鍼1本の力

「ここしばらくは、ず~っと調子よかったんよ・・・けど、2~3日前から、ここ(大胸筋と肩関節の間)が痛なってきて・・・・それから、左の脇が運転しよって、攣(つ)りそうになってなあ、車を路肩に止めて、休まんといかんかったんよ。」

「それは、大変じゃったな・・・・」

20日ぶりに来院の50才代の男性患者Aさんは、トレーラーの運転で朝早く起床し、夕方遅くまでの仕事をされています。頸椎症と診断され、首と肩のコリ、五十肩などがあり、通院当時は、右肩が上がらず、大好きな祭りで、神輿(みこし)がかけず、交通整理係に回されてしまいました(私の力不足❗️)。

その後、山元式新頭鍼療法(YNSA)の中級セミナー2、上級セミナー1と進むにつれて、技術も向上していき、Aさんの肩もスムーズに上がるようになって行きました。今回は、上級セミナー2を終了した後で、技術の修正ができました。鍼1本1本の力が変わって来ています。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左(左側から治療を始めます)

合谷診の進化系(上腕診と同じ腰痛~小脳の診断ができます)

左:腰椎(3)、脳幹(1)、大脳(1)、小脳(1)、

右:大脳(1)

(  )内は置鍼の数。左腰椎以外は、治療点と診断点を爪の押圧でしっかり確認出来置鍼したため、1本の置鍼で圧痛点は無くなりました。これで、基礎治療が終わり自律神経が整いました。次に応用治療として、Aさんの大胸筋と肩関節の間の痛みを取ります。

基礎治療では、胸椎の治療点に置鍼しませんでしたが、Aさんは左脇が攣(つ)ったのですから、左胸椎の治療が必要です。そこで、左眉の1cm上の圧痛点(これがE点)に、2本置鍼。

「何か・・・気持ちのせいかもしれんけど、効いとるような気がする。」

生え際と正中線が交差する点から生え際に沿って2cmの所にB点があります。今度は左B点に1本置鍼。そして、B点から2.5cm外側のC点に1本置鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・右肩の方が、重なってきた。」

そこで、右B点、C点に1本ずつ置鍼。

「今のが・・・今日一番効いた‼️・・・・こりゃ~ええわい・・・1本打つごとに、(カラダが)違ってくるのが分からい。」

「それは良かった・・・そしたら、ベッドでゆっくり寝ていただきますね〜」

「これが、また気持ちええんよ・・・鍼が効いてくるんよ・・」

30分懐かしいフォークソングを聴きながら休んでもらいます。鍼を抜き玄関口で、

「これで、しばらく来いでええような気がすらい・・・」

「それは何よりじゃわい!・・・いつでも連絡してくださいさいや!」

「また、よろしくお願いします。」

あああ~、いい仕事が出来た❣️