裏内庭

 

「私が小さいころ・・・5~6才じゃったろか。食中毒になってな。そしたら、母親が足に灸(ヤイト)をしてくれたんよ。それがなあ、効いたんよ。」

「えっっっっ、それって裏内庭(うらないてい)じゃ・・・・足のウラ側じゃったでしょう?」

「それは、よう覚えてないけど・・・・・それがな、普通ヤイトしたら痛かろ。 それが、全然痛ないんよ。」

「はあ~??効いとるけん、そうなるんじゃろうなあ~」

「それからな、お腹がグルグル動いて、すーっとしてきて治ったんよ。」

食中毒に裏内庭(うらないてい)という方程式を知らない鍼灸師はいません。しかし、実話を教えてもらえる機会はそんなに多くないと思います。今回初めてリアルにイメージできました。80才代の女性患者Aさんが幼い5~6才のころ、今から70年以上前の愛媛県では、民間療法として食中毒の対処法が伝わっていたのです。

現在のように病院が多くない一昔前は、お灸が生活の一部として重要な位置を担っていたのです。もう一度、民間療法を見直してみるのもいいと思います。

モグサ作り

友人にヨモギをいただきました。本当にありがとうございます!背丈50cm前後のちょうど良い長さです。お灸に使うモグサは、このヨモギから作ります。そして、今がモグサ作りに最適の時期なのです。

ヨモギのウラにびっしり生えている綿毛のようなものを集めたものがモグサです。この作り方は非常に簡単です。興味ある方は是非やってみてください。用意するものは、ホームセンターなどで販売している乾燥用のカゴとミキサー。それと、ステンレス調理用ボウルと、ステンレスのザルのみです。

写真のように、大きくなったヨモギの茎から分かれた葉っぱを、カゴに入れます。2~3週間もするとカラカラに乾燥します。その葉っぱをミキサーで撹拌(かくはん)して、ボウルに入れたザルに移し、粉々になった綿毛以外をザルでボウルに振るい落とします。すると、綿毛の集合体だけが残りモグサができます。上質のモグサにするには、あと1~3回ミキサーにかけて同じように粉を振るい落とせばできます。

最近のミキサーは回転がとても速いので、あっという間(30秒ほど)にできます!下記に綿毛の説明をコピペします。興味ある方はご覧ください。

『艾は主にヨモギの葉の裏にある毛茸(もうじょう)と腺毛(せんもう)とから出来ている。腺毛には揮発性のチネオールという精油が主成分として含まれていて、燃焼の際の艾の独特な芳香を発する。その他にも、たんぱく質などの有機物、類脂質、ビタミンB,ビタミンCなどを含んでいる。

毛茸(もうじょう)とは

毛茸(もうじょう)はキク科植物などの葉の裏に密生する白い毛のことです。

毛茸(もうじょう)にはさまざまな形があり、よもぎの毛茸(もうじょう)はT字型をしたものが多いためT字毛と呼ばれます。

腺毛(せんもう)とは

腺毛(せんもう)には揮発性の精油(エッセンシャルオイル)が含まれており、その主成分はチネオールです。

もぐさを燃やしたときの独特の香りはこのチネオールの香りです。チネオールは炎症や痛みを和らげます。』

水飲むな!

我が家には、モモという美人(美猫というべき?)のメス猫がいます。野良猫で人に虐げられた経験があるようで、人嫌いのようです。でも、何とか我が家に居着いてくれました・・・・で、モモの水飲みを見ていて思うことがあります。

人以外の動物の多くは、舌で水を吸い上げるように飲みます。そのため、あまり多くの水を飲むことが出来ません。ましてや、野生の動物は水飲みをしている姿勢が、最も襲われやすいので、長時間飲むことは出来ません。

ところが、人間だけは手に持ったコップの水を一気に飲む早技が出来るのです。これって、動物としては有り得ない行為・・・不自然なことかも知れません。

私が高校で野球をしている時「水を飲むな!」が常識でした・・・・・今では、あんなバカなことをよくしていたな・・と、皆さん思っておられるはずです。熱中症対策のため、今は「水を飲みましょう」が常識です。

はたして、どちらが正しいのでしょうか?

私は、「水を飲むな!」にやや軍配をあげるかも・・・・「水を飲むな!」という教えは、多分、戦中の軍隊の命令だったのだろうと推測します。貴重な水はガブ飲み出来ません。その教えが体育会系には伝統として残っていったのでしょう。しかし、水を飲まない体育会系に死者は出ていないはずです。みんな、どこかでほど良く水を飲んでいたはずです。

これくらいが、動物の水摂取量として最適なのかもしれません・・・・これは、愛猫モモからの教えです。

 

竹取り物語

何と恵まれた場所なんでしょう!

裏山(権現山:標高117m)の入り口近くにある公の道に竹が生えているのです。ここは、誰も通らない場所。そこで早速、竹取りをしてヒマワリの支え棒を作りました。

今は、竹を切るには最悪のシーズン(水分が多い)なので、この竹は今回のみの使用となるはずです。秋から冬にかけての水分が少ない時期が竹取りには向いています。この場所には小さなタケノコが生えているので、冬までには大きくなっているはずです。来年以降のヒマワリに備えて、冬場の仕事が見つかりました!

最近の鍼

最近、患者さんから「痛い!」という声を聞くことが多くなりました。そうなんです、私の鍼は痛いのです。こう書くと、患者さんが逃げて行く・・・・かも・・・しかし、よく効きます!

なぜ痛くなってきたか・・・・理由の一つに「筋トレ」があると思います。以前の私は、筋トレなんて自然界の動物がしていないのだから必要ない、柔軟性があれば十分だと思っていました。ところが、石原結實先生の「石原医学大全」を読み筋肉がなぜ必要か分かりました。

これは実に簡単です。体重の40%は筋肉、その内の70%がヘソからしたの下半身。つまり下半身の筋肉が体全体の28%を占めて、しかも筋肉にある毛細血管が血液を貯蔵しているという事実を知ったのです。老いて衰えた下半身は血液を貯蓄できなくなり、血液が上半身に回り高血圧になるのです。

そのため、様々な筋トレを始めました。その一つに相撲の「てっぽう」があります。毎日、松板でできた分厚い壁の入り口に200回。これを始めてから、ヘソ下の丹田がしっかりしてきたように思います。そのため、「痛い鍼」になっているようです。0.25mmの直径の鍼を介して私の丹田から患者さんのカラダに電気を送っているのです。この時、コラーゲンで構成されている筋膜が電線となるのです。

私自身を鍛えることで、患者さんの健康維持に影響を与えることができる・・・素晴らしい仕事に感謝です!

気まぐれ作品

当院のトイレに入ると、ジャコメテイーの作品を感じさせるオブジェが立っています。これは、当院のアイドル「ちいちゃん」が、作ったものです。ちいちゃんとは、セキセイインコ(♀)です。

飛ぶことを知らず、毎日クチバシと足を使って、ヤモリのようにカゴの中をはいずり回って、時に止まり木をかじって遊んでいます。院内に流れる音楽に合わせてはさえずっているちいちゃんの気まぐれな作品。

気に入ってます。

これが自然

先日、ご紹介した近くにあるパン屋さんは、「ろばのパン屋」の前身で修業したパン職人。愛媛県は、日本で2番目にパン屋さんが多くあるそうです。その基礎を作ったパン職人さんです。そのパン屋さんに、食パンを買いに行きました。

「食パン、150円分お願いします。」

「5つ切りと4つ切りが、あるけど、どうします?」

「4つ切りでお願いします。」

ということで、本来なら450円の長い食パンをカットして150円で買うことにしました。そこで、ジブリに出てくるような店主が、長いカタマリの食パンの端(はじ=パンの耳)を切り取り、特別の機械で4つ切りしてくれます。優しい店主は、

「(切った)パンの耳あげましょう!」

と、パンの耳をまじまじと見て、

「今日作ったパンじゃけど、湿度があるんで、カビができとるけん・・・・」

と、パンの耳は頂けませんでした。添加物を入れないで作ったパンは、湿気が多いとその日でカビが出来るようです・・・・これが、自然。

どうしよう?

 

 

「どうですか・・・・肩の調子?・・・硬式ボール上手いこと使えましたか?」

「それが先生、ボールを置いて乗っても痛いんよ・・・上手いこと出来んのよ。」

「そうか・・・そしたら、別の方法を考えないかんな・・・治療点は他にも色々あるんよ。」

と、80才代の右肩痛の女性患者Aさんに硬式ボールを使って右の臀部をゆるめる方法をお教えしたのですが、どうやら指導方法に問題があったようです。そのためAさんはセルフケアが上手く出来なかったのです。山元式新頭鍼療法(YNSA)では、頭に治療点があるため、直接、硬式ボールを当てて押圧すると、

「あれ?先生、肩の痛いのが少ななった・・・・」

これで、AさんにはYNSAの効果を体感してもらいました。

「今日は、足にお灸をしてみようか?」

と、足に見つけた治療点を鍉鍼(銀の棒)で押圧しお灸をすることにしました。結果、Aさんの肩痛は無くなりました。この治療点にお灸することを、お勧めしたのです・・・・・ところがAさん、股関節が硬くて足ウラに触れることができないのです。

さあ~、どうしよう?

これヨモギ?

「鉢にヨモギを植えて畑に置いたんじゃけど・・・_」

「えっ!これヨモギ?・・・・違うと思うなあ・・・・」

「えっ!ホント?」

海外で農業指導を長年していた60才代の男性患者Cさんが、思わぬ言葉を発してくれました。そこで、グーグルを使って調べてみると、どうやら欧州ヨモギと朝鮮ヨモギを鉢に植えていたようです。そこで、思わずヨモギハンドブック (新書 – 2023/4/21 山下智道 (著) 4.3 5つ星のうち4.3 )をアマゾンで購入予約してしまいました!

『国内で見られるおもなヨモギ44 種類を掲載。一見似ている種類が多いヨモギ類を、葉と頭花の特徴で見分けられるように編集。識別だけでなくその種の個性、いわば「草となり」を、著者が実際に観察した経験から紹介。

食用や薬用、神事や魔術など、ヨモギと人の暮らしとのさまざまな関わりについても、豊富な情報を盛り込んだ。』

知らないことばっかりです・・・・参った!

イラストにする

駐車場と畑(駐車場に石垣を積んで畑にしました)には、さまざまな雑草が生えています。当院周辺は、アスファルトとコンクリートの空間なのですが、ここだけは、土がたっぷりあるので、自然豊かなのです。目の前には権現山(117m)があり、低山登山が簡単にできます。そんな環境が影響しているのか、雑草の種類が多いようです。その中にチョット気になる草があったので調べてみました。

アリウムトリゲトラム

アリウム・トリケトラムは、ヒガンバナ科アリウム属の多年草(球根植物)で、葉や茎はニラの香りがします。アリウム類の中では開花時期が早く、春から初夏にかけて、釣鐘状の白地に緑の筋が入った美しい花が無数に開花します。和名の三角葱(ミツカドネギ)は、花茎の断面が三角形であることにちなみます。

とあります。覚えかたをイラストにしたので覚えやすいですよ!