刺さないハリ

がっしりした体型のスポーツマンの患者Aさんは、月に1回くらいの割で来院されます。

全身が凝っており、どこを触っても、

「痛っ!」

の連発です。こういう時は、総合武術家・平直行さん提唱の「やわらぎメソッド」を私なりに展開している腰、下肢への操法(現在6種類)を行います。丁寧にしっかりとやると、汗かきのAさんは、全身がじっとり。柔軟性が増しました。

次に、Aさんが気にしていた右手首。

手首を反らすと痛みが走ります。こういう症状を天城流では、上腕の付け根、鎖骨の下あたりの筋膜はがしで治します。今回は、ダイオードてい鍼(写真)2本をお箸のようにして使います。

刺すことなく皮膚に触れる事で治します。

鍼(はり)というと、注射針を連想して、「痛くて、怖い!」というイメージを持つ方が多いので、当院にもなかなか患者さんが足を運んでくれません。

そこで、刺さない鍼(はり)があることを知って頂きたいのです。

小児鍼(しょうにしん)治療といって、銀鍼(写真の銀色に光っているモノ)を子供さんの皮膚にこすりながら治す方法もあります。また、銀鍼を銀のスプーンに代えても治療できます。非常に気持ちがいいです。

Aさんには、銀のスプーンとはいきません・・・

ダイオードてい鍼のお箸で、筋膜をはがしていきます。鎖骨下の大胸筋、親指から腕の圧痛点の筋膜を、しっかりと・・

「あれ?痛くない!」

めでたし、めでたしでした。