耳を傾ける

3年前から眼瞼下垂が気になる60才代の女性患者Bさん。

過去2回来られ、少し良くなって帰られますが、1週間後には、元に戻ってしまいます。

「先生、今日はバイキングでお腹いっぱい食べて来た!」

「えっ~~、血液がお腹の方に行ってしまって・・・治りにくいな~~」

「そ~なの~~・・・」

今回もあまり期待出来ません。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、E点眉毛の上に左右合計で5本置鍼。

左手第3指の2カ所に15~17壮お灸(手を小さな人型と考えると、第3指の第1関節から指先までが顔のため、目の位置にお灸)。

「Bさん目を開けると、どうですか?」

「やっぱり、変わりありません・・・・先生、55才の時、蓄膿症の手術をしてそれから、目の下に空気が入っているみたいで調子が悪いんです。」

「ここですか?」

目の下3cmくらいのツボ(四白=しはく)を押圧すると、

「痛い!」

「じゃあ~~鍼打っときますね。」

鼻の横にある迎香(げいこう)というツボと四白(しはく)に置鍼。しばらくして、

「先生、目が普通に開(あ)く❣️」

「本当じゃあ~~、目がぱっちり美人じゃ❣️」

という訳で、患者さんの言うことに耳を傾ける重要さを痛感しました。

足の腰痛点、発見!

70才代の女性患者Bさん、10日間のGW、何もしなかったせいか、肩こりと腰痛でカラダが悲鳴をあげています。お孫さんに肩を揉(も)んでもらい、余計に肩こりが激しくなりました。

「孫に、おこずかいあげるって、やってもらったら、頑張ってやるもんだから・・・痛くてね~~」

山元式新頭鍼療法(YNSA)で頭に6本置鍼。
まず肩こり対策。今回は右足親指の中足骨側(根元)の圧痛点を丁寧に探します。
出るわ、出るわ!11カ所・・・・そこに、根気よくお灸をしていきます。

「何か、肩がスーっとし始めた❣️」

ということで、肩こり対策は終了。
今度は、腰痛対策ですが・・・何となく閃(ひらめ)きがありました。こういう時は、実行するしかありません。

「Bさん、ちょっと痛いかもしれません。我慢してくださいね~~」

足底やや小指寄りの圧痛点に直径0.2mmの3番鍼を突き刺しました。ついでに、その下にある圧痛点2カ所にも刺しました。

「Bさん、どうですか?ちょっと立ってチェックしてみてください。」

「あれ?・・・・楽❣️」

ということです、治療は終了となりました。

「これから、お孫さんには、足裏を踏んでもらったり、肘から下の手首とか指をもんでもらうようにして下さいね。」

とお孫さん対策の助言をしたのでした。

追伸:その後5名に足裏鍼をすると、全員良くなったので、勝手に「足の腰痛点」と命名しました。

労宮(ろうきゅう)に刺す

50才代の男性患者Aさん、右肩甲骨の奥に痛みと腰痛があります。

山元式新頭鍼療法(YNSA)でしっかりと頭に置鍼をします。この置鍼でカラダ全体が緩んできましたが、肩甲骨の奥の痛みは消えません。

Aさんの右手をさわりながら、ソマトトープ(小さな人型)という色眼鏡で右手を改めて見てみました。肩甲骨は、人差し指と薬指の根元にある中手骨頭(ちゅうしゅこっとう)に当たります。その奥が痛いのですから・・・・労宮(ろうきゅう)❣️

山元先生が、振戦(しんせん)患者にパイオネックスを貼った個所が、労宮。

「ここ、痛いですか?」

「痛った~~~~!」

少々痛いのを我慢していただき、直接、鍼を刺しました。すると、打ったところに鋭い響きを感じました。抜いた後、その個所は緩んでいます。その周辺を探ると板状のスジがあり、そこが痛いそうです。

今度は、その板状のスジに刺します。すると、鈍いズドーンとくる響き。Aさんも同じ感覚が伝わったそうです。

「肩甲骨の痛みはどうですか?」

「あれ?ないです!」

残りは、腰痛。今の私の山元式新頭鍼療法(YNSA)の実力では、腰痛が残ります。

うつ伏せになっていただき、膝ウラの圧痛点に刺鍼をして腰痛を取り、終了としました。

成果が上がらない

70才代の女性患者Aさん。側湾症で左腰痛が慢性化しています。普段はコルセットで痛みの抑制をしています。

おおよそ3カ月治療をしていますが、成果が全く上がりません。

当初は会話が進まなく、成果も出ないのでギクシャクした感じでしたが、最近では、普通に会話が出来きるようになっています。

「今日は、いかがですか?」

「変わりありません。」

「腰は、相変わらず痛いですか?」

「はい。」

いつもの会話です。

「う〜ん・・・・・・・今日は、いつもと全く違う方法でやりましょう❗️

Aさんにベッドで仰向けになってもらいます。私は枕元に立ち、

「ここに立っているこの感じと・・・・・・今、足元に来ていますが、この感じ、どっちが感じいいですか?」

「枕元の方がいいです。」

ということで、私は枕元に立ちAさんの首筋の圧痛点2カ所を軽く指先で触れます。

「この状態で、ゆっくりして下さい。もしカラダの方で、何か変化があったら教えてください。例えば、軽く感じたり、重くなったり・・・眠くなったら、寝て頂いて結構です。」

私は、脱力状態でゆっくりと呼吸を整えるだけです。

「少し痛みが軽くなって来ました。」

しばらくして、

「痛みが上に上がって来ています。」

この時、Aさんの左胸部に膨隆(ぼうりゅう)を感じたので、その部位に指を軽く添えました。しばらくして、

「痛みが、無くなりました。」

「それでは、ゆっくりと起きてみて下さい。」

「背中に熱いビー玉があるように感じます。」

「・・・う〜ん、そうしたら、もう一度寝てもらいましょうか?」

再び、Aさんには寝ていただきます。しばらくして、

「熱いのが腰に移動してきました。」

「その熱さは、嫌な感じですか?」

「熱くて少し痛みはありますが、不快ではありません。」

というので、治療を終了しました。

1週間後にも予約を取っていただきました❗️

山元式新頭鍼療法セミナーレポート11

山元式新頭鍼療法セミナーレポート11

山元式新頭鍼療法セミナーの2日目、午後からの授業、最後は50年前の山元先生の手術映像でした。この映像があまりにも衝撃的だったので、メモを取る事も忘れ、映像にのめり込んでしまいました。

それでもレポート用紙1枚に、殴り書きのメモをかろうじて残したので、それを元にレポートしてみます。

約25分の映像。症例は4~5人、ドイツから帰国され山元医院を開業されて間もなくの手術室だと思います。

男性患者は、手術30~40分前に電気バリを腰から下に刺しての麻酔。そのため、上半身は目覚めています。男性は水を飲んだり、手術の様子を覗き見ようと、何度も起き上がろうとしますが、看護師さんに制止されます。

また、別の男性患者は、膝下をノコギリで切断されています。その患者さんも水をゴクゴクと勢いよく飲んでいます。

次のシーンは、お腹を切開され、プラスチック袋のような腸が出ている女性患者。イレウス(腸閉塞)の手術、綺麗に縫合され、手術終了後は、自室のベッドまで歩いて帰られます。

また、別の女性患者は、手術後、自室に歩いて帰り美味しそうにご飯を平らげています。

最後のシーンは、帝王切開。

山元先生は、ドイツでは産婦人科の医師だったため、帝王切開もされています。

帝王切開の映像を見るのは、初めて!

驚きました、お腹を真っ二つに切り出し、その中央部から、赤児が顔を出して来るんです。

「ハッハッハッハハハ・・・」

赤児の顔見て、山元先生はニコニコ顔。

50年も前にこんな前衛的(少々芸術的な表現で申し訳ありません)手術をされている山元先生が、今回のセミナーで、手術の是非について何回か質問を受けられました。

「悪いものを取ったらいいという訳ではないですね。」

「手術をすると良くない・・・ぼくは、そう思う・・・メスを入れないほうがいい・・・」

としみじみ語ってくださいました、手術映像とニコニコ顔が重なりあって私の心に響いてきました。セミナーレポートにお付き合いありがとうございました!

7月にも宮崎に向かいます。今度は、もう少し症例を増やすつもりです~~。

山元式新頭鍼療法セミナーレポート10

左腕が2年間上がらない60才くらいの女性患者Jさん。20年前、3回続けてギックリ腰をしたため、腰も痛いそうです。

山元先生は合谷診では、左腕が上がらないにも拘(かかわ)らず、右合谷を診ます。

おでこの生え際、正中線やや右のA点に3本置鍼。

すると、2年間上がらなかった左腕が上がりました。今度は、左耳の後ろに3本置鍼。

耳の周辺にはI ~ソマトトープ(小さな人型)が上肢、下肢、頚椎、胸椎、腰椎を全て逆さまにした状態でバラバラに存在しています。

山元先生が置鍼された耳の後ろには、腰椎があります。Jさんが問診で腰痛を訴えていたからかも知れません。あるいは、合谷診で腰痛と判断されたのか・・・

続いて、10番脳神経(迷走神経)の頭頂部に置鍼2本されました。

「どうですか?」

「痛みはありますが、肩は上がります❣️」

と、退室されるJさんでした。

2年間上がらなかった腕(肩)が3本の置鍼で上がるということは、驚きです。

そこには、一体何があったのでしょう?

今年2月に初めて山元先生のセミナーに参加し、本当のYNSAを体験しました。その時のリーダー格だったG先生が、よく質問をされていました。

その中の一つ、

「先生、この患者さんは腰痛ですよね。腰痛もA点で治すのは、なぜですか?」

「・・・・生き物だからね~~(A点あたりを指して)立体的に渦巻いているから・・・」

ほとんど禅問答。

とにかく、何もかもが初めての私には、ちんぷんかんぷん。

それから2ヶ月経ち、イメージしたのは、おでこのA点にソマトトープ(小さな人型)が存在していて奥深く渦巻いている様子でした。

山元先生が置鍼した3本は、Jさんのカラダがもっと必要としていた鍼だったので、結果、腕が上がったという事でしょうか?そうなると、〇〇痛、□□痛は参考であり、あくまで今の診断に対して治療をすればいいことなのでしょうか?

山元式新頭鍼療法セミナーレポート9

70才くらいの男性患者Iさん。興奮すると口びるが震え、手にも震えがきます。

合谷診で右A点(おでこの生え際、正中線よりやや右)に8本置鍼。

特に口びるの震えが激しいので、右眉毛の口腔治療点に1本置鍼。

それでも、振戦は治りません。

Iさんは、パーキンソン病ではなく、本態性振戦と思われます。

本態性振戦の原因は、不明。精神的に緊張すると症状が悪くなることなどから、興奮したときに働く交感神経が関係していると考えられます。

そこで、山元先生はIさんの右手を取り、手のひらの圧痛点を探します。

「ここ?」

「今、痛いです!」

圧痛点にパイオネックスを貼ります。

「どうですか?」

「あっ・・・震えを感じません!」

と、震える手で答えるIさん。

実際には、震えているのですが(多少震えが小さくなったかも知れません)、Iさん本人が、震えを感じないのですから、治療は終了。

「ハッハハハハハ」

「合谷のうしろで震えは止まる。」

合谷のうしろとは、どうも労宮穴(ろうきゅうけつ)を指すようです。

針灸経穴辞典(東洋学術出版社)によると、作用:清心、安神、涼血、和胃とあります。

鍼狂人・藤本蓮風先生も労宮穴をセンサーとして捉えて労宮穴で触診することを勧めておられます。

暗闇を歩く時は、労宮穴を突き出し気配を感じ取るわけですから、立派なセンサーです。

また、労宮穴は心包経ですから、震えとの関係も何となく納得できます。

実際、労宮穴に灸をしてみると、カラダが身震いするほどの反応があります。直刺だと相当効くでしょう(自分にはちょっと刺せません・・・鍼灸師なのに・・・)

レポートはもう2~3日続けようと思います。お付き合いありがとうございます

山元式新頭鍼療法セミナーレポート8

60才くらいの女性患者Hさん、去年の3月に脊柱管狭窄のため、手術をし入院1カ月。今は膝から下がしびれ、支えがないと立てない状態です。

山元先生は合谷診で、 右の合谷から、おでこの生え際、正中線よりやや右のA点に置鍼2本。

「どこが、しびれる?」

「足のウラ」

すると、先生はパイオネックスを、Hさんの手を取り母指球と合谷(手の甲で、親指と人差し指の間)の圧痛点にパイオネックスを6個貼りました。

「今度は、どう?」

「しびれてはいるけど、少し変わった・・・・先生、猫の肉球があるような感じ!」

「・・・・」

良く意味がわからない先生。

「ちょっと、立ってみて。」

支えがないとまだ立てないHさんです。頚椎に注射をして、

「これで、様子をみていきましょう。」

「・・・・・手術した後は、なかなか難しい・・・」

手術という大怪我の代償は、山元先生でも、とてつもなく大きいようです。

山元式新頭鍼療法セミナーレポート7

35年間、運送会社に勤務され、2年前から右下肢全体の痺(しび)れに悩んでおられる男性患者Gさん。推測ですが、長距離トラックの運転で、右下肢を使い続けた結果だと思います。

合谷診では、右にコリがあります。

Gさんのおでこ、正中線よりやや右の生え際のA点に置鍼6本。

「どうですか?」

「右脚の筋肉が柔らかくなってきて・・・・でも、膝にしびれが残ります・・・先生、正座が出来ないんです!」

と突然、両膝を床についてお尻がフクラハギに付かないアピールをするGさん。

「・・・・・・・・・・・・・・」

山元先生は、Gさんの右肘下横紋(曲池あたり)に置鍼1本。続いてパイオネックスをその周辺に2個。

「だいぶ、しびれが取れてきました。」

3個目のパイオネックスを、右合谷(親指と人差し指の間)に貼ります。

「今度は?」

「上に移動しました。」

すると山元先生は、GさんのおでこA点の上の方に1本置鍼。

「・・・・上のしびれがなくなって来ました・・・ただ、こわばりは、残っています。それと、膝の内側がマヒしている感はあります。」

「これですか?」

Gさんの右膝やや上の内側(血海あたり)のこわばりをピンポイントで押す山元先生。

「はい!そうです!」

「ちょっと、足出して・・・・」

投げ出されたGさんの内踝(うちくるぶし)を抑えながら、

「ここじゃなくて・・・ここですか?」

「あ~~はい!」

パイオネックスを内踝(うちくるぶし)の際(太渓あたり)に貼る山元先生。

「こわばりが柔らかくなって来ました。マヒの感覚もなくなり・・・・楽になりました。走れそうです❣️」

「ごくろうさんです。」

ニコニコ顔の山元先生でした。

山元式新頭鍼療法セミナーレポート6

トライアスロンをしているガッチリした体躯の男性患者Fさん。

朝起きた時は大丈夫なのですが、車の運転後、腰痛となり、冷え性も激しく電気ストーブがないと生活が出来ない程です。

山元先生は、Fさんの両手を取り、合谷診を始めます。

「先生、上に行けば行くほど痛いです。」

人差し指の根元から、手首にかけての第2中手骨の際上わずか1.5cmほどにソマトトープ(小さな人型)があり、①下肢②腰部③胸部④頚部⑤頭部(たぶん脳)に区分の合谷診。

「上に行けば行くほど痛い」ということは、④頚部⑤頭部(たぶん脳)あたりが痛いという事になります。

そこで山元先生は、④頚部基本点のA点(Fさんは右合谷に圧痛点があるため、正中線からやや右の生え際)に刺鍼。

この時、A点を見つける左親指の爪の当て方を、丁寧に教えてくださいました。

「間隔は、本当にせまいです。爪を立てた所ここと、下と、もっと下、どれ?」

立てた爪をローラーのように下にほんの少しまわし、Fさんに感覚を効き分けてもらいます。これを繰り返してA点に3本置鍼。

今度は、肘下横紋(肘の内側のスジ)の外側(曲池というツボ)を腕診。

Fさんは痛みを感じませんでした。ここは、腕診では頚部にあたる所です。頚部の痛みが無くなったかどうかの確認だったのでしょう。

再び先生は合谷診をされます。そして、今度は外踝(そとくるぶし)の下、外果治療点(マレリウス)にパイオネックスを2個貼ります。

次に、右耳の後ろのソマトトープ(腰椎に当たります)に置鍼をしていきます。1本刺すごとに腰の状態を確認します。

4本目、

「あっ、効いていますが、まだ痛いです。」

5本目、

「効いた!」

「もう一本、やりますか?」(山元先生)

「はい!」

「ハッハハハ・・・・」

「だいぶ、違います!」

最後に仙骨注射をするため、治療室にスタスタと歩くFさんでした❣️