膝診

90才代の男性患者Bさん、膝に力が入らず歩行困難なため、今年の1月から毎週1回の通院。杖を使わなくてもゆっくりと歩行出来るまでにはなりました。しかし、介助の必要はあります。

最近1~2ヶ月は、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側横紋の周辺の触診)、首診では圧痛点を見つけられず御家族の要望で腎、膀胱の治療点に置鍼をするだけとなっていました。

ところがこの2週間、膝診と称して膝周辺の触診をし始めた結果、上腕診より圧痛点を見つけやすい事が分かりました。今回のBさんが典型な例です。上腕診では全く無かった圧痛点が、膝診では、左頸椎、左胸椎、左腰椎、左脳幹、左大脳、左小脳全てに圧痛点が見つかりました。

そこで、左膝を押圧し、1番痛い胸椎の診断点を押圧し、後頭部の治療点に置鍼。次に、小脳、頸椎の治療点にそれぞれ1本ずつ置鍼。すると、残りの腰椎、脳幹、大脳の診断点の圧痛がなくなりました。

膝診が刺激になったのか、いつもなら反応の少ない首診も、左胆、左心、左脾に圧痛点があり、左胆、左脾の治療点に1本ずつ置鍼したため、左心の診断点の圧痛はなくなりました。そして、腎、膀胱の治療点に1本ずつ置鍼して30分間ベッドでゆっくりしていただきました。

車でお迎えに来られた娘さんが、

「先生、(お父さんが)しっかり歩けています❗️」

と大声で教えてくれました。元々、膝に力が入らないので歩行困難になったのですから、膝を丁寧にしっかり診断し、治療点を見つけるのは、理にかなっているように思います。