40年前、木霊療法と呼ばれた積み木(その2)
よくよく考えると、40年前に積み木活動を始め、木霊療法と呼ばれたのは、その6~7年後になります。失礼致しましたm(_ _)m
さて、精神科病院で、一日中積み木をする訳にもいけません。かといって、医者でもない私が、白衣を着て患者さんと接する訳にもいきません。
それならば・・当時尊敬していた石井満隆さん(舞踏ダンサー)になりきることにしたのです。茶色のネット帽に黒いテルテル坊主の様な服という、ケッタイなおっさんスタイル。
そして、二階にある踊り場に机とイスを置いて、スケッチブックにクレヨンで絵を描く事から始めました。
この病院は、開放病棟で多くの患者さんが生活しています。絵やデザインに興味ある若い娘は、すぐさま、
「オッチャン、何してんの?」
「あんな~~、絵描いてんねん!」
出身が愛媛の私、関西弁はまあまあ出来ます。そして、好き勝手に色を塗っているだけのスケッチブック。誰でも、参加出来ます。
「私もやるわ~~」
20才前後の色白ややポッチャリの可愛い娘が、クレヨンを持ち、描き初めました。
「オッチャン、これ靴に見えるなあ⁉️」
「あ~、そういえば、そうやね~」
もうこうなると、彼女に任せて、ドンドン描いてもらいます。
その時でした。
「これ何描いているの?」
グレーのスーツ姿で、いかにもお医者様という出で立ちの女性が、覗きこんで来ました。
(つづく)