あきらめなければ、痛みも、麻痺も必ず治る!抜粋18

YNSA創始者・山元敏勝先生の著書から抜粋しました。私は30才代のころ精神科の病院で、芸術療法家として、40才代には看護助手として働いたことがあります。独房、閉鎖病棟、開放病棟を見てきました。どんな良い病院でも、薬治療がメインとなっています。この抜粋文を読むと、精神科医病棟で針治療ができたら・・・・なんて、思ってしまいますよ!

『 5年間悩んでいた「うつ病」の、つらい症状が改善し、抗うつ剤の量を減らすことができた

うつ病 男性 38歳 会社員

この患者さんは、長い間苦しまれていた「うつ病」の治療のためにみえました。

会社勤めをされている方でしたが、仕事でのストレスが大きな負担になっていたようでした。

他の病院で「うつ病」と診断されたのは5年ほど前で、それからずっと抗うつ剤の服用を続けておられるとのことでした。

しかし、患者さんご本人は、「薬には副作用があって体にはよくないと思うので、抗うつ剤を飲むのをやめたい」という意志を持っておられました。しかし、薬の薬用を止めると、つらい症状が起こると言う恐怖心から、やめたいけれどやめられないという状況でした。

首診を行うと、内臓に関わる点と脳幹に関わる点に反応がみられました。この2つの点は「うつ病」の患者さんに見られる特有の点であり、この反応からも明らかに「うつ病」であると診断できました。

この2つの点に針を刺し、「気分はどうですか?」と尋ねると、「とても気持ちがいいです。なんかすっきりしている感じがします」と言われ、表情も一変しました。

YNSAでのうつ病の治療では、このように、すぐに心地よい感覚をもたれることが多くみられます。しかし、ある程度続けないと、すぐにぶり返すこともあるため、この患者さんは現在も2週間に一回、治療を続けています。患者さんがとても気にされていた抗うつ剤は飲まないでいられることが多くなり、どうしても飲まないとならない場合でも、半分の量にまで減らすことができています。

「うつ病」の治療は、患者さんの気分がよくなることがすべてであり、薬の服用が必要な場合であっても、それ自体を否定するのではなく、量を少しずつでも減らし最小限にとどめることも大きな効果といえます。』

胸鎖乳突筋(胸骨と鎖骨から後頭部にある乳様突起にかけて斜めに走る筋肉)の中央部に肝経(肝臓のツボの流れ)の診断点があります。うつ病の方は、この首の中央部が硬いのだと思います。2つの診断点のうちのもう一つの診断点を山元敏勝先生は、脳幹点とおっしゃっています。これは、僧帽筋と胸鎖乳突筋の中間の圧痛点だと思います。

うつっぽい時は、首中央部と鎖骨の奥が硬いようです。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も必ず治る!抜粋17

YNSA創始者・山元敏勝先生の著書からの抜粋です。生命力の素晴らしさを教えていただける症例です。

『脳梗塞によって6年間続いていた両手両足の麻痺が8ヶ月の治療によって、自分で食事ができるまでに改善した

脳梗塞による全身麻痺(女性 30代 主婦)

この患者さんはドイツ人の女性で、6年前に発症した脳梗塞による後遺症で、手足に麻痺がありました。梗塞を起こした脳の場所が、脳幹と言う生命維持に重要な部分だったため、発症後は数週間昏睡状態が続いていたそうです。麻痺は両手両足に及び、呼吸も表面的な浅い呼吸で、深呼吸はもちろん、ろうそくの火を消すこともできない状態でした。

この女性は私がYNSAの講演でドイツに行ったときに、ある病院に入院されていました。そしてドクターから「6年間リハビリを行ってきたが、何にも変化がないので診て欲しい」と頼まれたのが、この患者さんとの出会いのきっかけでした。

頭部に針を刺し治療を行うと、その直後に手足がわずかに動くと言うことが起こりました。そして、私の滞在中に、麻痺した手足に大きな動きが見られるようになったことから、ご本人とご家族の強い希望で日本に来られ、日南の私の病院に入院をして治療を続けることになったのです。私も毎日、休まず治療を続けました。

日を追うごとに順調な回復をみせ、3週間後には左手にいくらか力が入るようになってきました。その力は日々強くなり、2ヶ月後にはペンをにぎり、形になりませんでしたが文字を書くことができるようになりました。8ヶ月後には、自分で体を支えながら座ることもできるようになり、左手を使って自分で食事もできるまでに大きく改善しました。表情にも笑顔がうかぶようになり、書く文字もはっきりと読み取れるようになりました。

そして、10ヵ月後には、両足に補助装具をつけ、つかまりながらであれば1人で立つこともできるようになったのです。左手で書いているため、やや不自由そうな文字ではありましたが、通常とほとんど変わらない8行の長い文章で書いてくれた言葉には、全く動かなかった体が動くようになった喜びと、ドイツで待っている子供たちに会いたいのでクリスマスには帰りたいが、日本に戻ってまた治療を続けたいと書かれていました。

ここまで大きな改善が見られた患者さんですが、脳のMRI画像は、入院当初の画像と全く変化は見られませんでした。このことから障害の起こった脳の部分が改善されたわけではなく、その他の部分で改善をもたらす力が働いたことがわかります。

まったく体が動かなかった6年もの間、ご本人にとってもご家族にとっても、大変につらく苦しかったことでしょう。脳幹に起こった梗塞による重度の麻痺であっても、ここまで回復をもたらすことができた事は、私にとっても貴重な体験といえます。』

山元先生が、さらりと書いておられますが、もの凄い症例です。脳の状態が表面の頭皮に現れていることがよくわかります。頭皮に触れることは、脳に触れること・・・・そんな思いで治療をしたいです。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も必ず治る!抜粋16

YNSA創始者・山元敏勝先生の著書からの抜粋です。丁寧に読んでいると私が治療で見逃していたことが、分かってきました。先生の文章はひらがなが多く、読みやすいので見落としてしまうヒントが隠れています。

『首の骨がズレ、神経を圧迫。強い痛みで上がらなくなったってが、2日で上がるようになった

頸椎狭窄 女性 59歳 主婦

この患者さんは、左腕に強い痛みがあり、左手がほとんど上に上がらない状態で来院をされました。痛みは、仰向けに寝ることもできないほど強いものだったため、MRIの検査ができませんでした。そこで立ったままレントゲンで検査を行うと、首の骨である頸椎の4番目と5番目に狭窄が見られ、明らかに神経が圧迫されているのが確認できました。

日南からは少し離れたところに住んでおられ、1ヵ月間、他の病院の整形外科で診てもらっていたそうですが、改善がみられないということで、私のところにみえました。

頭部と首の診察によってYNSAの点の反応をみると、頸椎につながる点と、4つの内臓に関わる点に変化がみられました。

人間の体は、一つひとつの臓器や器官が単独で働いているわけではなく、それぞれが関係をしあいながら機能をしています。そのため、腕が上がらないなどのように、一見内臓とは関係のないように感じる症状でも、内臓とつながる点に反応がでることが多くあります。

反応のみられた5つの点に針を刺すと、痛みは少しやわらぎ、まったく上げられなかった左腕は、胸のやや下あたりまで上げられるまでに改善をしました。通常であれば完全に改善をするまで、頭部に新たな点の変化を見つけ治療を続けます。

しかし、この患者さんは痛みでだいぶまいっておられたので、無理をさせず「明日もう一回治療をしましょう」と伝え、この日の治療を終わらせました。

ところが、翌日、この患者さんは、とても嬉しそうな顔をしながら診察室に入って来られました。「調子はどうですか」と聞くと、笑いながら両腕を思いっきり上に上げて見せてくれたのです。

1ヵ月も苦しんだ、仰向けに寝られないほどの痛みも改善されていました。YNSAの針の効果は、このように、針を抜いてから、徐々に効いてくるということも多くあります。』

『人間の体は、一つひとつの臓器や器官が単独で働いているわけではなく、それぞれが関係をしあいながら機能をしています。そのため、腕が上がらないなどのように、一見内臓とは関係のないように感じる症状でも、内臓とつながる点に反応がでることが多くあります。』

このことを、鍼灸師である私は、しっかりした自覚していなかったように思います。例えば、膀胱点に置鍼する時、鍼灸師にもかかわらず、膀胱経(膀胱に関係するツボの流れ)という流れを意識せず、膀胱点のみを意識していました。

それで、今日の患者さん(50才代女性患者Aさん)にツボの流れを説明しながら、

「Aさんの張りがあるふくらはぎ・・・これは、膀胱に関係するツボが流れているんです。今から、膀胱の点に、刺しますね・・・・・・今、どうです?」

「・・・今、どうもない・・・張ってない。」

「でしょ?」

次回からは、この説明を加えるようにします。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋15

YNSA創始者・山元敏勝先生の著書あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!というタイトルの意味がよく分かる症例です。

『ウィルス感染によって、両手両足が麻痺した1年生の女の子が、今は歯科衛生士として活躍

ウィルス感染による麻痺          女性 当時6歳 小学校1年生

この女性は、今鹿児島県で、歯科衛生士として頑張っています。

この女性がお母さんと一緒に鹿児島から私の病院に来たのは、小学校1年生の時でした。両手、両足に重度の麻痺があり、まったく立つこともできず、学校も休学していました。

現在では、ウィルスの感染であったことがわかっていますが、その当時は原因もわからず、鹿児島の病院などをまわり、副腎皮質ホルモンの治療を受けていたとのことでした。そのため顔は、薬の副作用で起こる「ムーンフェイス」と言う状態で、ぱんぱんに腫れあがっていました。

私の病院のことを鹿児島で人づてに聞き、たずねてこられたのですが、とても重い麻痺であったため鹿児島からの通院では治療が難しく、入院をして治療を行うことになりました。お母さん、妹さんも、一緒に病室で寝泊まりをされました。

この女の子の場合には、YNSAの治療を行っても2か月間全く反応がありませんでした。

しかし、3ヶ月後から突然反応が出始めたのです。歩行ができるようになり、手も動かせるようになり、10ヵ月後には、病院を走り回れるようになりました。通常と何も変わらない状態まで回復し、いまもまったく障害は残っていません。

現在は鹿児島で歯科衛生士になって、毎日がんばっているそうです。歯科衛生士の仕事は1日立ったままで、また手先を使うとても細かい仕事です。

入院中は学校に行けず、長い期間休学したことから、勉強も友達関係も、きっと大変な苦労があったはずです。重い麻痺を克服し、学業の苦労も乗り越え、そして自分の望む仕事につき、その日々がんばっている様子を聞けることは医者を続けてきてよかったと思える時でもあります。』

2か月もの間まったく反応がなければ、あきらめそうになりますが、山元先生は、治る確信を持って治療されました。私もやります。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋14

台湾の本屋では、健康部門ベスト1となっている、YNSA創始者・山元敏勝先生の著書からの抜粋です。

『 脳梗塞を発症して2日後、左半身麻痺で来院

1ヵ月後には歩き、3ヶ月後には走れるように

脳梗塞による半身麻痺(男性60代)

この患者さんは、脳梗塞を発症した2日後に来院されました。

ベッドに横になった状態で、「手を挙げてごらん」「足を上げてごらん」の言葉がけに、右手に、右足は自然に動かすことができましたが、左半身に麻痺が出ており、左手と左足はまったく動かない状態でした。そのため入院して治療を行うことになりました。

初日の治療で頭部の生え際にある2つの点に針を刺すと、左手の指をやや開き閉じるなど少しの動きが見られました。しかし左足は反応がないままでした。

しかし毎日治療を続けると、まったく動かなかった左足にも少しずつ動きが見られるようになり、左手の動きも大きくなってきました。

そして来院からちょうど2週間経った日、足の力がだいぶ強くなってきたことから、付き添いの方と看護師の2人が両脇を支える形で病院の廊下に立ってもらい、歩行をうながしました。すると、ゆっくりゆっくりではありますが、5メートルほどの距離を往復できるまでに大きな改善が見られました。その時の顔は、少し照れたように笑っておられましたが、付き添いの方と看護師さんは大変に喜んでいました。

また、この頃には左手をグーパーグーパーと開いたり閉じたりもできるようになりました。伸ばした左手は肩の高さまで、左足も座った状態で高く上げられるようになりました。

そして19日後、ベッドに座り、子供の上履きのような形の靴を、自分でゴムの部分を伸ばしながら履くことができるようになりました。手にも力が入り、足の曲げ伸ばしもできるようになったのです。また足を大きく上げがちではありましたが、1人で歩けるようになり、両手で手すりをつかみながら、階段の上り下りもできるようになりました。その階段を上る速さはとても驚くような速さでした。

そして、退院となった1ヵ月後には、全く通常と変わらずに歩くことができるようになり、さらに3ヶ月後には、思いっきり走る姿も見せてくれました。

脳梗塞を発症し、麻痺が起きてから普通が2日後と言う早い段階で、治療を行えたことが効果を高めたといえます。』

この記録映像を宮崎のセミナーで見たときは、本当に驚きました。とにかく、患者さんが全く普通にすごいスピードで走っていたのです。

確か、この映像を1973年大阪で行われた学会で発表されたように記憶しています。その翌年の1974年に、スリランカやハンガリーの学会でもこの映像を発表され、大反響を呼び多くの国々の医療に取り入れられたのでした。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!

 

『4年間苦しんでいた原因不明の頭痛がなくなり、不安による不眠もなくなった

頭痛・めまい(女性 40代 主婦)

この方は、原因不明の頭痛に4年もの長い間、悩んでおられた患者さんです。

わんわんするような頭痛をいつも抱えている状態で、時にはめまいが起きることもあったそうです。

日南からはだいぶ離れたところに住んでおられ、近くの脳外科などの病院で診てもらっていたそうですが、どのような検査をしても問題はないと言われ、原因がわからない状況でおられました。他の総合病院で診てもらっても、やはり原因はわからなかったそうです。

知人の方から私の病院のことを聞き、たずねてこられました。

長い間つらい思いをされ、その原因がわからないことからの不安もあったのでしょう、私のところにこられた時には、眠れない日も続いていました。

YNSAの首診を行うと、大脳と小脳の点に反応がみられました。小脳は、体の平衡感覚を保つ働きをしているため、めまいも起きているのは明らかでした。

そこで、頭の1番上の部分、頭頂部にある大脳の点と小脳の点に針をさしました。

30分ほどしてから針を抜き、「痛みはどうですか?」とたずねると、「あっ、すごくすっきりしています」「なにか、すーっと痛みが引いていった感じがします」と、肩の力がぬけたように、とてもほっとされたような表情をされました。

このような頭痛の場合は、1回の治療で何もなかったかのように改善が見られますが、1週間くらいすると、また痛みが出てくることが多くあります。

この患者さんの場合も、しばらくすると、また痛みが出てこられたため、1週間に1回の治療を続けました。

ちょうど、7回目の治療くらいのあと、長い期間たっても、痛みはでてこない状態になり、8回目で治療を完了しました。

治療を受けると痛みがとれるという安心があったようで、1回目の治療のあとからは、ぐっすり寝られるようになったそうです。』

山元敏勝先生は、8回の治療で完了されましたが、私は3年間頭痛に悩んでおられる患者さんを、1年間治療し続けて、まだ完治までいたっていません。この差をしっかりと自覚し、努力しましょう❣️

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋12

山元敏勝先生がYNSAで治療された実例をご紹介します。

『突然口が開かなくなり来院、1階の治療で完全に改善し、食事も出来るようになった女性15歳中学生顎関節症

この患者さんは、日南に住む中学生の女の子でした。突然口が開かなくなり、その日のうち、すぐに来院されました。ショートカットの快活そうな女の子でしたが、急に口が開かなくなったことへのショックと不安から、とても元気がなく心配そうな顔をしていました。

口はわずかに指が1本入るくらいにしか開けることができず、「口を動かしてごらんというと」耳の付け根あたりにカクカクするという違和感と顎の痛みを訴えました。

なんとか会話はできるものの、ままならない状態で、もちろん、何かを食べるということもまったくできる状態ではありません。

私の西洋医学としての診断は、顎の関節に障害の起きる「顎関節症」でした。YNSAの首診を行うと、脳神経に関係する4つの点に明らかな反応がみられました。「顎関節症」が起こる原因は人によってさまざまですが、顎の関節の動きは脳神経がコントロールをしているため、この女の子の場合には、この4つの脳神経になんらかのトラブルが起きていたと考えられました。

そこで頭部にあるこの4つの脳神経とつながる点に針を刺し治療を行いました。初めての針治療だったため、針にも不安な様子が見られましたが、ほとんど針の痛みは感じなかったようです。針を刺した後、「口を開いてごらん」と言うと、これ以上開かないと思うほど大きな口を開きました。これには自分でも驚いたようで、びっくりしたような顔をしましたが、次の瞬間、ついさっきまでの暗い不安そうな顔をふきとばすように、中学生ならではの元気いっぱいの笑顔で大喜びをしました。

この1階の治療で、耳の付け根にあった違和感も痛みも消失し、会話はもちろん、食事もまったく問題ない状態まで改善しました。

顎関節症は習慣性があるため、人によっては繰り返すことがありますが、この女の子の場合は、それ以降も順調であったようです。』

顎関節が4つの脳神経をねらい、1回の治療で完治とは、驚きであり、非常に参考となります。多くの神経は、脳から中枢神経を通り末梢神経へと広がっていますが、12本の脳神経は、脳から直接、末梢神経(嗅神経、視神経・・・舌下神経)が広がっています。この12の脳神経のうち、顎と関係あるのは・・・・推測ですが、5番三叉神経、7番顔面神経、9番舌咽神経、12番舌下神経ではないか・・・・・と。

これらの神経の治療点は、オデコの生え際中央部から頭頂部にかけて1~12番と並んでいます。

いい勉強になりました。

あきらめなければなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る抜粋11

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋11

『同時に、さまざまな効果を生むYNSA 

私のところには、椎間板ヘルニアや圧迫骨折などの強い痛みでみえる患者さんも多くおられます。針を刺した直後に、痛みがピタッとおさまり、歩いて帰られるということも少なくありません。1回の治療でおさまってしまうこともあります。

YNSAは、飛び出した軟骨をもとにもどしたり、骨を補強する手術のように、その場で根本をなおすものではありません。

また、針には、痛みを止める働きがありますが、単に痛みを止めるだけであれば、ある一定の時間が過ぎると、また痛みは現れてしまいます。

しかし、その後も痛みがおさまり、回復するのはなぜか。

それは、YNSAの針には、同時にさまざまな効果を生む働きがあるからです。

痛みは、血流が悪くなることによっても起こります。痛みが起こると筋肉はさらに緊張することで硬くなり、さらに血流が悪くなると言う悪循環が起こるのです。

YNSAの点への針の刺激は、痛みを止めている間に、硬くなった筋肉を緩めることによって血流をよくし、この痛みの悪循環を断ち切ります。

また、痛みを起こしたり、痛みを記憶したりする脳の機能に働きかけていることもあります。

さらには免疫力や自己治癒力の力を高めて、椎間板や骨そのものまたその周りの筋肉などに、大きく働きかけていることも考えられます。

YNSA は、症状にかかわるさまざまな臓器の機能を高めて、体が持つ改善の力を大きくサポートしているのです。』

YNSAの首診では、内臓の診断をします。例えば、肩と首の境目(僧帽筋の首側)に大腸点があります。この点に圧痛があれば、側頭部の大腸治療点にも圧痛があります。この側頭部に置鍼をすると、肩と首の境目が、一気に柔らかくなり圧痛点がなくなります。

この時、肩周辺の血流がよくなり、周辺の筋肉がほぐれます。患者さんには、置鍼したまま30分以上休んでいただきます。この時、脳や大腸などの臓器の機能を高めているのだと思います。この治療を継続することで、免疫力や自己治癒力を高めていくのでしょう。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋10

 

 

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!からの抜粋10

神経の説明を、山元敏勝先生がされています。

『YNSAは、中枢神経や脳の器官に大きくあたり働きかける

では、針の刺激は、どうやって脳に伝わるのでしょうか。

目で見たもの、耳で聞いた音、鼻で嗅いだにおい、手や足で感じたものなど、人間の体が感じた情報は、すべて脳に伝えられます。

そして、人間の体は、すべて脳からの命令で動いています。

体には、その情報や脳からの命令を運ぶ道がたくさん通っています。それが神経です。

テレビなどで手術の様子を見たことがあるかと思います。そのとき、傷つけないように注意深く白い繊維をよけているところを見たことがあるのではないでしょうか。この白い繊維が神経です。

神経は、脳のさまざまな領域から出ていって、束になって脳の付近である脳幹を通り、背骨の中へとつながっていきます。

この背骨の中の神経の束は、「脊髄(せきずい)」と呼ばれています。

脳幹を通る神経の束と脊髄はあわせて「中枢神経(ちゅうすうしんけい)」と呼ばれ、神経の中で最も重要な働きをします。

そして、この中枢神経は、背骨の隙間から、「末梢神経(まっしょうしんけい)」という細かい神経に分かれ、体中にはりめぐらされているのです。

この細かい末梢神経には、脳から直接出ているものもあります。目と情報や命令のやりとりをする「視神経(ししんけい)」、鼻と情報や命令のやり取りをする「嗅神経(きゅうしんけい)」などです。このような脳から直接出ている末梢神経は脳神経と呼ばれています。

YNSAの針の刺激も、神経をとって脳に伝わります。

YNSAの点に刺した針の刺激は、神経の中でも最も重要な中枢神経に大きく働きかけます。

また、さまざまな働きを持つ脳の器官にも作用します。あわせて内臓をコントロールする自律神経や、感覚や筋肉の働きをコントロールする脳神経などにも強く働きかけます。

原因のある部位とつながるYNSAの点から情報を受け取った脳が、「治療すべき確かな場所」に、「治療に必要な確かな命令」を送っているといえます。』

頭に針を刺すと、末梢神経から中枢神経、脳に刺激が伝わり脳がさまざま判断をくだすのだと思います。その現象を山元敏勝先生がいち早く理解され、その法則を発見されたのだと思います。

あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋9

科学が証明した、針の6つの効果の残り3つ

 『4)硬くなった筋肉を緩め、血液の流れをスムーズにする

針は、硬くなった筋肉をほぐし、血液の流れを良くします。

針を刺すと、筋肉の中の血管が広がり、筋肉の中に血液が多く取り込まれます。すると、血液の中にある酸素やさまざまな成分によって、痛みや緊張で硬くなっていた筋肉が緩み柔らかくなるのです。筋肉が柔らかくなることによって、さらに血液の流れが良くなる効果も生まれます。

5)体を守る免疫力を高める

針には、外敵から体を守る力を高める働きもあります。

体には、細胞やウィルスなどの敵が体内に入ってくると、それを体の外に出したり、死滅させたりする、「免疫」と言う働きがあります。

ひと言で免疫といってもその働きは実にエキサイティングで、まるでハリウッドで作られるSF映画の戦闘シーンのような戦いが、体の中で毎日繰り広げられているのです。

血液中の白血球という成分が、体に入ってきた敵と戦うことはよく知られています。その白血球が持つ免疫細胞には多くの種類があり、体を守ってくれるその細胞たちの名前も、まさに映画の登場人物のようです。

全身の組織に存在して、出会った敵を次々と食べていく大食細胞の「マクロファージ」。このマクロファージは、体に入ったウィルスやカビ、がん細胞も食べてしまいます。

そして、敵を見つけると攻撃して破壊する「ナチュラルキラー」。この細胞は、がん細胞が大きくならないうちに破壊したり、ウィルスや細胞に感染してしまった体内の細胞も破壊していきます。「マクロファージ」は敵の細胞を食べるとその敵と同じ仲間に目印をつけると言う技も持っています。司令官の役割を持つ「ヘルパーT」がその目印を見つけ部下である「キラーT」に出動命令を出して、敵を攻撃させる。体内ではこのような連携プレーまで行われています。

体の中にはまだまだたくさんの免疫細胞による働きがあり、体をつねに外敵から守っているのです。

しかし体が熱く疲れたり、ストレスを受けると、この免疫力は下がり、病気にかかりやすい状態になってしまいます。針の刺激にはこの免疫力免疫の力を高める働きがあるのです。

6)自己治癒力を高める

針は、人間がもともと持っている、病気を治す力を高めます。

人間の体には「自己治癒力」と言う働きがあります。文字の通り、人間は、自分で自分の体を治療して、治す力を持っているのです。いまお話した敵と戦って体を守る免疫も、この自己治癒力のひとつです。

体は切ったり転んだりして傷ができても、もとの状態にもどります。傷によって細胞が壊れても、細胞が再生して元の状態に戻るのです。また、風邪をひいたときでも暖かくして寝ていれば、薬などを飲まなくても治ってしまいます。

骨が折れても、周りを固定して動かないようにすることで、骨の折れた部分はつながり、元の状態に近い形に回復します。

トカゲが敵から逃げるために自分で尻尾を切っても、もとの状態にもどることはよく知られています。

実は、人間の内臓にも、そのような働きがあるのです。人間の肝臓は、切除しても元の形にも再生します。仮に肝臓全体全体の80%を切除してしまっても、数ヶ月後には元の形にもどるのです。

人間の体には、このように、かかってしまった病気や傷を自分自身で治す働きがあります。

針にはこの自己治癒力を高める働きがあるのです。

このように針が持つ効果についてお話しすると、人間の体にはいかに人間自分の体を守り、元気を保つための働きがあるのかが、おわかりいただけると思います。

針には、この人間がもともと持っている力を引き出し、強める働きがあるのです。』

このように、針には人間の持つ潜在能力を引き出してくれるのです。そして、最近つくづく思うのは治療というのは、患者さんとの共同作業であるということです。患者さんの体の声を2人で聞いて、確認することが最も大切なことだと思います。

明日は、神経について説明します。