科学が証明

今回も山元式新頭鍼療法(YNSA)の創始者・山元敏勝先生の著書、「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!」から、科学が証明した、針の6つの効果の2つをご紹介します。

『 3、自律神経のバランスを保つ

針は、自律神経に直接働きかけ、体調をコントロールします。先ほどお話ししたように自律神経は、心臓を動かす、呼吸をする、食べたものを消化する、排泄を促すなど、自分の意思とは関係なく体を動かす働きをしています。針はその自律神経の働きをスムーズにするのです。自律神経は、交感神経と副交感神経の2つが交代勤務制で働いていることもお話ししました。

この2つの働きのバランスが、体の健康にはとても重要です。どちらか一方が、仕事はしたくないと休んでしまうと、もう一方が本来休み時間でありながら働かなければならいけなくなります。また交代の時間になっても仕事をゆずらず働き続けると、相手の仕事内容に支障が出てきます。このように交代勤務のバランスが崩れてくると、体調が崩れるのです。針にはこの交感神経と副交感神経のバランスを整え、胃、腸、膀胱など、内臓の機能を整える大切な働きがあります。

4、硬くなった筋肉を緩め、血液の流れをスムーズにする

針は、硬くなった筋肉をほぐし、血液の流れを良くします。針を刺すと、筋肉の中の血管が広がり、筋肉の中に血液が多く取り込まれます。すると血液の中にある酸素や様々な成分によって、痛みや緊張で硬くなっていた筋肉が緩み柔らかくなるのです。筋肉が柔らかくなることによって、さらに血液の流れが良くなる効果も生まれます。』

上腕診は、肘の内側の圧痛点を探り、大脳、小脳、脳幹、頸椎、胸椎、腰椎の状態を診察します。そして、頭部の治療点に置鍼し圧痛点をなくします。そうすることで、大脳、小脳、脳幹、頸椎、胸椎、腰椎を整えるのです。そうすると、自律神経が整うことになります。私は、上腕診の代わりに膝診を行っています。その理由は、ある高齢の患者さんの上腕診が全くできない状態が3ヶ月続いたため、膝に圧痛点があるかもしれないと思い、膝を探ったところ、圧痛点が存在したからです。

この膝診で圧痛点あるいは、硬結部位が、頭部の置鍼で「フニャフニャ」になるのがよく分かります。「4、硬くなった筋肉を緩め、血液の流れをスムーズにする」は、文字通りです。