耳と仙腸関節

1年ぶりに来院の20才代の患者Aさん

1ヶ月前から腰痛で悩んでいました。前屈をすると痛いそうです。前々回の症例で説明したのですが、前屈をして痛みがある場合は、椎間板が原因で起こっている可能性があります。前屈することで、椎間板の髄核を刺激し、神経が炎症をおこして腰痛になるようです。

Aさんにも、頭に置鍼する事で腰痛治療をします。なぜ、頭に置鍼して腰痛が治るのでしょう?特に、腰痛は耳の前後に置鍼するのは、何故でしょう?これから説明するのは、あくまで私の解釈ですので、本当かどうかわかりません。

耳は、頭蓋骨と下顎骨と頸椎が交差する個所、大事なポイントです。これに対応する個所が、仙骨と寛骨(腸骨+座骨+恥骨)と腰椎が交差する仙腸関節になります。

腰痛の場合、この仙腸関節付近が痛い場合が多くあります。この周辺の筋膜がねじれて、頭蓋骨と下顎骨と頸椎の交差している筋膜と、綱引きのように引っ張りあいをしていると考えます。

そこで、耳の圧痛点(筋膜がねじれたところ)に置鍼すると、軸索反射という現象が起こり、周辺がゆるんできます。すると、今まで綱引きをしていた仙腸関節あたりの筋膜がゆるんでバランスを保つのだと思います。

Aさんには、いつものように合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)。

合谷診:左(治療を左側から始めます)

上腕診:左頸椎(1)、胸椎(3)、腰痛(5)

:右胸椎(3)、腰痛(5)、大脳(1)

( )内の数字は置鍼の数です。Aさんは、前屈をしても腰に痛みはありません。

「今度、なんかあったら早めに来てくださいね!」

と言ってお別れしました。