操体法とYNSA

 

操体法をメインで治療している60才代男性患者Cさん。前回は、両肩が痛かったので鍼治療となりましたが、今回は操体法で治療します。仰向けになり両膝を立てもらい、左フクラハギの外側を触ると、圧痛点があります。そして、膝内側の中央部にゴロっとした圧痛点があります。この圧痛点を探ることを「膝蓋(ひかがみ)」と呼ぶこともあります。

この膝蓋(ひかがみ)で見つけたゴロっとした圧痛点を一瞬で、柔らかくする操法があります。それが、「つま先上げ」という操法です。これは、前脛骨筋(ぜんけいこつきん)という膝下から足の甲にかけての筋肉に縮んでもらい、ヒラメ筋に圧力をかけて膝ウラを緩めます。この操法は、操体法の基本操法としてよく紹介されています。

これを、山元式新頭鍼療法にあてはめると、上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)による治療となるように思います。上腕診は、頸椎、胸椎、腰椎、脳幹、大脳、小脳の状態を圧痛点を探ることで知り、頭の治療点に置鍼し、圧痛点を消していきます(治療)。頸椎、胸椎、腰椎、脳幹、大脳は、カラダの基本。ここが整うと自律神経が整います。

また、山元式新頭鍼療法のカラダの見方に、おへそをクモの巣の中心と考え、レオナルド・ダビンチの描いた両手、両脚を開いた人体デッサンをイメージし、同心円の肘と膝、手首と足首が対応。膝を同側の肘で治したりします・・・・私はこのように理解しています。

そのため、操体法で基本操法となっている膝ウラの圧痛点消しは、肘ウラの圧痛点消しとなり、自律神経神経を整えていることになります。

さて、Cさんの続きです。左右の膝の圧痛点を取ったあと、上腕診と首診をしました。すると、上腕診には、圧痛点がありません。やはり、「つま先上げ」の操法が効いたようです。

次に、首診。

左:肝、胆、大腸、三焦

右:心、三焦

上記の診断点に圧痛点がありました。その中でも、三焦の診断点が最も痛いので、Cさんには仰向けになってもらい側頭部にある三焦の治療点に軽く指を置く操法。

「今、どんな感じですか?」

「いや~、気持ちいいです・・・カラダ中が暖かいです・・・ゆるんでいます。」

こんな会話をしていると・・・Cさん、熟睡。15分ほど寝ていただき、首診をしてみると、首の圧痛点は全て無くなっていました。Cさんには、この治療法が合っているようです。