
私は、患者さんの頭に鍼を刺して、しばらくゆっくりとする間、
「何か質問ありますか?私で答えられる範囲でお答えします。」
とよくいいます。特に高校生には、時間が許す限り話をすることにしています。
「何で、頭に鍼を刺して膝ウラが緩むんですか?」
という質問がかなりあります。その時は、筋膜と経絡(ツボのながれ)との関係を解剖学的に説明し、筋膜の流れ=経絡(ツボ)の流れであるという事実に気づいてもらいます。
その事実を裏付けるのが、写真の筋膜の教科書「アナトミートレイン」にある「スーパーフィシャル・バック・ライン(表面的な後ろ側の筋膜のながれ)以後SBLといいます」です。
「筋膜の流れというのは、浅いところや深いところを流れていて・・・・それが、2000年前からとか、3000年前からとかいわれていたツボの流れと一致したんです。このSBLをよく見て下さい。SBLは足ウラから膝で一旦止まって、再び背中を通ってオデコで止まっているでしょう?だから、膝ウラは下と上から引っ張られて緊張しやすいんです。これは、経絡では、膀胱経の流れになるのです。
筋膜はコラーゲンで出来ていて、電気を通しやすいので、オデコに鍼を刺した瞬間、膝ウラが緩んだでしょう?あっという間に電気が通った・・・・ということは、その途中の背中にある大きくて長い筋肉が緩んだってことになるでしょう?」
「はい。」
「ということは、背骨が整ったことになってそこから出ている自律神経が整ったということになるんです。」
(続く)