剣道大好きな中学生B君、練習中に右足甲の靭帯(下伸筋支帯)障害。2週間前のことです。
右足首にギブスをしながら、練習をしています。その分、反対の左足に負荷がかかり、左ふくらはぎ
に痛みがあります。
また、ギブスをした右足の小指に痛みがあります。
まず、左足ふくらはぎから始めます。
ふくらはぎの筋肉を十分に伸ばして、軽く圧力をかけ、気持ちいい状態を味わいます。
その後は、痛いところに手の平を当てる「お手当」治療。
「B君な~、生まれて来て一番最初の記憶は、なに?」
「あんな~、テレビの画面につぶされた!」
「・・・ん?」
「先生、この子が2才の時、大きなテレビの画面によじ登って、テレビが倒れ、下敷きになったんですよ。」
と、お母さんが説明してくれました。
「その次の記憶は、何?」
「大阪」
「UFJか?」とお母さん。
「うん!」
などと、B君の昔話を聞きながらお手当を施しました。10分ほど経ったあと、左ふくらはぎのチェックをします。
「B君、歩いてみて?!・・・どう?」
「ん~と・・・痛くない!」
どうやら、上手くいきました。
次に、ギブスをした右足小指の治療です。親指を除く4本の指は、長趾伸筋という膝から伸びる筋肉の作用を受けます。この筋肉を覆っている筋膜をゆるめるため、散鍼(さんしん)をします。
散鍼とは、左の指先で、B君の皮膚をさすりった後、2本の鍼を皮膚とほぼ平行に持った右の指先をさすり、今度は、左の指先でさすり・・・と交互に素早く皮膚を優しく刺激する方法です。これは気持ちいいので、B君はご機嫌です。
さて、次が問題です。
B君は、お灸は大丈夫なのですが、大の鍼嫌い。鍼と聞いただけで、注射を思い出すようです。その上、痛みにたいしての感受性が大。
「痛った、痛~~~~い(≧∇≦)」
大声で叫びます。
以前、お灸施術で眠っているB君に、鍼治療をした時は、スヤスヤと眠っていたのに・・・
治療を終えて、
「はいB君、歩いてみて?」
スタスタと待合室まで歩いて行き
「痛~~~~!」
鍼を刺したスネ辺りをしきりにさすっています。
「B君、スネじゃのうて、痛かった小指は、どう?」
「・・ん?・・・痛ない。」
「ほんなら、ええわい。お着替えして下さい。」
ということで、ちょっとにぎやかな治療が終了しました。