「先生、マスクしてかまん(いいですか)?」
「ああ~、どうぞ、どうぞ」
来院されるや否や、60才代の女性患者Bさんは、マスクをかけ、昨日届いた籐の回転イスに腰掛けました。
「このご時世じゃけん・・・○○○で、消毒しよったらしいよ・・・ほじゃけん、松山市の患者さんは、○○○辺りじゃないん?」
「えええっっっ、もうそこまで来とるん!・・・気つけないかんね~」
私と同い年で誕生日も近いBさん、本日は胃の調子が、良くありません。
昨日電話で、胃の調子が悪いのでキャンセルしたいと連絡があったのですが、そういう時こそ鍼治療がいいとお話ししたのです。
「先生、多分・・・貝の佃煮があたったんじゃと思うんよ・・・妹も同じもん食べて、お腹下したんよ。」
「・・・ふ~ん、そしたら、そうかな・・・・今は、どんなん?」
「おへその周りが・・・何か、こう・・気持ち悪いっちゅう感じ。」
「そしたら、最初に脳と背骨を診て・・・自律神経を整えて・・・自律神経は内臓を整えてくれるけんな・・・そのあと、首触って内臓をチェックして、頭に鍼さそわい。」
Bさんの手と私の手に念のためアルコール消毒をして治療を始めます。
合谷診(人差し指と親指の間の触診):左(左側から治療していきます)
進化系合谷診(人差し指につながる中手骨を6等分し腰椎、胸椎、頸椎、大脳、脳幹、小脳の診断)
左:胸椎(1)、腰椎(1)、脳幹(1)、大脳(1)、小脳(1)
右:頸椎(1)、腰椎(0)
( )内は圧痛点が無くなり治療できた置鍼の数。(0)は、他の個所の置鍼の影響で圧痛点がなくなったことを示します。これで基礎治療が終わり、自律神経が整いました。
「どしたん?お腹が気にならんようになった!」
「そうじゃろ・・・自律神経が整ったんで、調子が良うなったんよ。」
次に、首診をし、側頭部の治療点に置鍼します。
左:腎(1)、膀胱(1)、肝(0)、胆(0)、心包(0)、心(1)、大腸(1)、三焦(1)、胃(0)、脾(0)
右:胃(1)
「これで、どうですか?」
「全体的にお腹が気持ちいい!」
「う~ん、よかった、よかった・・・鍼はね・・・内臓調整できるですよ。これで、様子を見てください。」
2週間後の予約をとって、元気よく帰られるBさんでした。