百聞は一見、一触にしかず

山元先生との出会いの後、治療に変化は・・・・あります!

まず、ツボの見つけ方が、指の腹部分から、爪さきに比重をおくようになりました。それに伴い、狭い範囲に宝物が潜んでいるのでは・・・・という、ワクワク感が増してきました。

山元先生が頭以外で、足首の外側を丁寧に診ておられた様子が鮮明に記憶にあるため、自然と患者さんの足首が、頭の側頭部のように見えます。

実際、丁寧に診ていくと、ゴロゴロツボが出てきます。ツボの流れを知っているため、見落としていた名の無いツボが、いかに多いことか!既成概念にとらわれている自分に気づきます。

それから一番変わったことは、山元先生の治療姿勢のイメージが施術中にも浮かんでくるため、ある時は、山元先生に診ていただいている感覚。ある時は、山元先生になった感覚で施術を行えます。

これは、本当に大きな財産です。百聞は一見、一触にしかず❣️

90才の神業

山元敏勝先生の神業を目の当たりにしてから、中途半端な頭鍼をする気が無くなりました。

当分の間、頭以外の鍼で治療します(ただ、患者さんからのリクエストがあれば、行います)

山元先生の鍼の多くは、頭に刺しますが、たまに、足首外側(崑崙=こんろんというツボの周辺)に丁寧な鍼を刺しておられました。先生の頭の中には、足首も小さな人形(ひとがた)が見えているのだと思います。

患者さんから聞き出した痛点、響きから導き出した理論は、Somatotope (ソマトトープ)という聞きなれない言葉が、キーワードになっています。

私は、これを小さな人形(ひとがた)だと、解釈しています。たった1つの受精卵が分割して人が生まれます。そこには部分と全体が写し出されており、カラダの一部分にも、小さな人形(ひとがた)をした全体像が数多く存在していると考えます。

山元先生の理論では、この小さな人形(ひとがた)には陰と陽が対(つい)で存在しています。

西洋医学と東洋医学の見事な融合です。

もう一つ、山元先生の治療で、膝の痛みを肘で取ることもありました。これは、東洋医学的発想。先生は自由に時空を飛び回り超越した視点で、治療されています。

これは、治療された患者のべ人数150万人という体験がなせる技です。そして、最も凄いことは、90才を迎える先生の理論が現在も、進化し続けていることです。あの葛飾北斎が90才で描いた肉筆画の大波の方が、富嶽三十六景の大波よりも進化していたように・・・・

美容鍼の前に操体法❣️

「今日は、美容鍼をお願いします。」

突然の依頼に、心の準備がないまま・・・いやいや、大丈夫。

実は、私の美容鍼の師匠は、堀口三恵子先生という美容鍼を牽引している方です。

堀口先生は、

「カラダの歪みを取るのが先決。その後に、美容鍼をする様に‼️」

いう授業を必ずされます。そして、

「カラダの歪みを取るのは、操体法が一番です‼️」

そのため授業の半分以上は、操体法です。先生の操体法を見ながら、

『あ~~あ、これなら、オレの方が上手いワイ❣️』と思いながら、少しニヤッとしている生徒でした。嫌な生徒ですよね~~

そんな訳で、私が行う美容鍼は、操体法でカラダの歪みを取り、上半身のリンパをスムーズに流す押圧を行い、顔面の血流を促すために親指と人差し指の間の合谷(ごうこく)に鍼を刺し置きます。

そして、血流が上半身に偏らないよう、下半身の重要なツボ(要穴)に鍼を刺し置きします。

やっと、顔面の刺鍼となりますが、私は、5cm程の鍼2本を中指と人差し指で押さえて、顔面の血流を良く散鍼(さんしん)を10~15分くらい行います。

その後、百会(ひゃくえ)という頭の天辺に向かって皮膚を上げながら鍼を刺していきます。

鍼は髪毛より細い0.12mmで3cmの長さ。15~20分刺したまま音楽を聴きながらゆっくりしてもらいます。

目がスッキリして気持ちいいですよ~~

日本の鍼(はり)があまり痛くない3つの理由❣️

多くの人は、「鍼(はり)」といえば小学校の予防注射鍼(直径0.55~0.4mm)を想像し、いい印象はありません。大人になって血液検査を受ける採血注射鍼(直径0.8~0.4mm)にしても気持ちの良いものではありません。

皮膚に刺入した時の「チクッ」とした痛みが「鍼原体験」としてカラダにも心にも染み付いると思います。注射前日に眠れない恐怖を覚えた小学生(特に男の子)などは、大人になればなるほど、恐怖感が鮮明に蘇(よみがえ)ると思います。

また、鍼の発祥地中国は、直径が0.22~0.45mmの鍼が一般的です。ということは、注射鍼と同じ直径の鍼も使用している事になります。また、鍼先を直接皮膚に押し付けて刺入するため、痛みを伴います。私の想像では、一般の方がイメージする鍼が、この中国鍼ではないかと思います。

ところが、日本の鍼は患者さんに優しいのです。理由は3つあります。

①鍼の直径が中国鍼の半分以下。

現在、私が使用している鍼は、美容鍼直径0.12~0.14mm(これは、髪の毛の太さです)。治療鍼直径0.16~0.25mm。お相撲さんのようにガタイのしっかりした患者さんには、0.3mmを使う時もあります。以上のように直径が小さい上に、最新技術により先端に丸みを作って痛み軽減の努力をしています。

②鍼を鍼より5mm程短い管(くだ)に入れ、管(くだ)から出た鍼の柄(え)を軽く指さきで叩(たた)き皮膚に刺入。

この方法は、日本独自の技です。多くの鍼灸師は、使い捨てのプラスチック管とステンレス鍼を使用しています。このプラスチック管がポイント。

内径が3mmのプラスチック管に鍼を入れると皮膚には、角を丸く加工したプラスチック管とその中央部に鍼先が触れています。患者さんには、プラスチックの円形押圧の感覚だけが伝わっています。その瞬間、鍼を軽く叩(たた)いて皮膚に刺入すると、脳は痛みを感じない場合が多いのです。

 理由は、触圧を感じる受容器からは、太い神経(高速道路の感じ)を経由して脳まで伝達するシステムがあり、痛覚の受容器からは、細い神経(一般道路の感じ)を経由するシステムがあるため、脳は早く到達する触圧だけを感じる場合が多いのです。

もう少し、具体的にいうと、ほっぺを叩(たたか)れると、思わず手をほっぺに持っていきます。これで痛みの個所を触圧し、太い神経の高速道路経由の感覚を脳に伝え、痛みを和(やわ)らげます。このシステムを、鍼の刺入時に使っているのです。

③日本独自の押手(おしで)技法。

鍼灸師がツボを探す時は、左の人差し指をセンサーにして、手のひら全体を患者さんの皮膚に軽く添(そ)えます。これを押手(おしで)といいます。ツボに鍼を刺すまで柔らかい左手のひらが皮膚に触れているため、それだけで、患者さんは気持ちいいのです。そこへ、ド ンピシャの鍼が入るとカラダはゆるむのです。

最近、日本でやっと「東洋医学って実はすごい」などとテレビ言い始めました。

チョット悲しいです。

これには、鍼灸師である我々にも非があると思います。ですから、もっと普通に当たり前に発信しようと思います。

日本の鍼灸および漢方は、仏教伝来と共に日本に浸透し独自の展開をしています。これらの貴重な研究資料を中国は逆輸入していたのです。

実は、中国の鍼灸の歴史は、1822年清の時代から衰退し、1925年、中華民国では中国医学の禁止令がでました。貴重な資料や研究は日本に数多くあり、私の母校である東京医療専門学校(呉竹学園)を1934~35年に視察した承淡庵(1899 - 1957)は、帰国後すぐに中国鍼灸医学専門学校を設立し、その門下が、1956年から各地に設立された中医学院で教鞭をとったという驚くべき事実があります。つまり現在の中国鍼灸の歴史は新しいのです。

もう少し、日本の鍼灸に興味を持って頂きたいものです。

    

鍼が怖い・・・

鍼がこわい、という70才女性Bさん。

右骨盤の上に頑固なコリがあります。

クスノキの瘤(こぶ)に興味をお持ちなので、瘤の上に足ウラをおいてもらい、膝下には、クッションを置いてユックリしてもらいます。

腹診をしてみると、全体的にコリ。

こんなとき、鍼で対応したいのですが、Bさんには無理です。

冷えた足が気になるので、お灸をする事にしました。

ところが、なかなか温まりません。

鍼もお灸もダメ。

こういう時は、皮膚に軽く触れる療法が効く時があります。

ふくらはぎと、太ももの圧痛点に軽く中指を添えるだけの操法。

これは、17年前、三浦寛先生に弟子入りしていた時の手技です。

Bさん、気持ち良さそうにウトウト。

15分くらい経ったころ、圧痛点に触れると、あまり痛くありません。

お腹の張りが無くなり、右骨盤の上を触ってみると、緩んでいます。

「欲張ったら、良くないので、これくらいにしておきましょう‼️」

鍼灸が苦手な人には、良いようです。

鍼が効いてるとき・・・

鍼で「響き」という現象があります。これを「得気(とっき)」ということもあります。鍼を刺して、しばらく鍼を深く進めていると、患者さんの筋肉が、ピクッと反応する事を言います。

この現象後、からだは緩みます。

患者さんは、電気が走ったような感覚、刺したところから離れたところに響くなどと、おっしゃいます。

「響き」は筋肉が動くので私も分かります。

ところが最近、

 『あっ、これ鍼が効いてるな~~』

というのが、分かるようになりました。先日の患者さんとのやりとりです。

「今、効いてるでしょう~⁉️」

「うん、効いてる。でも、先生何で分かるん?」

「あんね~、眠くなるのよ~~」

「へ~そうなんだ‼️」

そうなんです、眠気が鍼先から指を伝わってカラダに入ってくるような感覚になる時は、決まって効いています。

これを気の流れと言うのでしょうか?よく分かりませんが面白い現象です。

めぼ その後

めぼ その後

 昨日、おでこに円皮鍼を貼り「めぼ治療」開始。

2日目の今日、ほんの少しだけ、かゆみが残りましたが、めぼの事はすっかり忘れていました。やはり、良くなっています。

山元敏勝先生(山元式新頭鍼療法の創始者)は、80才を超えておられますが、来年1月には新たなツボを見つけられ、新刊本を発売されます(早速、インターネットで予約しました)。

ここで、改めて感じるのは、人には、年齢制限などないということ。それを作るのは、本人の気持ち。

益々、先生の研修会に参加したいと思うのでした。

めぼ

めぼ

四国松山あたりでは、「ものもらい」とか、「めばちこ」などと言いません。

「めぼ」です。

おそらく、目+いぼ=めぼ でしょう。

私の右目の下側に、余り目立たない程度のめぼが出来ました。まばたきをすると、少し重い感じで、こするとやや圧痛を感じます。

そこで、YNSA(山元式新頭鍼療法)を試してみることに。

これは以前にも紹介しましたが、宮崎県の開業医、山元敏勝先生が患者さんの治療を通して、見つけ出した頭部のみに行う鍼療法です。

ブラジル、ドイツ、アメリカ合衆国などで、認可され海外から数多くの医師が宮崎まで、研修に来ています。

私の来年の目標の一つが、山元敏勝先生のもとでの研修です。行くぞ、宮崎❣️

まあ~、そんな事で、目に効くツボに円皮鍼を貼りました。貼ってから9時間経ちましたが・・・・結構、効いてます。

まばたきしても、重さはほとんど感じません。押しても痛くありません。ただ、目の下の赤みはまだあります。明日の朝が、どうなるのか・・・たのしみです。

膝から下のツボ

肘から下、膝から下には全身のツボの1/3が集中してあります。しかも、重要な要穴(赤色)が、ズラリと並んでいます。

 

なぜか要穴でないツボの中には、三陰交、血海という女性にとって最も大切なツボがあります。逆子は、三陰交にお灸をすると(私の経験では)、1週間以内でもとに戻ります。血海は、読んで字のごとく、月経不順などに効くツボです。

こうしてみると、膝から下がいかに大切であるか、分かると思います。

ツボのプロフェッショナルである鍼灸師が、最も声を大にして、この事を発信し続け、ツボをもっと身近なものとして感じてもらう努力をすべきです。

チョット、面白いことやってみようかな?

肘から下は要穴が一杯!

患者さんに、「肘から下には大事なツボが沢山あるんです!」とは常々言っているのですが、なかなか理解してもらえません。

これは、施術する私に問題があると気付きました。そこで、肘から手首までと、手首から指先まで の主なツボを記し、その中でも大事な要穴に赤印をつけてみました。

すると、イラストのように肘から下は、要穴で真っ赤に染まります。

こんなに重要なツボが肘から下にあるという事は、カラダを調整するのに非常に便利であるということになります。

現在は、患者さんにその方法をお伝えしている最中です。自らのカラダと対話しながら生まれてくる方法をいずれは、楽しいイラストにしてみようと思います。