モゾモゾ体操(その10)

仰向けになって、両膝を立てた状態でつま先を外側に向け、左母趾球を左手薬指でしっかり握り固定します。右手はお尻の下。この体勢から2つの効果的なモゾモゾ体操をしましょう。だれでもカラダに歪(ひず)みがあります。歪(ひず)みが元に戻るとき、カラダは「気持ち良さ」というご褒美(ほうび)をくれます。

それを、ありがたく頂くとカラダは良くなっていきます。非常に便利なシステムです。

①左足関節をしっかり外旋位に決めているので、左足を動かそうとすると、つま先は内側に動きます。これを内旋(ないせん)といいます。しかし、しっかり固定したいるので、カラダ全身がゆっくりと連動して動き、顔は左に向いて動きます。この間に、気持ち良さがあれば、ゆっくり味わってください。痛かったら、やめましょう。

②左足関節をしっかり外旋位に決めたまま、ゆっくり両膝を右に倒していきましょう。体重が右に移動するため、右肩甲骨が内側に向いてきます。普段使わない筋肉を刺激するので、結構気持ちいいものです。

呼吸法は、

①自然呼吸で行い②吐きながら行い、続けて③吸いながら行い一気に吐く流れを1クールとし、1クール終わったらゆっくりする。

「足は親指、手は小指」を忘れずに、無理せすやってみてください。

モゾモゾ体操(その9)

モゾモゾ体操(その9)

右足踵(かかと)から指先の方向に向く軸を、時計回りにすると、右足関節の内反。

この内反位に決めた足首の下に左足を入れ、しっかり固定します。

ポイントは、母趾球。

特に固定する左足の母趾球。しっかり母趾球を押し込み親指をそらしながら、右足首を固定します。

プロレス技のヘッドロックの足首独り絞めバージョンです。

固定できたら、左手をお尻に敷き、右肘をベッドに立てます。そして、腕を内回ししながら肘をベッドに押し込みます。すると、徐々に連動が首や頭、肩甲骨、腰等々伝わって気持ちよくほぐれてきます。

このモゾモゾ体操は、山元式新頭鍼療法(YNSA)の外果治療点(下肢の痛みや痺れ、カラダの不快な症状を除去します)を刺激しながら、全身連動を促(うなが)します。

非常に効果的な体操です。ただしある程度、膝に負担がかかりますの

「痛かったら、即やめましょう‼️」

モゾモゾ体操(その8)

モゾモゾ体操(その8)

仰向けで、脚をのばして、軽くバレリーナがつま先立ちをするような状態が、足関節の底屈(ていくつ)。

この動きにも負荷は必要ありません。負荷をかけると、腓腹筋が縮みすぎて、こむら返りの原因になることもあるので、無理をしないでください。

気持ちよく底屈(ていくつ)が出来れば、今度は、足をグーしてみましょう。

同時に手もグー。自然と目線も下を向いていきます。目をつぶったままで、目線をおへそまで落とし縮こまった胎児のイメージ。

呼吸法は、①自然呼吸②吐きながら(できれば、鼻から)③吐き切ったら、ゆっくり吸いながら→可能な限り息を吸い、息を止めます→一気に吐きます。

こうなれば、モゾモゾ体操(その7)の背屈(はいくつ)も入れて、手足のグーパーを、一連の流れで行うと、気持ちよくできます。

モゾモゾ体操(その7)

モゾモゾ体操(その7)

足関節の6つ動きで、ポイントは全て母趾球です。

母趾球には、しっかりと種子骨がくっついているので、カラダを支える大切な役割を果たします。これは、ベッドに寝ていても同じことです。

モゾモゾ体操(その5)で紹介した①内旋位からの外旋を誘導するモゾモゾ体操でも、左足先を内側にし、その上に右足の踵(かかと)を乗せた時、左足母趾球に右足の重さが乗るように意識すると、動きがスムーズになります。

さて、今回は足関節の背屈(つま先をスネに近づける動き)。

仰向けで、足を伸ばしたままの状態での動きでは、カラダが大きく連動しないので、足に負荷をかける必要はありません。

モゾモゾ体操(その3)で紹介した踵(かかと)の踏み込みをした後、軽く親趾(おやゆび)をそらすだけで十分です。イメージは、足でパー。

しつこいようですが、足はガニ股にならず、やや内股で。ついでに、手もパーすると、自然と目線も上を向いてカラダ全身が伸びて、気持ちいいですよ。

呼吸法は、自然といつの間にか吸いながらやるようになります。気持ち良く吸い込みながらやってみてください。

決して無理をしないでください。

私自身、色々試行錯誤しながら過度の負荷をかけすぎ、もう少しで「こむら返り」になるところでした。

モゾモゾ体操(その6)

モゾモゾ体操(その6)

足関節を②外旋位(つま先を外側)にして、その親趾(おやゆび)の母趾球に片方の踵(かかと)を乗せます。

左足のつま先が外側からゆっくり内旋する動きを始めると、右足踵(かかと)でその動きを止めます。すると、カラダは連動して内部から動きが生まれます。その動きをゆっくり感じとって心地いい感じがあれば、それを味わっていれば、カラダの歪みが修正されていきます。

これが出来るようになると、今度はワンランクアップの体操。

イラストみたいに、右手をお尻の下に置き、左手前腕を立てて肘でベッドを押し込むようにします(これは、前回の内旋位からの動きと反対の手の動きになります。要注意❗️)。

呼吸は、前回と同じ。

①自然呼吸で行い②吐きながら行い、続けて③吸いながら行い一気に吐く流れを1クールとし、1クール終わったらゆっくりする。

とにかく、無理しないでください。

モゾモゾ体操(その5)

モゾモゾ体操(その5)

足の関節の動き方は、6つあります。

膝から足底までの縦軸を内側に回すと、①内旋、外側に回すと②外旋。

内踝(うちくるぶし)から外踝(そとくるぶし)の横軸を上に回すと③背屈、下に回すと、④底屈。

踵(かかと)から指先までの左足前後軸を左に回すと、⑤内反(ないはん)、右に回すと⑥外反(がいはん)

今回は①内旋位から外旋するモゾモゾ体操です。

左足先を可能な限り無理しない程度内側に、その上に右足の踵(かかと)を乗せます。

そして、左足先をゆっくり外側に回そうとするのを、右足踵(かかと)で止めます。

すると、カラダはゆっくり連動して内部から動いてきます。無理せず、心地良い感じを味わいながら呼吸法は、前回説明したように、①自然呼吸②吐きながら(できれば、鼻から)

③吐き切ったら、ゆっくり吸いながら→可能な限り息を吸い、息を止めます→一気に吐きます。

①自然呼吸で行い②吐きながら行い、続けて③吸いながら行い一気に吐く流れを1クールとし、1クール終わったらゆっくりする。

これで十分だと感じたら、反対の足をしましょう。

これができたら、今度は1ランクアップの体操。

イラストのように左手をお尻に入れ、右手の前腕を立てます。立てた前腕の小指側をゆっくりベッドに押し付けて、体幹がスムーズに動くようにします。

心地よく無理せずゆっくりと動きます。

痛かったらやめましょう。

天城流とYNSA を合体

右手を仕事で使い過ぎ、右腕が上がらなくなった50才代の女性患者Cさん。

髪を洗うことも出来ないそうです。痛い場所が、肩関節から上腕外側にかけての三角筋。

治療をしていて最近思うのは、ソマトトープ(小さな人型)。色々なところに、ソマトトープや、カラダの一部分が隠れているのでは・・・・?

山元式新頭鍼療法(YNSA)の山元先生の治療を拝見してからは、カラダには、三角形を基礎とした渦巻くような流れがあり、随所にソマトトープ化が出現している・・・と考えるようになりました。

「Cさん、肩の痛いところを教えてください。」

 

「え~と、ここ‼️」

Cさんの右肩前部繊維に圧痛点。

三角筋は前部繊維、中部繊維、後部繊維と三つの筋肉に分かれています。

天城流では、前部繊維は、同側の母指球の圧痛点。後部繊維は、同側の手の甲、親指と人差し指の間の圧痛点(俗に、合谷と呼ばれる点)をそれぞれ治療します。

Cさんの右母指球から指先までを、Cさんの上肢のソマトトープ化した部位と考え、いつも以上に同側の親指を丁寧に診ることにしました。すると、Cさんの指摘した右肩圧痛点と、それに対応するCさんのソマトトープ化した親指には、全く同じところに圧痛点がありました。

という事は、右親指の圧痛点に鍼を刺し圧痛点が消滅した時、右肩の痛みもなくなるという事になります。

結果、肩の痛みはなくなりました。

「先生、これで髪毛洗える❣❣️」

天城流と山元式新頭鍼療法(YNSA)の合体治療が出来ました。

モゾモゾ体操(その4)

モゾモゾ体操(その4)

「足は親指、手は小指」という重心安定の法則を身に付けましょう。日常の動作に力みがなくなります。特に施術家は、常に患者さんと接しているのですから、自ら力んでいると、患者さんにそれが伝わり、患者さんに影響してしまいます。

さてそれでは、何故、足は親指で手は小指なのでしょうか?

写真のガイコツ(トンスケという名前です)は、脱力した状態のカラダの骨組みです。

正中線は頭頂から地球の中心に向かった重力を可視化した線。これを見ると、手の小指と、足の親指が正中線近くに位置しています。

これが、「足は親指、手は小指」と言われる所以(ゆえん)です。

足の親指が正中線の近くにあるため、カラダを支えるのに重要な役割をしています。また、

第1中足骨(親指側)の頭(あたま)に二個の種子骨(イラスト参照)があり、カラダを支える補助となっています。これで、足は親指という意味は、分かると思います。

では、「手は小指」

小指側の中手骨と、尺骨の間に小さな豆や鈎(かぎ)がある豆状骨、有鈎骨(イラスト参照)があります。これらの骨が、しっかりと物をつかむ補助役となります。

そして、小指を握りしめる動作が連動していくと、肘が内側(正中線寄り)に向いていき、脇が閉まってきます。この一連の動きが重心を安定させていく重心安定の法則です。

このことを理解した上で、モゾモゾ体操をしてみましょう。

仰向けになり、手をしっかりと耳の横に付けて、伸びをしましょう。この時、小指側を伸ばすのでしょうか?あるいは、親指側伸ばすのでしょうか?

私は、答えを言いませんので、一度試してみて下さい。

モゾモゾ体操(その3)

今から紹介するのは、最も簡単な体操ですが、ほんの少し足の角度を変えると全く動かなくなります。ちょっとしたコツがあるので、そこだけはマスターしましょう。

朝、仰向けで目が覚めたとしましょう。こんな時、ゆっくり伸びをしたいものです。今回は足の伸びの仕方をお教えします。

ガニ股歩きの人が仰向けになると、足裏が逆ハの字となります。こういう人が、踵(かかと)を押しこんで脚を伸ばそうとしても、伸びません。

・・・・?と思われる方、一度しっかりとしたガニ股で押し込んください。

全然動かないことが分かると思います。

今度は、足裏をハの字にして、踵(かかと)を押しこんでみてください。すると、問題なく踵(かかと)が伸びアキレス腱も伸びてきます。

何故このような結果になるのか?・・・・それは、「足は親指、手は小指」という原則があるからです。足裏がガニ股で足先が開いていると、重心が小指側に向かうため、力が分散してしまい上手く伝わらないのです。しかし、足裏を内股にして親指側を押し込むと力が集中して脚が伸びてきます。

とても、簡単なことですが、非常に大切なことなのです❣️

しっかり、身に付けましょう‼️

武道家の呼吸

60才代、剣道の達人Bさんが、今回の患者さんです。

剣道の構えは右足が前で、左手で竹刀をしっかり支えます。しかし、達人となると、一般人が考える剣道とは違う動きをする事があるようです。左足及び、左腰を前に出したり、右手で竹刀を操る練習をされるそうです。

そのため、右肘の内側と、左膝の内側に張りと痛みがあります。

ベッドで仰向けになってもらいます。やはり、左足の方が15mmほど長く、骨盤が左に傾いています。剣道の構えで踏み込む時は、左足を使うため、どうしても左重心で左足が長くなります。

こういう時は、操体法で骨盤調整します。

仰向けのまま両膝を立てもらいます。左膝の内側にある大きなコリを、左足先を上げる(背屈といいます)事で取っていき、次に両膝を左右に倒したり、左膝に軽く圧力を掛けたりして、骨盤を調整します(今回は、詳しい手技の説明は省略します)。

骨盤が整った時点で、山元式新頭鍼療法。合計9本の鍼を頭に刺し置きします。

次に、右手を全身と見立てるソマトトープ(小さな人型)。

Bさんの痛みは、右肘内側と左膝内側。これを、右手に当てはめると、右薬指の第2関節の外側と、右親指第1関節の内側に当たります。これらの個所にある圧痛点にお灸を3~5壮。

最後に、外果治療点(外くるぶしの圧痛点)3カ所と内くるぶしの圧痛点1カ所にパイオネックスを貼って終了。痛みがなくなりました。

操体法の治療中、息を吐きながら動いていただいたり、吸いながら動いていただいたりするのですが、達人となると、息を吸っているのか、吐いているのか分からなくなります。

最初は、

「はい、ゆっくり息を吐きながら、動いて下さい。」

などと言っていたのですが・・・息を吐いても吸っても同じようにお腹が動くので・・・・

「・・・息は、ゆっくり・・・」

お任せすることにしました。

「普段、息を吸いながら動くことは、あまりないのですが・・・」

「いや、打ち込む前に相手に気づかれないよう、息を吸い、一気に動く事もあります。」

武道家に呼吸法を軽々しく言えないと痛感しました。

近くで治療している私が、吸っているのか、吐いているのか分からないのですから、試合中の相手が、動きを察知するのは非常に難しいだろうと伺い知りました。

武道家の呼吸法恐るべし。