無農薬の農業を何十年もやっておられる70才代のご夫婦が来院されました。畑を眺めながら、
「先生、ようやっておいでらい・・・・ワシャ、はじめは、こんなになるとは思っとらなんだ。竹(ご夫婦に頂いたもの)も全部、上手いこと使っとりますな。」
奥様が、
「この豆が、風に揺られて首をふりよるから、何ぞで止めにゃいかん・・・・・」
これで、やっと支えが重要なことが分かりました。せっかく咲いた花も強風で飛んだり、茎が折れたりする可能性があります。自由にノビノビ育てるためにも、支えは必要なようです。
「それにしても、このキュウリは立派じゃ・・・もう他の畑じゃったら、キュウリは終わってしもうとる。キュウリの後は、この柵をそのままにして、えんどう豆を植えたらええんよ。そしたら、その次にまたキュウリを植えれるけん。」
素晴らしいアドバイスをいただきました。別の場所に秋収穫のキュウリを2株植えて育てているので、「キュウリ食べるの大好き人間」な私は、新しい2株が順調に育つまで、今のキュウリに頑張ってもらえるようエールを送ります。ご主人が、
「先生、あのキュウリもう少し横の這(は)わしてみたらどうじゃろ?」
「あんた、いかんいかん。キュウリは上に行くのと、横に這(は)のがあるし、このままでええんよ・・・・ご高齢になっとるんじゃけん、動かしたら可哀想じゃ・・・」
「はっはは・・・・」
「・・・あのう、このゴーヤ、全然元気が無いんですけど・・・・どうしてでしょうか?」
「これは、先生、暑さじゃ。こんなに暑い日が続いてここは、コンクリートじゃろ。夜になっても冷(さ)めんけん、まいってしもとらい。人間もまいっとろ、同んなじ・・・・まだ、よう頑張っとるほうじゃわい。」
「スダレを下に敷いたらどうじゃろか?チョットでもすき間が出来たら、涼しくなるけん。」
「スダレじゃったら、あります。やってみます。後は、夕方コンクリートに水を撒(ま)くようにします。」
次から次へと教えていただき、充実した時間があっという間に過ぎていきました。