「これで、様子を見ててください。」
と、患者さんをお送りしている時に、突然、
「ガラガラガラガラ・・・・」
と、不機嫌そうな60才代男性患者Cさんが、パジャマ姿で玄関の前に仁王立ち。これから帰られる患者さんが、一瞬凍りついてしまいました。
「・・・・??・あっ・・お大事にしてください・・・」
と、患者さんの入れ替えが、何とか完了。
「あらら、今日はパジャマ姿で・・・・」
「もう・・・・着替えるんも、しんどうてやれんのよ・・そのままで来た。もう、肩パンパンで頭の天辺(てっぺん)が痛うて痛うて・・・もうどうしようもないんよ、何とかしてや❗️」
「Cさんは、限界ギリギリまでガマンして、ふらふらになってやっと来るんじゃもん・・・もうちょっと、早めに来てくれたらええのに・・・」
「それは、分かっとるんじゃが、あんた、ワシャ忙しゅうて・・来とうても時間がないんよ。」
Cさんは書道家で、篆刻(てんこく=石を刻んだハンコ)の作業を毎日、集中して行なっています。そのため右手がパンパン。
合谷診(人差し指と親指の間の触診)右:右側から治療を始めます。
進化系合谷診(頸椎~小脳の診断点)
左:胸椎(2)、腰椎(1)、脳幹(1)、大脳(0)、小脳(1)
右:胸椎(1)、腰椎(1)、脳幹(1)、大脳(1)、小脳(1)
首診
左:心(1)、大腸(1)、三焦(1)、胃(1)、脾(1)、小腸(1)
右:腎(1)、膀胱(1)、肝(1)、胆(1)、心包(0)、心((1)、大腸(1)、三焦(1)、胃(1)、脾(1)、小腸(1)
( )内は、置鍼の数。
それぞれの診断点に対応する治療点があり、置鍼をすると診断点の圧痛が無くなります。
Cさんの場合、首がパンパンで、ほとんどの部位で反応がありました。それを、側頭部の治療点に置鍼する事で、徐々に首がゆるみ、頭頂部痛、肩こりが無くなりました。
改めて、山元式新頭鍼療法(YNSA)の素晴らしさを感じる治療でした。あれだけ悲鳴を上げていたCさんのカラダが、1本の鍼で徐々に緩んで来るのを、Cさんも私も実感できます。これは鍼を通しての素晴らしいコミュニケーションなのです。私が40年前から目指しているのが「触覚アート」私は患者さんの訴えを聞き、圧痛点を指針として患者さんの訴えを解決する。これはアートです。
「明日も来るけん、明日は、足ウラに鍼打ってや・・・あれは、効くけん。」
私が勝手に打っているツボですが、明日はやってみましょう(やらなくてもいいかも)❗️