発熱は薬

「石原医学大全」から、「出すことが何よりの健康法」の一節を紹介します。

『風邪、肺炎、胆嚢炎などの炎症性疾患、ガン、白血病などの悪性腫瘍、リウマチなどの自己免疫性疾患などの多くの病気に発熱はつきものだ。単に疲労が重なった時でも発熱することがある。

人間は体温が1℃下がると免疫力が約30%するとされているが、反対に1℃上がると一時的に四~五倍にも増強するといわれている。「発熱」が病を癒す「自然治癒力」となるのは、体温が上昇すると白血球の貪食・殺菌能がパワーアップするから。病気の時、体調が悪い時は熱を出して免疫力を上げる必要があるので、「元気になるために発熱する」のである。

しかし、風邪などで発熱すると、患者をもとより医師さえも、「熱=病気」と言う認識のもと、熱を下げようと躍起になる。

抗生物質や解熱剤を服用すると、その日のうちに解熱するが、「治った、楽になった」と安心するのもつかの間、たいていすぐにぶり返すかいつまでもすっきり治らずダラダラ長引くことが多い。

一方、漢方医学では、発熱に対しては、体を温め、発汗作用を有する葛根湯を投与するし、民間療法でも、生姜湯と梅醤番茶、卵酒など、体を温める効果の高い食材をさらに熱々にして飲んで熱産生を促し発させる。

漢方薬も民間療法も、体が良くなるために出している熱を冷ますのではなく、発熱の後押しをしさらに発散させることで治癒を促す。治るとぶり返すことはまずない。もし、発汗してなお発熱が続き、気力体力も萎えていくようなら、医師に見てもらう必要があるが・・・・』

とあります。発熱はお薬であることを認識しておきましょう!