を受けた時の感覚を適切な言葉にしてくれます。

「最後まで、熱さに耐えて、モグサを取ってもらうと、スーッと入ってくるんです。それが、よく効いています。」

なるほど・・・・これが、今の私のお灸が目指すところ!・・・・って、教えていただきました。

2月22日は猫の日

 

2月22日は、猫の日。

うちのメス猫モモは、いつも一人で、2階の台所、居間とベランダにいます。時々、1階の鍼灸院から帰ってくる私に出会って、

「あら、来たの?」

って顔で、お出迎えしてくれます。私は、お出迎えが嬉しいので、

「モモちゃん、お利口さんじゃね、お父さんをお迎えしてくれて!」

と、ゆるゆる笑顔をするのですが、

「あっそう・・・・・」

尻尾を立てて振り返り、居間まで歩いて一呼吸。おもむろに、畳に寝そべったかと思うと、手足を弓のように伸ばして大あくびをしてくれます。

「モモちゃん、すご~い、またやった!モモちゃん、それが上手じゃけんね~、すごいね~モモちゃん。本当にお利口さんじゃけんね・・・・モモちゃんは!」

と、得意技を見せてくれると、素早くネコタワーに上って知らんぷり。

「モモちゃん、すご~い。モモちゃんは、何でも出来るけんね・・・・ホントにすごいね、モモちゃんは!」

と、たわいもない会話が続くのでした・・・・おしまい。

紫雲膏も線香も

モグサ作りが思った以上に成果があったので、今度は紫雲膏や線香も作れないか?とインターネットを調べていると、何と何と作れるのです。紫雲膏においては、料理と実験の感覚で温度と時間調整が大事なようです。線香には、漢方薬に使用する桂皮、クローブなどの粉を混ぜ合わせ、※﨓(たぶ)の樹皮を粉にしたものをつなぎとして、少量の水を加えながら、粘土を作っていくのです。

その粘土を細長く伸ばしたものが、線香になるのです。タブ粉に炭粉末を加えると、煙が少ない線香になるそうです。灸治療の場合は、煙が少ない方が良いので、炭粉末は欠かせないようです。

まだ、作っていないので、今日はここまで。作った暁には、ご報告します。

※﨓(たぶ)は、クスノキ科の常緑高木で別名「イヌグス」ともいいます。

ヨモギ茶

ヨモギをミキサーで細かく刻み、モグサを作っているのですが、その時に出来たヨモギの粉が、まるで抹茶のようにヨモギ茶となることにやっと気づきました。熱湯を注ぎ、黒糖を入れて飲むと、非常に美味しくいただけました。ヨモギのチネオールという精油が灸治療に効果を与えています。湘南太田鍼灸院のホームページのコピペを下記に記載します。

『お灸と言えば艾(もぐさ)ですが、艾は蓬(よもぎ)の葉を乾燥したものです。蓬の葉の裏にはチネオールという精油成分が含まれています。

チネオールには疼痛緩和成分があり、燃やし煙になることで篩板(鼻の奥にある篩骨と呼ばれる骨の中央にある小孔)を通じ前頭葉に働きかけ、リラックスする効果があります。

艾は火をつけると一気には燃えず、少しずつ燃えていきます。その温度は50~60度と言われています。人のタンパク質は42~48度で変性するので、お灸を当てている部位やその周辺の老廃物を壊すことができます。

あえて火傷の状態にすることもあります。火傷になるとそれを治そうとして人体は膿を出します。膿は白血球(マクロファージ:体内に生じた変性物質や侵入した細菌等を捕食)の死骸なので、そうやって悪い物質を体外へ排出します。』

チネオールには、疼痛緩和成分があり、リラックスさせる効果もある。幼い頃からヨモギ餅を食べていたため、ヨモギを口にすることに全く違和感を感じない。そのため、お茶として飲むのは当たり前。今年もしっかりヨモギを収穫して、乾燥させて、粉まで全て使い果たそうと思います。

松葉

最近、早朝に裏山(標高117m)を下駄で登っています。下駄で登る時は、大臀筋、中臀筋、小臀筋を使い、降る時は、大腿部の筋肉を非常に使います。その道中に松葉が落ちており、この松葉を食べながら歩いています。また、頂上は日当たりが良いので、松の木が何本も生えています。そこでも松葉が取れるので、鍼灸院と部屋には松葉が増えてきました。患者さんの勧めで、醤油にも松葉を入れてみました。さて、どうなるのでしょうか?

松葉にある成分を下記にまとめてみました。

『クロロフィル(葉緑素)

 クロロフィルはヘモグロビンの構造に似ています。体内の余分なコレステロールや有害物質を排出する効果や、血液中の赤血球の数を増やすことで貧血の改善が期待できます。 胃や腸の運動を活発にしてくれるので、便秘解消などに良いと言われています。

ケルセチン

フラボノイド、ポリフェノールの一種で、主にタマネギなどの野菜に多く含まれている成分です。 血流を改善する効果や、動脈硬化を予防する効果などで知られています。

テルペン精油(α-ピネン)

森林浴効果が高く、リラックスやリフレッシュ、疲労回復などに有効といわれています。

ビタミン

松の葉には、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンKなどのビタミン群が豊富に含まれています。』

松葉を噛み続けてドロドロにすると、気持ちよく胃にいける気がします。そして、口の中に清涼感が漂うのです。この感覚は、子供のころ遊んだ神社の空気、雰囲気につながるように感じるのです。

 

コレステロール

前述の不整脈を気にされていた女性患者Aさんが、もう一つ気にされておられたコレステロールに関して、石原結實先生は、『なぜ、「おなかをすかせる」と病気にならないのか?』(石原結實 著)で、下記のように述べられています。これを次回の治療日にお伝えしようと思います。

『西洋医学では、血液中のコレステロールの正常値を130~219mg/dlと決め、少しでも多いと抗コレステロール剤を処方する傾向がある。コレステロールを動脈硬化、ひいては心筋梗塞、脳梗塞の元凶と考えているからだ。

しかし、コレステロールは、人間を形作っている60兆個の細胞の膜の成分であるし、胆汁や男性ホルモン、女性ホルモン、さらにはストレスに耐える副腎皮質ホルモンの原料でもある。だから、「コレステロールを無理に薬で下げたら、ストレスに弱くなり、種々の病気にかかりやすくなる」と指摘する医師もいる。最近では「コレステロール値が高い人ほど長生きする」というデータも数多く発表されている。

フィンランドのヘルシンキ大学で、高脂血症1200人を対象にした調査が実施され、次のような結果が得られた。高脂血症を食事療法と薬で下げたグループAと、下げる手段を何も講じなかったグループBを比べたところ、10~15年後の心筋梗塞の発症率、死亡率ともに、Aグループのほうが高かった。

日本でも、1980年、厚生(現・厚生労働)省国民栄養調査対象者1万人に対する14年間の追跡調査で、「240~259mg/dl」が「健康長寿」にもっともよいコレステロール値であることが判明している。また、茨城県で40~79歳の男女10万人を5年間調査したところ「コレステロール値が低いほど、全死亡率、特にガンの死亡率が高かった」「240mg/dl以上の全死亡率が一番低かった」ことが明らかになっている。

抗コレステロール剤である「スタチン剤」は、毎年400万人に処方されている。しかし、その副作用として、横紋筋融解症(筋肉が溶ける。その前に患者さんは筋肉痛を訴える)、肝機能障害、血小板減少(出血)などが現れることがある。

コレステロールに対して、過剰な「敵意」をもつことは、むしろ危険なのである。』

そういえば、私が専門学校に通っていた時、ある医師の基調講演で、コレステロールは下げる必要性がないと力説されていたのを、思い出しました。

粗悪モグサ、その後

今朝、乾燥したヨモギをミキサーに、1度だけかけて「超粗悪モグサ」を作りました(右上の一番黒いモグサ)。そのキッカケは、昨日の患者さんの一言からです。

「紫雲膏の上に置いた上質モグサは、急に熱くなる。それに比べると、粗悪モグサは、途中から熱が伝わって来て徐々に熱くなるので、気持ちいい。」

この一言で、上質モグサを使うことは、やめるようにしました。今まで作った上質モグサは、もう一度ミキサーにいれ、作っている過程で出来たヨモギの細かい粉を加えて撹拌(かくはん)すれば、粗悪モグサに戻ります。細かい粉の量を調整すれば、様々な種類のモグサができるので、逆に重宝。

今朝、出来上がった「超粗悪モグサ」を、早速午前中の患者さんに施灸すると、

「途中から熱が伝わって来て、最後は熱くなる。」

と、滑り出し好調です。そして、何壮もやっていくうちに、患者さんが教えてくれました。

「先生、さっきやったモグサ・・・超粗悪モグサじゃないやつ。あれは、最後までええ熱さじゃった。あれ、やったらどうです?」

「あっそうか?そうしましょう・・・・紫雲膏をたっぷり塗って、粗悪モグサを・・・火をつけて・・・・これで、どうですか?」

「・・・・ええ感じです・・・・・ちょうどええ加減で終わりました。」

だいたいのモグサは、最後にピンセットで取り上げて「超熱く」なるのを避けるのですが、紫雲膏をたっぷり塗った上に乗せた粗悪モグサは、程よい熱で終了することが多くありそうです。これからのモグサ作り、楽しくなります!

足の探索

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50才代の女性患者Aさん、不整脈が気になり今年の秋にある検診までに何とか治したいと考えておられます。そこで、下記の石原医学大全の不整脈に関する一節を紹介しました。

『体を冷やす水分を、くしゃみ、鼻水などのアレルギー、寝汗、下痢などで十分に排泄できないときに、体温を上げて代謝をよくして、水分を消費しようとする。1℃の体温上昇には、脈を八~十回/分増やす必要がある(頻脈)。頻脈になると脈が乱れることもあろう(不整脈。』

また、石原医学大全には、水毒(カラダに余分な水がある)の症状を列挙しており、Aさんは、1)まぶたや顔がむくみやすい、2)やたらと喉がかわく、3)お腹が冷たい、4)足がむくみやすいとあるので、どうやら水毒が始まっているようです。

そんなAさんは、朝食をやめることにしました。すると、3日間で体重が1kg減ったそうです。もう早速、反応がありました。足がむくむので、今回はお灸を足にすることをお勧めしてみました。

「えっ、結果は鍼と同じなんですか?」

「はい、同じです。最近は、鍼からお灸へ替わる人が、結構増えてきています。鍼は自分では出来ないですけど、お灸なら自分でできるでしょう?・・・・だから。」

で、足にみつけた治療点にお灸をするのですが、鍉鍼(ていしん)という銀の棒で治療点に押圧するだけで、膝や首の診断点が緩むことが多いのです。「鍉鍼での押圧」は、非常に痛いので、瞬間的に診断点が緊張します。その後、緩むため「一瞬芸」で終了し、おまけにお灸をするという感じです。

今回は、お灸で鍼と同じ診断点の緩み、時間的余裕があったので、足底に見つけている顔の診断点にあえてお灸をしてみました。

「・・・・顔が引っ張られている感覚なんですが・・・・」

と、Aさんからの反応がありました。やはり、あそこが顔に違いありません。足はまだまだ、治療点が存在していると思っています・・・足探索、面白い!

Aさん、検診に向けて決して無理せず、楽しくやっていきましょう!

不整脈の原因

ある患者さん、不整脈があります。そこで、「石原医学大全」から、不整脈の原因を探ってみました。

『体を冷やす水分を、くしゃみ、鼻水などのアレルギー、寝汗、下痢などで十分に排泄できないときに、体温を上げて代謝をよくして、水分を消費しようとする。1℃の体温上昇には、脈を八~十回/分増やす必要がある(頻脈)。頻脈になると脈が乱れることもあろう(不整脈。』

とあります。これは水毒に関する文章の一部です。世間一般では「1日に2リットル水分を取りましょう」と叫ばれていますが、それが水毒の元となるケースもあります。石原医学大全には下記のように書かれています。

『仰向けに寝てもらった患者さんの心窩部(みぞおち)を親指以外の4本の指で軽く叩くと、ぽちゃぽちゃと音がすることがある。この音は「振水音」といって、胃袋の中に水が多く存在していることを意味する。

振水音がある患者さんは一時が万事で、胃袋以外の体内の「袋」や「くぼみ」「皮下」にも水分を多く溜めてしまっている。つまり、体が水分過剰に陥っている状態であり、漢方医学ではこの状態を「水毒」という。

胃腸に留まった水は吐き気や下痢を起こし、鼻腔、涙のう、肺胞、皮下などに留まった水は、くしゃみ、鼻水、涙、薄い水様痰、湿疹等のアレルギー症状、むくみを起こす。その他、水分で体が冷やされた結果、肩こり、頭痛などの「痛み」が発生することもある。また、めまい、耳鳴り、フワーッとした感じ、まぶしさ、不安、不眠、動悸といったサイン(西洋医学では不定愁訴という)を出して、体が「水毒」に陥っていることを知らせようとする。』

とあります。不整脈の原因には水毒が考えられ、その水分を体外に出すための手段として、吐き気や下痢があり、鼻腔、涙のう、肺胞、皮下などに留まった水には、くしゃみ、鼻水、涙、薄い水様痰、湿疹等のアレルギー症状などがあります。それでも無理な場合、体温を1℃上げるための頻脈を起こす。その結果、不整脈が生じる場合があると考えられます。

「食べる」よりまず「出す」

今日も石原医学大全の「食べる」よりまず「出す」のご紹介をします。

『 一日三食派が最も重要視するのが「朝食」だ。曰く「一日の活力源となる食事」「朝食で体が活動モードに入り自律神経が整う」「朝食を抜くと脳の活動に必要な糖分が不足する」等々。日本で一番「力」が必要な職業の「力士」たちは、朝食は一切食べず、早朝から三~四時間の猛稽古する。食べると消化のために胃腸に血液が集まり、その分、手足をめぐる血液が少なくなり、力が出ないからだ。

石原医学でも一貫して朝食は不要と指導してきた。朝は食べるのに適した時間では無いからだ。英語で朝食のことを「breakfast」と表現する「fast(断食)をbreak(破る・止める)する」、つまり、睡眠中の断食状態を止めて最初に食べる食事という意味だ。我々は意識せずに日々「睡眠」と言う断食の時間を持っていることになる。断食明けの食事は、休んでいた胃腸に過剰な刺激を与えるものであってはいけない。

例えば、風邪をひいてお粥ばかり食べていた人が、病み上がりにいきなりコッテリしたステーキを食べる事はないだろう。同様に睡眠時に食物が遮断されていた胃腸に、いきなりたっぷりの朝食は負担なだけだ。

また胃腸に負担をかける他にも問題がある。睡眠と言う断食状態に入った体の中では、排泄作業が着々と進められている。睡眠中には寝汗をかくし、起床時には濃い尿、吐息には混じる悪臭、目やになど排泄が促進され、体内が浄化される。

断食明けの朝は排泄の時間なのだ。しかし、朝食をしっかり食べてしまうと、胃腸に血液が集中し、排泄活動は減衰する。入ってくるものの処理に追われ、出すべき老廃物も出せなくなるのである。その結果、血液が汚れる。

「吸収は排泄を阻害する」とは生理学上の鉄則の一つだ。裏返すれば吸収(食事)しなければ排泄がどんどん進むと言うことになる。人体においては「出す」ことが何より重要だ。風邪を引くと熱を出す。咳や痰を出す、時には下痢や発疹を出すことで血液を浄化して治そうとすることを考えると合点が行く。「朝食を食べる」事は血液の汚れを浄化するための「出す」時間をみすみす潰すことになる。』