晝間(ひるま)先生

 

今日は長崎に原爆投下があった日。

長崎の平和祈念像は、北村西望先生が制作されました。北村西望先生の弟子である晝間弘(ひるまひろし)先生は、あの祈念像の下半身を制作されました。私は、大学で晝間先生から彫刻を習った学生です。決して弟子とは言えません・・・立体的なセンスがないにも関わらず、彫刻を専攻したのは、失敗だったかも知れません。晝間先生からは、全く期待をしてもらっていないのは分かっていました。

それでも、彫刻を選んだのは、晝間先生のお人柄でした。東京の柴又生まれの「江戸っ子」先生は、

「君の足(制作している粘土像の足)は、しろいね!」

「・・・・はっ?粘土の色は、粘土色で、全然白くない・・・先生、何言うとるんじゃろ?」

「・・・・ああああ、先生は、江戸っ子じゃ・・・「し」と「ひ」が一緒なんじゃ!」

という間があき、やっと私が作っていた粘土像の足が「ひ」ろすぎたのを理解出来ました。ですから、「ひるまひろし」という先生のお名前は、「しるましろし」と表現されるのです。四国の山奥生まれの私にとって、東京の下町、柴又の別文化はとっても魅力的でした。それ以上に先生の気さくで正直なお人柄に引かれていったのです。

ニューヨークに行く体験から、石と鉄の西洋文化と一線を画す自分を見出したのは、不得意な彫刻を専攻したおかげです。私には立体的でない平面の世界が合ってる・・・多分、書道。

って閃(ひらめ)きました。帰国して見つけたのは、「積み木」。原木の輪切りをただ積み上げる作品。書道のように一瞬でバランスの良い作品ができる・・・立体的書道だったのです。

この作品だけは、今だに自信があります。この作品は治療法としても可能性を持っています。いずれ又・・・・・