今日は操体法を

 

「今日は、操体法してもらおうかな・・・」

来院されると、すぐにおっしゃるのは、60才代の女性患者Cさん。4ヶ月前から1週間に1~2度の割合で通院され、最近では操体法をすることもあったのです。Cさんは、左手の中指がバネ指となり、しっかりとグーが出来ません。

バネ指というのは、手のひらの指の付け根から指先にかけての腱とトンネルのように覆(おお)った腱鞘(けんしょう=腱の鞘)との関係(ベルトとベルト通しの関係)がスムーズではなく、炎症を起こした状態にあります。これは、ベルトの部分が何らかの原因で、腫れたり、ベルト通しが狭まったりして起こります。

ところが、Cさんの左手の調子がだんだんと良くなってきました。今は右手とそれほど変わらないくらいにグーが出来るようになりました。左足のヒラメ筋という足首付近の置鍼が効いているようですが、Cさんのご要望通り操体法治療にします。

その前に、合谷診、上腕診、首診をします。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左→左側から治療

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)

左:脳幹、小脳

首診

左:腎、肝、心、大腸、三焦(消化器)、胃、小腸l

上記に圧痛点がありました。これらの圧痛点を操体法でなくすことができます。

まずベッドの上で仰向けになってもらいます。Cさんの全身を様子を見ると、左肘周辺がやや尖(とが)った感じがします。左屈筋群にまだ緊張があるのだと思います。そのため、左手に多少の炎症があるのでしょう。

Cさんには、両膝を立ててもらいます。やはり、左膝内側に圧痛点があります。これは、左肘内側の屈筋群と関係があります。基本操法のつま先上げをCさんにしてもらうと、左膝内側がゆるみました。これで、左肘もゆるんできたと思います。そのあと、首診(内臓の状態を診断します)で1番痛かった個所の治療点(側頭部)に軽く指先で触れる操法。

「先生、これ気持ちいい・・・・」

Cさんは、これが大好きです。気持ち良さが連鎖して首の点から面へと気持ち良さが広がるようです。圧痛点が徐々に無くなっていきます。それでも残っている圧痛点の治療点をていねい診ていくと首が柔らかくなりました。これで十分なのですが、Cさんには、足の指をていねいにもむ操法を10分。

「先生、気持ち良かったった❣️次も操体法でお願いします。」

これから、操体法が人気になりそう・・・

 

待合室の本の紹介(その7)

「先生、本物はわかりやすいですね。この本はいいです。」

といつもご夫婦で来られる患者さんがポツンとつぶやいてくれました。そこで、改めてその本を見直しました。確かに素晴らしい。この著者は丸住和夫先生とおっしゃる操体法創始者、橋本敬三先生の元で学ばれた方です。京都府在住の丸住先生の勉強会には度々参加いたしましたが、先生は常に実験的な試みを重ね、進化し続けておられます。

また、丸住先生は、素晴らしいイラストを描かれるので、絵本を出版されています。今回ご紹介する一節がその絵本の冒頭です。ゆっくりと読んでみてください。

『なぜ病気になるのだろう

からだは動く建物だ

私たちのからだは、一軒の建物のようなものです。背骨は棟木であり、四本の手足は隅柱、また血管や神経は水道管や電気配線のようなものです。そして内蔵は、家の中身です。

構造の歪みが病気のはじまり

建物と同じように、人間のからだも生活の仕方が自然の法則からはずれたり、強い外力を受けたりすると、骨格や筋肉の構造が歪んできます。これを放っておくと血や体液のめぐりや神経の働きが悪くなり、次第に中身の内臓まで痛んで病気にすすんでしまいます。

コリや痛みは歪みのサイン

こうして、体の構造が歪んでくると、コリや痛みなどの不快感が現れます。これは、今からだに歪みがあり、このままだと病気になるぞと言う警報なのです。ですから、痛みや不快感を抑えたり消したりして警報だけを止めても、関心の体の歪みを直さなければ健康は取り戻せないのです。

からだは親切で病気出しているんだ

からだは元にもどろうとしている

野生動物はなかなか病気をしないように、すべての生き物には本来、自ら正しい構造にもどる力があります。

例えば猫は気持ちよさそうにノビをしますが、それによって歪みをなおして全身のバランスをとっています。

このようなバランスをとる動きは痛みや気持ちよさなどの簡単な原始感覚によって導かれます。私たち人間も無意識の動作によってバランスをとって生きているのです。』

神無月

今日は、8月の最終日。そこで、10月の手作りカレンダーを作成しました。弟の勧(すす)めで始めたのですが、やってみると楽しくて、生きる証(あかし)を示しているように思い始めました。

10月は神無月(かんなづき)。全国の神様が出雲大社に集まるので、神様がいない月という説があるようです。又、無=の(no)で神の月、お祭りの月という説もあるようです。ちなみに、6月は水無月(みなづき)=水の月のようです。

そこで思い出したのが、あるアメリカ人の言葉。

「日本には宝船があって、そこには国籍の違う7人の神様が乗っている。アメリカでは、全く考えられない。なぜこんなことが出来るのか?」

その都度(つど)、日本の神道では八百万の神(やおよろずのかみ)という考えがあり、全てのものに神が宿ると思っている。ですから、国籍の違う神様も八百万の神の1人に過ぎないのです。と言っても理解してもらえてなかったのです・・・・私の英語力、理解度、説明力の無さが原因なのですが・・

私の甥っ子が、三重県の皇學館大学に入学し、神道を学んでいます。甥っ子にはしっかり英語やスペイン語を学んで、海外の人々に神道の真髄を伝えてもらいたいと思います。決して、私のようになって欲しくないのであります。

福徳の神として信仰される七人の神。大黒天恵比須 (えびす) 毘沙門天 (びしゃもんてん) 弁財天福禄寿寿老人布袋 (ほてい) の七神。

バケツ1杯を運ぶ時、左手?右手?

風呂の冷めた残り湯を、20ℓのバケツ2杯、15ℓのバケツ4杯畑まで運びます。

15ℓのバケツには8割近く水が入っており、左右にそれぞれバケツを提(さ)げてゆっくり歩きながら・・・80~90歩(そのうち、14歩は階段)あるきます。このパターンでもう1回歩くと、15ℓのバケツは4杯運べます。つまり2回で15ℓバケツ運び完了。

と言っても、そんなにカンタンではありません。バケツの水面を波立て無いように、そろそろ、しっかりとしかも、脱力した姿勢で能舞台を歩くように160~180歩を歩き切らなければなりません。難所は、やはり階段。転ぶと大怪我につながります。バケツを持つ手は小指に力を入れ、脇を固め、足は親指に重心を移します。綱渡りをするような感覚です(もっと、綱渡りをしたことはないのですが・・・)。

さて今度は、20ℓの大きなバケツ。これは7割も水が入ると重くて1杯しか運べません。20ℓバケツは2個あるので、結局2往復しなくてはならず15ℓのバケツと同様160~180歩、合計320~360歩毎回あるくことになります。これを、朝夕2回するので、640~720歩水をこぼさないように気を使った筋トレが、スポーツジムに行かなくても出来るのです。

私は右利きです。右利きは左に重心を置くと安定します。そのため、大きなバケツを持つ手は右にすべきです。右手で持つとカラダが右に傾くので、自然と重心を左側に傾けようとします。この動きは右利きにとっては楽なのです。

ところが、左手でバケツを運ぼうとすると右側の不安定な動きを強(し)いられるので、フラフラします。階段では、特に不安定、怪我につながります、気をつけましょう!・・・と私にいうのでした。

ゴーヤとヘチマのお引越し

ゴーヤとヘチマが暑さにやられて、成長出来ないのが分かったのですが、暑さの原因、今年の猛暑とコンクリート以外にもありました。エアコンの室外機です。今年の猛暑で我が家のエアコンはつけっぱなし。その室外機がゴーヤの後ろでずーっと稼働していたのです(≧∇≦)

ゴーヤの葉っぱが薄黄緑色になって叫んでいた本当の理由は、この室外機からの熱波だったのです{こんなこと、すぐに分かれよ!)。ゴーヤにとっては、拷問を受けているようなもの。可哀想なことをしてしまいました。そこで早速、引越しすることにしました。午前中の治療を終えて、一気に右へ平行移動。

これで、葉っぱの色が濃くなっていき、元気を取り戻せば、来年もう一度プランターでの栽培を考えてもいいでしょう・・・・もし、ダメだったら・・・来年も、もう一度挑戦してみます。

コンクリート面から距離を程よく取れば何とかなるかな・・・・・

飴ちゃん

今日の午前中は、10:30分の予約が入っています。そのため、10時まで2階の我が家で過ごしていたところ、どなたかが、飴ちゃんをドッサリ鍼灸院の受付に置いてくれていました❗️

「おおおっっ・・・◯◯ちゃんかな・・・・いや、△△さんかな・・・う~ん、もしかしたら□□さんかも・・・・しまったな~2階に上がっていて、申し訳ないな・・・・でも、ありがたいな。」

と、書いたところでリリリーンと、電話の音。

「先生、飴あったろ。あれボクじゃけん」

「ああああああ!▽▽さんじゃったん(予想がはずれた・・・けど、考えてみれば、大量のアルコール液をいただいたのも焼酎も、▽▽さんじゃった・・・納得)。ありがとうございます!」

「いくらおらんでも(叫んでも)、出てこんので、帰ったんよ。明日の予約じゃけど・・ボクの後、誰か入っとる?」

「ちょっと待って・・・え~と・・入ってない。」

「そしたら、◎◎さん入れて!今度は、腰が痛いんじゃと!」

「うん、分かった・・・入れとくけん・・・ほじゃけん、3人で来るんじゃね~。本当に、どうもありがとうございます。」

タイミングが良すぎる電話に、ついつい浮ついた対応をしてしまいました。チョット時間が経って、冷静に考えてみると、あの飴ちゃんは、▽▽さんだと容易に推測出来るのです。改めて、私のカンの悪さを実感しています・・・これで、人生何度も失敗しています(*≧∀≦*)

スダレ

友人からいただいた子規庵のヘチマの苗が、なかなか育ちません。友人は立派に育てて花を沢山咲かせているそうです。そこで、昨日無農薬栽培を何十年もやっておられるご夫婦に教わった事を実行しました。スダレを鉢底に敷き、直接鉢に太陽光が当たらないようにスダレで覆(おお)いました。

それだけではありません、朝夕の水やりの時、打ち水を大量に行い涼をとるようにしまた。

現在、午後4時過ぎですが、鉢を触ると涼しく感じる・・・ような気がします。また、スダレで鉢を覆(おお)うと、見た目も涼を感じ、行き交う車の中からでもそれを感じられるかも・・・・

しかも、風呂の残り水を大量に使うことで、節水。2階の我が家から、畑まで20ℓのバケツ2杯、15ℓのバケツ4杯を運ぶので、筋トレタイムとなり、一石二鳥。ジム通いが難しいご時世には、ぴったりです。

ヘチマと一緒に植えたゴーヤの葉っぱが弱々しい黄緑色。この色が濃くなる事を祈ってチョット頑張ってみます。

暑さじゃ

無農薬の農業を何十年もやっておられる70才代のご夫婦が来院されました。畑を眺めながら、

「先生、ようやっておいでらい・・・・ワシャ、はじめは、こんなになるとは思っとらなんだ。竹(ご夫婦に頂いたもの)も全部、上手いこと使っとりますな。」

奥様が、

「この豆が、風に揺られて首をふりよるから、何ぞで止めにゃいかん・・・・・」

これで、やっと支えが重要なことが分かりました。せっかく咲いた花も強風で飛んだり、茎が折れたりする可能性があります。自由にノビノビ育てるためにも、支えは必要なようです。

「それにしても、このキュウリは立派じゃ・・・もう他の畑じゃったら、キュウリは終わってしもうとる。キュウリの後は、この柵をそのままにして、えんどう豆を植えたらええんよ。そしたら、その次にまたキュウリを植えれるけん。」

素晴らしいアドバイスをいただきました。別の場所に秋収穫のキュウリを2株植えて育てているので、「キュウリ食べるの大好き人間」な私は、新しい2株が順調に育つまで、今のキュウリに頑張ってもらえるようエールを送ります。ご主人が、

「先生、あのキュウリもう少し横の這(は)わしてみたらどうじゃろ?」

「あんた、いかんいかん。キュウリは上に行くのと、横に這(は)のがあるし、このままでええんよ・・・・ご高齢になっとるんじゃけん、動かしたら可哀想じゃ・・・」

「はっはは・・・・」

「・・・あのう、このゴーヤ、全然元気が無いんですけど・・・・どうしてでしょうか?」

「これは、先生、暑さじゃ。こんなに暑い日が続いてここは、コンクリートじゃろ。夜になっても冷(さ)めんけん、まいってしもとらい。人間もまいっとろ、同んなじ・・・・まだ、よう頑張っとるほうじゃわい。」

「スダレを下に敷いたらどうじゃろか?チョットでもすき間が出来たら、涼しくなるけん。」

「スダレじゃったら、あります。やってみます。後は、夕方コンクリートに水を撒(ま)くようにします。」

次から次へと教えていただき、充実した時間があっという間に過ぎていきました。

表裏一体じゃけん

「3日後に予約入れとったけど、腰をやったんで、今日診てくれんじゃろか?」

「・・・んとね・・・8時30分からじゃったら、大丈夫じゃわい。」

「そしたら、それでお願いします。」

高校の同級生で、2週間に1度のペースで来院されている60才代の男性患者Bさんからの電話でした。仕事を終えて素麺(そうめん)のお土産を持って、夜に来られました(ありがとうございます😊)

「振りむいた時に、ここ(右腰部)が痛なって・・・」

「ありゃりゃ、それは大変じゃ・・・・」

と、痛い個所をチェックし、いつものように合谷診(人差し指と親指の間の触診)から始めます。

合谷診:左(左側から治療を始めます)

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)

左:脳幹(1)

右:胸椎(1)

Bさんの痛みは腰椎と胸椎の境目くらいだったので、右腰椎の診断点には圧痛がなく、右胸椎に圧痛がありました。右胸椎の治療点は、右眉毛の上にあります。しっかり圧痛点を見つけ1本置鍼。これで、右肘の治療点の痛みは無くなりました。

「これで、腰どうなっとる?・・・・ちょっと、腰動かしてみてください。」

「・・・・ちょっと変わった・・・けど、まだ痛い。」

「うん、分かった・・・そしたら、内臓を診ますね。」

首診

左:腎(1)、膀胱(1)、肝(0)、胆(1)、心(0)、大腸(0)、脾(0)、小腸(0)

右:腎(0)、心包(0)、心(1)、脾(0)

首の診断点で一番痛いのは、左の膀胱診断点でした。Bさんは毎日2回前立腺肥大の薬を飲んでいます。やはり、膀胱診断点が反応するようです。膀胱の治療点はコメカミにありますので、ゆっくり置鍼。

「痛っっっった、痛い!」

もの凄い反応です。鍼を刺入しながら「申し訳ない・・・けど、効いてるよ・・・大丈夫」などと思っています。

「これで、腰どうですか?」

「・・・・・あれ?良うなっとる・・・・」

「良かった、良かった!」

その後も上記の首診の(1)と記している治療点に置鍼すると、痛みが軽減しました。

「腰が痛いのに、何で内臓を良うしたら痛みが取れるん?」

「それは・・・・表裏一体じゃけん・・・・つながっとるけんな・・・」

高校生の会話です。まあそうゆうことです。後は腰ねらいで、耳周辺に2本置鍼して終了。

「治療の前の痛みが10、全く痛みがないのが0としたら、今は?」

「・・・・そうじゃね・・2」

かなり良くなったようです。

マレリウスって何?

半年前から、膝に痛みを感じていた70才代の女性患者Aさん。痛い膝をかばおうとすると、反対の膝が痛くなり、それをかばおうとすると、また反対の膝も悪くなっていく・・・・・そしてついに、両膝が動かなくなり車イスでこられたのに、4回目の治療日も、3回目と同じく、ご自身が軽トラを運転して1人で来られました。

「先生、咳(せき)したり、くしゃみをすると、フトモモから膝にかけて電気が走る・・・両脚とも!・・・そして、夕方の水やり、1時間もすると、だらし痛なって、もうええ・・・と思う。」

「ふ~ん、誰でも1時間も水やりしよったら、しんどならい(疲れるでしょう)・・・この暑い時に。」

「先生、家の中を歩きよる時は、杖をつきよるんじゃけど・・・こけたらいかんけん。ここじゃったら、杖使わんでええ。」

Aさん、順調に回復しています。いつものように合谷診(人差し指と親指の間の触診)をしますが、左右ともに痛みはありません。こうゆう時は、左右どちらから治療してもいいと思います。

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)

右:腰椎(1)

右肘の内側に圧痛点があり、右耳の前側にある圧痛点(治療点)にゆっくりと置鍼。これで、右肘の内側の圧痛点がなくなりました。これで、自律神経が整ったことになります。

首診

右:腎(0)、膀胱(1)、胆(0)、心(0)、三焦(消化器)(0)、脾(脾臓)(1)、小腸(0)

首の圧痛点で一番痛いのが、膀胱でした。膀胱の治療点はコメカミにあり、そこへゆっくりと置鍼。すると、首全体がゆるみました。もう少し丁寧に診ていくと脾診断点に圧痛点があり、側頭部にある脾治療点にゆっくり置鍼をし、終了。

「これで、立ち上がってゆっくり歩いてみてください。」

「・・・・立ち上がるんに、余計なことせんでええなった。スーッと立てる・・・歩くと、まだ右膝のウラが痛い。」

「そしたら、これから膝をねらって治療しましょう。」

と右側頭部にあるG点という治療点に3本、Iソマトトープ(小さな人型の投影)に1本置鍼。

「先生、楽に歩ける・・・・・けど、まだ膝のウラに痛みがあらい。」

「・・・う~ん、そしたら、右足出してください・・・・ここらあたりで、痛いとこあります?」

「痛っっっった!」

「そしたら、ここ(外くるぶしの圧痛点)にパイオネックスというちっちゃな鍼を刺しますね・・・これで、どうですか?」

「・・・・・・あれ?どしたん?痛ない・・・・先生、どして?」

「・・・そうゆうふうに、なっとるんよ・・・_」

「へ~え、カラダって面白いね。」

ということで、Aさんには3日後の予約をして、治療を継続していくことにしました。最後にパイオネックスを貼ったところがマレリウスという外果治療点です。頭の対極にある足首は、治療点の宝庫だと思います。まだまだこれから凄い治療点が見つかるような気がします。