色々あった1日

日仏文化交流展で来日されているフランス所属団体の会長さんが、息抜きのため私の故郷に来られました。東温市にある惣河内(そうこうち)神社の社務所は、私が生まれ小学校5年生まで生活したところです。現在は、弟夫婦と母親が社務所の隣りにある実家に住んでいます。社務所には一畳庵という俳人・松根東洋城先生が1年半住まわれた実際には一畳半の畳間があり、見学することが出来ます。関係者合計6名が、社務所でゆっくりくつろぎタイム。梅雨前の清々しい天気に心地よいそよ風・・・新緑が鮮やかで、100種類ある山あじさいが清楚にたたずんでいました。

私は案内役を済ませた後、松山市内の萬翠荘に寄ってみました・・・思った通り作品は、どなたかが触れて、一部壊れていました・・・・積み木ですから、これも作品の一部、予定されたハプニング・・・予定されているので、本当はハプニングとは言えません。修復に30分ほどかかり、午後8時の治療のため帰宅。

40才代の男性患者Cさん、半年前から両腕を上げると痛みがあり、様々な治療を受けても治らないそうです。そこで、大沼四廊先生がやっておられた臀部のコリを取る操法をやってみました。

「どうですか?  腕上がりますか?」

「・・・あれっ、上がります。」

Cさんの痛みは面ではなく、両肩とも点で痛いので大沼先生の操法が効果あると思いやってみたのですが、効果が出ました。後は通常にの山元式新頭鍼療法(YNSA)で10→3位痛みが取れました。

今後とも、大沼式の治療法も加味しながら患者さんと向かい合っていこうと思います。

膀胱子宮治療点が効いた

「朝から2回吐いて・・・頭痛が激しく・・左の奥歯が痛いし・・・・右目も痛いんです。」

予約なしで、突然の訪問でした。うつ向きかげんで本当に辛そうな40才代の女性患者Bさんに、何を食べたか伺いました。

「昨日、唐揚げを食べました。」

「それがいけなかったかも知れませんね。」

大沼四廊先生の著書「がんの盲点 白血病はがんでない」には。下記のような一節があります。

『食材ばかりでなく、調理の仕方にも危険があります。最も危険な調理法は、油炒めです。その理由は、油は熱で酸化するからです。不調時に、酸化した油を大量に搾取する事は、内臓の働きも低下しているために、脂肪を分解するリパーゼの分泌が悪くなり、未消化の脂肪が、体内に混入することになります。未消化の脂肪は、体内で不安定な酸素と結合して過酸化脂質を作ります。この過酸化脂質が血管の内膜に浸透して溶かして内臓出血を誘発することが知られています。フライドポテトなどの揚げ物のおやつ類にも同様の問題があります。』

とあったのを思い出し、Bさんには食べ物の大切さを説明しました。置鍼した後、大沼先生の治療動画を見てもらう事にして、早速治療に入りました(すっかり、足の長さを比較するのを忘れてしまいました)。左上の奥歯と頭痛があるとの事なので、左眉毛と左頬骨弓の下に2本置鍼しました。

Bさんは非常に感覚が鋭いので反応が早いのです。左小脳の治療点に置鍼すると、

「あれっ・・・目が開いてきた。」

「あっそうか、目も痛かったんですね・・・目の治療点にも鍼刺しますね。」

と、オデコの右側に置鍼しました。次に左膀胱治療点に置鍼すると、

「・・・・グラグラしていた奥歯がしっかりしてきた。来た時10じゃったんが、3くらいになってます。頭痛も無くなったし・・・唾液が出てきました。昨日、歯医者に行ってどこも悪ないと言われ治療してもらえなかったのに・・・・」

「今刺したのは、膀胱や子宮と関係があるところです。」

「やっぱりね・・・3年前に左の卵巣を取っているんです。そして、子宮内膜症の薬を飲み続けないと癒着すると言われ、薬を飲み続けると糖尿病になる可能性もあるとも言われました。」

やはり薬漬けの治療のようです。それにしても、膀胱子宮に関係する治療点の置鍼は効きました。残りの7つの診断点全ての圧痛がなくなりました。やはり、3年前の卵巣摘出と今回の症状は関係しているようです。立ち上がる時、ふらつきがあったBさん、もうふらつきはありません。よかった、よかった!

腸管膜根

腸管膜根という言葉を初めて知りました。これは、大沼四廊先生の著書「椎間板ヘルニアは確実に治る」にキーポイントとなる個所として載っています。

『腸管膜根は第一腰椎の左側から右仙腸関節部にかけて斜めに付着しているため、ストレスを受けると収縮して、右側の腸骨を前方上方向に狂わせます。右の骨盤が狂うと右側の下肢を栄養する大腿動脈や静脈が圧迫され右下腹部にうっ血が生じます。』

女性の場合は、右側の子宮内膜症や男性なら前立腺炎やガンを誘発されるとあります。私が操体法治療で、患者さんに仰向けになってもらい、足の長さを比較するとほぼ9割は右足が縮まっていることを確認しています。

「◯◯さんは、右利きですか・・・なるほど、右利きの人は重心が左に掛けるので、左足がながくなる傾向があります。」

といっていたのですが、どうやら腸管膜根が何らかストレスで縮み右足が短くなっていると考えた方がいいようです。明日から、骨盤調整をしてから治療するように治療法を変えます。

完敗

 

間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれる歩いてしばらくすると、腰痛で歩けなくなる症状の70才代の男性患者Aさん、5回の治療にもかかわらず、全く改善できませんでした。間欠性跛行には、閉塞性動脈硬化症と腰部脊柱管狭窄症の2つのタイプがあり、Aさんは後者のタイプです。理由は前傾姿勢になって階段の歩行は出来て、両脚にしびれ、痛みが生じるためです。前者は、片方の脚に痛み、しびれが生じるようです。

Aさんは2年前に散歩中、急にこの症状が出ました。1年前に手術をしたのですが、治らず当院でも治らず・・・・誠に申し訳なく思います。そこで、今回は操体法を行い、魂合気創始者の大野朝行先生のマノスエ(自然の摂理に沿った)の姿勢、歩き方などのDVD一緒に見て勉強しました。
私の鍼灸治療の限界です。そこで、私は新たな体験をする事にしました。現在新幹線に乗って、名古屋に向かっています。大沼四廊先生という血流浄化の医学博士が開発された治療法受けることにしたのです。

これは、後日ご紹介します。特に私は疾患を持っているわけではないのですが、物理的には血液の流れがスムーズで、血液の質が良いことが、健康の条件だと思います。それを徹底的に追求されておられるのが大沼四廊先生です。

新幹線を降りて、地下鉄に乗り先生の治療院近くの公園で、ちょっと休憩中です。完敗からの立ち直りに乞うご期待を!

追伸:iPadを大沼先生治療所に置き忘れたので、3日遅れで書いています。

 

 

進化あるのみ

1ヶ月に1度、体調管理で通院されている50才代の女性患者Cさん。今回は右の頭頂部から肩甲骨にかけてマヒして感覚がないような感じだそうです。かなり苦しそうです。よく伺ってみると、来月国家資格の試験があり、その勉強が進まずストレスを抱えておられます。

「年のせいか、中々覚えられなくて・・・・」

「それって、マスクのせいではありませんか?チョット酸欠状態になってしまって、血流にも影響があるのかも知れませんね。」

「そうです、マスクの耳ヒモがきつくって・・・・息苦しいし・・・」

「今日は、仙骨呼吸というのをしてみましょうか、これは深い呼吸になります。」

と言って、Cさんには魂合気の創始者、大野朝行先生の提唱される仙骨呼吸を練習してもらいました。仙骨呼吸で息をいっぱい吸って高音を出すと、長時間高音が出るのに驚いておられました。大野先生のYouTubeを見ると、息はいっぱい吸って蓄えるのが良いとおっしゃっています。今まで、呼吸は吐き切れば自(おの)ずと空気は肺に入ってくる、だから吸うという意識がありませんでした。

それが、大野先生の仙骨呼吸法を体験して、呼吸に関して*も180度考え方が変わってしまいました。*もといったのは、今まで足の母趾球に重心を置くのが当たり前だと思っていたのが、踵重心が日本人本来の姿勢である事を知ったからです。もう私の頭の中はグジャグジャになってしまいました・・・・それは、さておきCさんに戻ります。私がCさんのオデコに鍼を刺すと、

「・・・・そこ硬いですか・・・・」(Cさんの弁)

「いや、別に・・・硬くないですよ。」(私の弁)

「一本目から全然ちがう、以前の2倍くらい痛いんですけど・・・・・鍼大きいのに変えたんですか。」

「あああああ・・・・最近の私の鍼、痛いんです。」

「ものすごく痛いんですけど。」

「やっぱりね・・・・踵重心にしているので、一本一本が痛いみたいです・・・その分、効果はあります。」

「(首を)押されても感覚がなかったのが、戻ってきています・・・ ものすごく効いています。」

13本の置鍼で左右のバランスが取れてきたので、終了としました。進化あるのみ。

マノスへの姿勢

 

「自分でお灸をするのと、ここ(鍼灸院)でお灸を受けるのとでは、効果が違う。」

施術をしている時、60才代の男性患者Bさんが突然おっしゃたのです。Bさんは、今年1月には膝の手術を予定していたのですが、4ヶ月の通院で、膝が回復し正座ができるようになりました。そして、熱心に自宅でもお灸をご自身でされています。ところが、効果が違う・・・・なぜなのでしょう?多分、多分ですよ・・・姿勢が違うと効果が違うはずです。

 

自宅でお灸を足にする場合、片足あぐらにして、かがみ込んでお灸をします。この時点で無理な姿勢になっています。魂合気の創始者、大野朝行先生の唱えられるマノスへ(自然摂理に沿った姿勢)の状態で施術を受けると、気や血の流れが良くなり効果が上がるはずです。今回は、座いすに座ったままで、マノスへの姿勢をとって施術を受けるようにお願いし、お灸のみ足の1点に25壮ほどして終了。

「・・・・皿(膝の)が動きよる・・・・ちょっと、かゆい感じ。」

「・・・膝の内側が温もってきた・・・そこと、膝は確実につながっとる。」

足に見つけた治療点は、お灸が最も効果的なようです。もうこの治療点は間違いありません。それを実証するだけの症例を沢山作りたいと思っています。

阿南市に四国89ヶ所の霊場

 

徳島県の阿南市が主催するイベントで第15回西日本生涯還暦野球大会が、先日開催されました。阿南市役所には「野球のまち推進課」が全国に先立てて設置され、野球で地域越しをしています。西日本の32チームが招待され、5ブロックに分かれ優勝チームが5チーム生まれる大会です。70才代の男性患者Bさんのチームは、そこで5連勝し優勝したそうです。四国88ヶ所に1つ付け足しして四国89ヶ所を89(や+きゅう)霊場を阿南市に設置(スポーツ評論家、二宮清純氏の提案だそうです)。60才以上のチヤガールズも出て来て楽しいイベントです。

Bさんは、この大会に間に合わせようと2週間前から右肩の治療に来られていたのですが、2回の治療で何とか間に合いました。レギュラースタメンで毎試合出て、活躍されていました。何とBさんは、スポーツ紙に負けない立派な「手作り新聞」を作って成績を残しておられました。こうやって、成績が残ると俄然やる気になるものです。もちろん、この新聞はメンバーみんなが読む事になるのですから・・・・・来年から、参加してみよう・・・などと思ってしまいます(私も2回ほど練習に参加したことは、あるのです)。

さて、本日のBさん、自律神経を整える基礎治療で、鍼4本を頭に刺し、首診をして内臓を整える応用治療には、3壮のお灸を足にして終了。後は、右肩の治療です。足に見つけた治療点にお灸をしていきました。紫雲膏をたっぷり盛ったうえに、艾炷(がいしゅ=円錐形のモグサ)を置き火を着けるのですが、Bさんはほとんど熱を感じなかったそうです。それでも、右肩は良くなっていきました。下記が、Bさんの言葉です。

1壮:「朝起きた時よりも、可動域はふえた。」

2壮:「肩・・・あんまり痛くない。」

3壮:「前より(痛みが)多少減った。」

4壮:「違和感があるが、(痛った!)ちゅうのは無い。」

5壮:「違和感がだいぶ減っとる。」

6壮:「痛み、違和感がない・・・可動域が増えとる。」

最後にパイオネックス(円皮鍼)を治療点に張って終了しました。次回の治療は、1週間後です。またご報告します!

大海原

自己免疫疾患があり、当初は週に1回のペースで来院されていた40才代の女性患者Aさん、

最近は月に1回の来院です。前回のお灸治療が気持ち良かったので、基礎治療(自律神経を整える)は、頭に置鍼し、内臓を整える応用治療はお灸をする事になりました。

合谷診:左(左上腕診、左膝診をします)

上腕診:頚椎、胸椎、腰椎、大脳

膝診:頚椎#2(2)、胸椎#4(1)、腰椎#4(1)、大脳(0)、小脳(0)

(   )内は置鍼の数。

首診:左腎(灸2壮)、左大腸(灸5壮)、左三焦(灸3壮)、左脾(灸2壮)、右膀胱(灸5壮)、右大腸(灸3壮)、右胃(灸4壮)

Aさんは、4本の置鍼でその即効性を体感された後、お灸で徐々にカラダがほぐれていくのを体感出来るので、ちょっとリッチな感じのようです。しかも、紫雲膏を皮膚にたっぷり盛って、やや大きめの艾炷(がいしゅ=円柱形のモグサ)に火をつけても熱くないのにAさんビックリ。この灸なら、患者さん本人ができるので、その簡単な方法をお教え出来るようにしたいと思います。

来院した時、肩がパンパンに張っていたのですが、足のお灸で徐々に肩が温かくなり、緩んできました。また、張っていた腰も長時間座っていても気にならなくなりました。お灸をしながらの治療の良いところは、心地よい会話が出来、心が和(なご)むことにあります。Aさんは好きなスピッツの曲を聴きながら時に、小声で歌って楽しい過ごされました。

また新たな足の治療点が見つかりそうな気配・・・・足だけで、大海原を航海しているような感覚になります。これからも、もっと楽しみたいと思っています。

1本の置鍼で良くなった

 

以前、60才代の男性患者Aさんで、10年前、犬の散歩中に左膝が抜けるような感覚になり、しかも野球でキャッチャーをして悪化させ、今年1月に手術の予定があったにもかかわらず、当院に通院され回復し、主治医の先生に手術の必要がないといわれたことを紹介しました。その後の経過をご報告します。

「いや~、膝に痛みが出ても、自分で治せるようになったのが、本当に不思議。」

来院されるや否や、嬉しそうに話してくれました。Aさんは耳の後ろや、眉毛の上にある治療点を刺激してご自身で治療しています。とにかく、5月末からの野球練習開始を目標に掲げての通院ですから力が入ります。

「最初は、半信半疑じゃったろう?」

「そうよ、半信半疑・・・〇〇君(同じ野球チームの後輩)なんか、治っているけど、治療中は半信半疑じゃった言よったよ。」

〇〇さんは3回の治療で良くなった方です。おかげでこの野球チームからの患者さんが増え始めているのは、ありがたい限りです。

合谷診:左(左の上腕診、膝診を行います)

上腕診:なし

膝診:左頚椎#5、#6、#7(0)、左胸椎#1、#2(1)、#8(0)、左脳幹(0)、

首診:右大腸(0)、左肝(0)、左心包(0)、左大腸(0)

(   )内は置鍼の数。

今回は、たった1本の置鍼で全ての圧痛点が消滅しました。こんな事は初めてです・・・・少し腕が上がって来たのかも知れません・・・とにかく、後は左膝の治療点に2ヶ所置鍼して鍼治療は終了。次は、見つけた足の治療点に紫雲膏灸(紫雲膏をたっぷり塗ったところに、灸を据える痛くない灸治療)をすることにしました。すると、

「膝の内側に熱が来た。」

「膝の皿全体が動く感じ。」

などと、教えてくれました。この証言は、膝の治療点を証明してくれていると思います。このような事例を数多く集めていきたいと思っています。これからも、益々楽しい治療家人生を歩んでいきます!

セルフケア

 

「鍼とお灸はどちらが好きですか?」

「鍼です!」

と間髪入れず返事が返ってくる70才代の女性患者Aさん。鍼だけで治療することにしました。目の奥、こめかみ、後頭部、右肩、腰に痛みがあります。こういう場合も自律神経を整えたあと、内臓を整えてからAさんの訴えている箇所の治療をします。

合谷診:右(右上腕診、右膝診をする)

上腕診:右頚椎、右胸椎、右腰椎(1)、右脳幹(0)

膝診:右頚椎#1、#2(1)、#6(1)、右胸椎#1、#2(1)、#9~#12(1)、右脳幹(0)

首診:右膀胱(1)、右肝(0)、右胆(1)、右脾(0)、右小腸(0)、右肺(1)、左腎(3)、左肝(1)、左胆(1)、左三焦(1)、左胃(1)、左脾(1)、左小腸(0)  (   )内の数字は置鍼の数。

上記の治療で、こめかみ、後頭部の痛みはなくなりましたが右肩と左目に痛みが残ります。そこで、おでこにあるそれぞれの治療点に、1本ずつ置鍼すると痛みがなくなりました。残る腰痛の治療点(耳ウラ)に2本置鍼。

「あっスッとしてきました。」

随分良くなったようなので、治療終了となりました。後は、

「OKグーグル、タイマー30分お願いします。」

と、置鍼してから30分Aさんにゆっくりしてもらうだけです。私は、Aさんが来院される前にベッドで自力自療の操体法をしていたので、その続きをしたくなり、

「ちょっと、これから体操しますね・・・・」

「・・・はい、どうぞ・・・あのう、見ても良いですか・・・・写真撮っても良いですか?」

「はい、いいですよ!」

ベッドで仰向けになり下肢をゆっくり捻(ひね)ったり、手首をゆっくり回して首肩の連動をうながしたり・・・・

「バシッ・・・・バシッ」

シャッターの音を聞きながら14~5分やったでしょうか・・・・普段のセルフケアを患者さんに見ていただくのは、良いことだと思い、今後は、積極的に見ていただくことにしよう!などと考たのでした。